第107話 フィンディルさんの自主企画……参加作品の感想⑦
引き続きフィンディルさんの自主企画に参加された作品の感想を書いていきます。自主企画自体は既に終了していますが、まあ、カクマラソンを完走したいので、その為のネタでもあります。今の所、21日継続中だったりします。
自主企画のURLはこちら
https://kakuyomu.jp/user_events/16817330653180638267
踏切/峰岸/北
https://kakuyomu.jp/works/16817330654085864277
この作品はSFとなっていますが、少し不思議のほうのSFですね。この内容をサイエンスフィクションの方のSFにすることもできなくはなさそうですが、設定を作るのに骨が折れます。ただし、ジャンルはSFではなくて現代ファンタジーにすべきではないかと。
深夜、線路の保守作業をする車両を化け物に置き換えています。他にも通常ではありえないファンタジーなアレコレも語られていて、その辺の不思議は面白いと思います。今回は鉄道関係の化け物でしたが、その他にもいそうな化け物を紹介していく様な構成とすれば、一話完結での短編連作として面白い作品になりそうです。
今回は、主人公の少年が「踏切に出てくる化け物」を怖い存在だと思っていたのが、実は鉄道を維持するための大事な仕事をしている良い化け物だと教えられるというストーリーです。こういうのは真北だと思います。
詭弁/冴木さとし/真北
https://kakuyomu.jp/works/16817330653942137234
まずは
さて、後輩にトロッコ問題を質問され、素直に答えない主人公。そのやり取りだけという物語だけど、自分はこの主人公に全面賛成しますね。
SFでは『冷たい方程式』(The Cold Equations 1954年)という作品がありまして、宇宙船を救うためには誰か一人犠牲にしなくてはいけない。誰が犠牲になるのか。みたいな物語で、大勢の命を救うために誰を犠牲にするかというトロッコ問題と類似する要素があります。
自分はこういうの嫌です。トロッコ問題は汚い問題だと思っています。必ず人が死ぬ設定をしつつ回答者に苦痛を与えるから。
作家であるなら、その困難をどうにかして乗り越える構成に、みんなが助かる一発逆転の発想で魅せてみろと思いますし、自分が書くなら必ずそういうのを書きます。そんな自分の考え方が主人公の彼と同じなのでしょう。
タイトルは詭弁です。ちょっと読めば犬猿君の回答が詭弁のような気もしますが、そもそも詭弁を使って回答者に苦悩を強いるトロッコ問題こそが詭弁でしょう。
そんなこんなでこの作品は真北だと思いました。
温度/三屋城衣智子/北西?
https://kakuyomu.jp/works/16817330654005008274
イベント用の着ぐるみがAI(ロボ?)に置き換えられるお話。
タイトルの温度とは精神的な温もりの事なのかな。
中の人とAIロボの対応が全然違う事を示し、それが問題提起になっているのかな。今後、人の仕事はAIに奪われていくがそれでいいのかと。人の温もりが失われていくがそれでいいのかと。
短いながらもしっかりと問題提起できているんで真北ではないかと思います。
夜風/桜庭ミオ/北北西
https://kakuyomu.jp/works/16817330654308410341
優等生を演じている兄と不登校の妹が夜桜を見に行ったというお話。繊細な兄としっかり者の妹……はて、不登校になるのは兄の方ではないのかと疑ってしまうのだが。そういう事もあるんかな。
兄の繊細な心情がかなりの分量で綴られているのが西方向なのか。兄妹は仲良しだったと再確認したところが北向きか。私としては北西としますが、自信はない。
今回はここまで。あと5作品もあるけど、今月中に仕上げます。
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