第3話 出会い②


「いや、俺は……」



しどろもどろになっているエドに男たちが向かう。



「だから、俺は関係な……」



言いながらも、エドは男たちの攻撃を転けそうになりながらも間一髪で躱していく。



「この野郎、ちょこまか逃げやがって!!!」



エドは数人の男たちに囲まれながらも、器用に躱していた。



「むっ」



女騎士は眉をひそめながら、思うことがあるのかエドの動きを見ていた。



「お嬢様、そろそろ引き上げましょう」



「わかったわ!」



今度は腕を組みながら、大きい声で紳士風少女はうなずく。



「おい!お前こっちに来い!」



グイっ!



「わ、ちょっ、ちょっと」



男たちの輪から出た瞬間、走ってきた女騎士に腕を引っ張られてエドは蹈鞴たたらを踏みそうになる。


腕を捕まれ半ば引きずられながら、エドは少女たちと共に破壊された壁から酒場を後にした。



「待てぇこの野郎!!!」



続いて男たちも壁から酒場を出る。


そして、その場には酒場を壊され頭を抱えるマスターの姿がポツンと残されていた。

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