「令和版我輩は猫である」
我輩は猫である。名前もちゃんとある。
なかなか気に入っている。
平成の一時期には、『きらきらねえむ』なる変わった特徴の名前が一世を
今は、令和というのだったか。良い時代になったものだ。
何より、人間と仲良くしていれば、食事に寝床、健康さえも保証してもらえるのだから。
『最近の若猫は媚を売りすぎだ』とぼやく先輩猫もいるが、しょうがないだろう。人間はしっぽが無く、鼻もあまり効かないらしいのだから。
それに彼らだって、仔猫のように甘え声を出すのを我輩は見たことがある。
まぁ、しょうがない。人間は我々より、ずっと鈍感なのだから。
…ふむ、同居人達が帰ってきたようだ。
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「ただいまー!
あ!センセイ、お出迎えに来てくれたの?
ありがとねー
今日は、おやつ買ってきたよ!
…ぷっ、ふふ、どうしたの?
そんなに笑顔になっても、今はあげないよー!」
彼らののっぺり顔は、きっと我々のしっぽの代わりなのだ。
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