第11話 シーン30
シーン30
岡村ハムの重役室。
陣内専務、貝藤弁護士、深大寺課長、それに手足を縛られた恵子がいる。
陣内専務 「いやぁ、ライバル会社の重役室と言うのは実に居心地がいいですなぁ」
深大寺課長 「私はこの部屋の椅子に座るのが長年の夢だったんですよ」
陣内専務 「それも夢じゃなくなりますよ、深大寺さん。今回の件はあなたのお手柄でもある」
深大寺課長 「いえいえ。これも貝藤さんのお力添えがあってこそです」
3人を睨みつける恵子。
恵子 「深大寺! あなた会社を裏切ったのね!!」
深大寺課長 「どうやら君には大企業と言う物が良く分かっていないらしいね。君も知っての通り、この工場だけでも千人の雇用者が働いている。この大不況の中で彼らを食わして行くには、色んな事をしなきゃならんのだよ」
恵子 「キレイ事言ってんじゃないわよ! 本当は自分達だけが儲かれば良いくせに! 私は見たのよ! あなた達が株価を不正に操作する為に、毒物混入の自作自演の偽装工作をやったって証拠を!!」
陣内専務 「おやおや、そこまで知られているとは、まずいですなあ。深大寺さん?」
深大寺課長 「まずいですなぁ~」
貝藤弁護士 「で、その証拠とやらはどこにあるんですか?」
黙って貝藤弁護士を睨みつける恵子。
貝藤弁護士 「どうやらこれはカラダに聞いた方が良さそうだ」
深大寺課長 「彼女の責められっぷりは、なかなかのモノですよ」
陣内専務 「それは楽しみだ」
革のムチを取出し、恵子を叩き始める深大寺課長。
叩く音と恵子の悲鳴が交差する。
深大寺課長 「このインラン女! よくも俺の息子を駄目にしてくれたなっ!」
悲鳴をあげながら反論する恵子。
恵子 「そんなの・、天罰・、よっ! きゃあっ!」
深大寺課長 「これも本当は気持ち良いんだろう? 撮影では楽しんでたんじゃないのか?」
恵子 「この・・・! 変態ジジィ!!」
深大寺課長 「お前みたいな変態女に言われたくないわっ!」
拷問で息を切らしながら、恵子が担荷を切る。
恵子 「私は確かに変態を演じているけど、心だけは真っ直ぐなのよ! アンタ達みたいな金の亡者なんかと、一緒にされちゃ迷惑よ! ・・・私の身体はお金で買えても、私の心は売り物じゃないっ!!」
深大寺課長 「何をっ!」
貝藤弁護士 「深大寺さん、手ぬるいですな。こうなったら全部脱がせて証拠のメモリーカードを探しましょう」
ニヤニヤしながら恵子の服を脱がそうとする3人。
恵子 「やめなさいっ、やめてっ!!」
恵子が半裸にされかかった瞬間、部屋の外で銃声が鳴り響き、入り口をガードしていた砥賀と江藤が部屋に倒れこんで来る。
身体のあちこちに傷を負いながら銃を構えた坂上が入って来る。
坂上 「俺の女に手を出すな!」
恵子 「坂上さん! でも、どうして?」
陣内専務 「貝藤! コイツは始末したんじゃ無かったのか⁉」
貝藤弁護士 「は、いえ、こんな筈は・・・」
坂上は銃を3人に向けたまま縛られた恵子を開放しながら、
坂上 「俺の事疑ってたの? あれは、あの場を切り抜ける為のお芝居に決まってるじゃん」
恵子 「そうだったの・・・。坂上さん、ごめんなさい!」
坂上 「俺もそこまでのオトコって事なのね(泣)」
その時、貝藤弁護士がテーブルに置いてあった銃に手を出す。
坂上 「動くな!」
動きを止める貝藤弁護士。
坂上が左手でポケットのPDAを取出してかざす。
坂上 「これを見ろ。お前らの陰謀の情報は全てこの中に入っている。このボタンを押すだけでネットや管轄当局に送信される様になっているんだ。この意味が分かるな?」
黙ってうなずく陣内専務、貝藤弁護士、深大寺課長。
坂上 「今後俺達におかしな真似をしたら、すぐにボタンを押してやるから、覚悟しておけよ!!」
貝藤弁護士 「フッ、ハッハッハッハッ!! 坂上君、君も甘いな」
坂上 「何だと?」
貝藤弁護士 「君のPDAのIPアドレスはとっくに調査済みだ。今頃ではもう無効になっているから、ボタンを押しても送信は出来ないよ」
坂上のPDAを取り、送信ボタンを押す恵子。
恵子 「坂上さん、送信が出来ない!」
再び銃を取ろうとする貝藤弁護士。
発砲して貝藤弁護士を倒す坂上。
陣内専務と深大寺課長も銃を取出し、銃撃戦が始まる。
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