第12話 シーン31
シーン31
恵子をかばう様に応戦し、深い傷を負いながら逃げる坂上。
お互いの銃の乱射が続き、陣内専務が倒れると同時に、坂上の銃のスライドがホールドオープンし、弾切れになる。
深大寺課長 「おや、弾切れかな?」
恵子 「坂上さん、こっちへ!」
ヨロヨロになった坂上を支えて巨大冷凍庫へと入って行く恵子。
シーン32
薄暗闇の巨大冷凍庫の中には解体され冷凍された牛や豚が連なって吊るされている。
坂上 「ハァ、ハァ・・・」
恵子 「坂上さん、しっかり!」
坂上 「恵子ちゃん、ここで・・・お別れかもね・・・」
恵子 「そんな事言わないで!」
と、巨大冷凍庫の明かりが付き、銃を手にした深大寺課長が姿を見せる。
深大寺課長 「・・・、ずいぶんと手こずらせてくれたな。だがここは行き止まりだぞ?」
恵子 「そんな事分かってるわよ! 自分の職場ですもの‼」
深大寺課長 「その職場で死ねるなら、本望か?」
恵子 「この卑怯者‼」
銃をゆっくりと持ち上げ、銃口を恵子に向ける深大寺課長。
激しい銃声が響く。
銃弾は恵子の左頬をかすめるが、深大寺課長の銃も弾切れになる。
深大寺課長 「カチッ、カチッ!」
(必死に引き金を引く)
その隙を見て、近くにあった自動吊り下げレールのスイッチを押す恵子。
吊るされていた牛や豚の肉の固まりが動き始める。
深大寺課長 「クソ!」
空になった銃を捨て、近くの肉切り用の道具から電動チェーンソーを選んで恵子に襲いかかる深大寺課長。
回転する肉の固まりでそれを必死でよける恵子だが、次第に隅へと追いつめられる。
深大寺課長 「メモリーカードはどこだ? 女の大事な部分にでも隠したのか? これでお前の身体を切り刻んで、メモリーカードを見つけ出してやる」
恵子、顔の傷を押さえながら、
恵子 「よくも女優の顔をキズモノにしてくれたわね!」
深大寺課長 「女優だと? 素人のくせに笑わせるな。女優ってのはな、漢字で優れた女と書くんだ。女なら誰でも出来るセックスだけが見せ場のお前の何処が優れている?」
近くに落ちていた金属棒を拾い上げる恵子。
恵子 「私の見せ場は、これからよっ!!」
勢い良く金属棒で深大寺課長に襲いかかる恵子。
恵子 「でぇいっ!」
深大寺課長 「うぉっ! 」
恵子 「こんちくしょうっ!」
深大寺課長 「あぁっ!」
チャンバラの様に金属棒とチェーンソーが激しく火花を散らす。
その時、恵子の金属棒が二つに折れる。
恵子 「そんな!」
深大寺課長 「ふふふふふ。死ねぇっ!」
仁王立ちになってチェーンソーを大上段に振りかざす深大寺課長。
深大寺課長の胸から血しぶきが上がり、長い牛刀が突き出して来る。
ゆっくりと膝から崩れ落ちる様に倒れる深大寺課長。
その後に坂上の姿。
坂上 「見せ場は、俺にも残しておいてくれよな」
恵子 「坂上さんっ!」
抱きしめ合う二人。
冷凍庫の寒さで二人とも震えている。
坂上 「(恵子の口癖を真似して)どうでもいいけど恵子ちゃん。
ここ寒いですぅ?」
恵子 「フフッ、アハハハハっ!」
ひとしきり笑った後に見つめ合い、熱い口づけを交わす二人。
THE END
私のハートは非売品!! (シナリオ版) 駿 銘華 @may_2018
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます