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そこそこ、大きめの仕事が終わった。
記念に同僚がおんなのこだらけのお店に連れていこうと画策していたらしいが、丁重に辞退した。
ようやく、第二次成長が、来た。待ちに待った、ちんちんの強化。これでおとな。
ただ、面倒な悩みがひとつできた。
ちんちんが反応しすぎる。
この年の人間ならだいたいこうなるというのは、事前に理解してはいた。しかし、想定をはるかに越える面倒具合。辟易している。
同僚の女からは、かなり同情された。この年齢でのちんちんは、女性側のそれよりもしんどいらしい。50年ぐらい延々としんどい側と、数年にかけてひたすらにしんどい側。どっちもどっちだった。ただ、両者とも面倒なことに変わりはない。
同僚から、連絡。写真。
おんなのこだらけのお店。アイドルからプロレスラーまでいろんな業種の人が集まって呑む、スポーツバー。
「くそっ」
行きたかったなあ。今日は野球もサッカーも良い試合ばっかりなのに。スポーツバーでドリンク片手にわいわい応援したかったのに。近くに女性がいるというだけで、ちんちんがうるさい。まじで邪魔。切り落としてしまいたくなる。
「あっごめんなさい」
立ち止まって写真を見ていたから、ぶつかってしまった。
「ん?」
ぶつかってきた、のか。
肩を掴まれる。
咄嗟に反撃してしまった。わき腹にサイドキック。
「あっごめんなさい。つい」
ちんちんをぶつけてしまわないようにと思ったのが、予想以上に良い感じの蹴りを繰り出しちゃった。
「大丈夫ですか?」
助け起こそうとして。
掴まれる。
なんだ。
悪意は感じない。
感じないが。
なにか。
狙われている感じがする。
この感覚。
覚えがある。
これは。
「おい待っ」
手が素早く伸びてきて。
掴まれる。
ちんちん。
「おいおまっ。やめっ。やめろっ」
なぜここに。
「長かった。長かったわよ」
彼女。
なぜここにいる。
「なんでここにいるのかって?」
ちんちんを引っ張られる。
「わたしも正義の味方に。なったのよ。あなたを追ってね」
「やめろっ。しぬっ。ちんちんがしぬっ」
やってることが、もはや正義の味方のそれではない。
「わたしのちんちんっ。離さないわよっ」
「いやいやいや離してっ。おねがい離してっ」
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