大丈夫。

電車が出発する。

ブレーキの緩解音が聞こえるのに、

君は、まだ扉の前。

不安そうにこっちを見ながら、

ガラス窓に手を着けた。


僕は拳を前に出して親指を立てる。

「大丈夫。」

不安を慰めるより、勇気づけたい。


生まれた頃から、

この小さな町しか知らない。

君の世界が、今、無限に広がっていく。


だから僕は、いつでも言うよ

「大丈夫。」



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