怠惰な日常。

@lazy-dog13

「守りたいもの。」

あの頃の町はね。

酷い状況で、明日の事を考える「自由」さえ

難しかった。

私は「あなた」を授かって

初めて「生きたい」と思ったの。


深夜の町が、

お昼みたいに明るくなって。

いくら耳を塞いでも、

消えない怒号と悲鳴の中。


走って、


走って、、。


気づいた時には。

白い塀に囲まれた、

小さなベットにいたの。


今日を迎えられた。

そう思って両手を掲げたけれど。


そこに、もう「あなた」いなかった。


どれだけ、涙を流しても、

どれだけ、謝罪を繰り返しても、

もう戻っては来てくれない。


あれから76年たちました。


とても小さな「あなた」が守ってくれたから

私は「生きたい」と思えているよ。


令和3年の病が溢れるこの町には


「守りたい。」物を

守れる「自由」はあるのかな?







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