第38話 錬金お玉の完成!
今日は朝からハンバーグを作っちゃうぞ。昨日のお肉はそのままアイテムボックスに仕舞っておいたので、他の材料も入れてタネを作っちゃおう。
やっぱり蓋をガラスにして中がみたいね。それと、中に刃がないのがいいね。使いやすいし、子供が使っても安心だね。
タネが出来たらフライパンで焼いて完成。お昼ごはん用にはハンバーガーを作ってアイテムボックスに仕舞っておいた。
朝ご飯からちょっとボリューミーだけど、目玉焼きを焼いてロコモコ風にして食べちゃおう。
「今日は朝から豪華だねぇ」
「昨日フードプロセッサーの試作をしたので、試しに作ってみました」
『カノン。これ旨いぞ! 我はこれ好きだぞ!』
「ふふっ、お昼にはこのハンバーグをパンに挟んでハンバーガーにするよ~」
『楽しみだっ!』
「それもまた美味しそうだねぇ」
師匠とヴァイスが相変わらず食べる物になると、意気投合するんだよね。楽しそうで私も嬉しい。
お片付けを終えたら、ヴァイスと一緒に錬金部屋に移動する。蒸留水を沢山作ったら、今日の分のポーションを作ってしまおう。
20本蒸留水を入れたら、蓋をして回復ポーションを作る。癒し草を使わなくても出来るようになったから、凄く簡単に回復ポーションと魔力回復ポーションを作れるようになった。
『いつ見てもおかしいな』
「おかしいって言わないで~」
『本当の事だろう』
今日は錬金お玉を完成させてしまおう。魔石の大サイズが6個も付いているので、かなりの魔力と時間が掛かると思うので、椅子も魔力回復アイスティーにもストローをさして準備する。
『とうとう錬金お玉の錬金か?』
「うん。ヴァイス、魔力が足りなかったら貸してね」
『おう。任せておけ』
手は離せないからお行儀が悪いけれど、ストローで魔力回復をしながら錬金釜に魔力を流していく。さすがになかなか終わらない。
「やっぱり全種類大サイズだと終わらないね」
『そうだな。大丈夫か?』
「うん、錬金お玉欲しいから頑張るよー!」
『おう!』
ヴァイスの魔力も借りて、2時間半くらいでなんとか終わった。
チーン!
錬金釜の蓋を開けて鑑定してみると、錬金お玉と書いてある。無事に出来て良かった!
「わぁ、やったよっ! ちゃんと出来てるよ~」
『カノン、良かったな』
「うん、ヴァイスも本当にありがとうね。ヴァイスがいなかったら出来てなかったよ!」
『それを使って何が出来るのか楽しみだな』
「ふふっ、美味しい物沢山作ろうね!」
『うむ!』
無事に錬金お玉が完成したけれど、魔力はないし疲れたので休憩してから材料を買いに行って来よう。
今日はボウルをいくつかとガラスを多めに買っておきたいんだよね。フードプロセッサーを作らないとだからね。
後は錬金お玉があるから、早速スープでも作ってみようかな。お肉屋さんでベーコンを買ってから帰ろう。今日はベーコンとキャベツと玉ねぎを入れたシンプルなコンソメスープにしよう。
お店に戻ったら、みんなでお昼ごはんだ。今日のハンバーガーが楽しみすぎて、師匠がお昼の間お店を閉めちゃいました。邪魔をされるのが嫌なんだって。
『カノンっ、旨いぞっ!!』
「これは美味しいねぇ」
『お代わりだっ!』
2人ともすごく気に入って、お代わりしても食べるのが物凄く早かった。美味しく食べてくれて良かった。こんなに気に入ってくれたなら、またすぐに作ってあげよう。
「カノン、これも宿屋に教えてあげる事は可能かい?」
「もちろん大丈夫ですよ~。フードプロセッサーで作れますし、良いと思います」
お料理を教える分、少し値段をあげる事になったけれど、それくらい美味しかったみたいだ。宿だったら、簡単に大人数分のお料理が作れると助かるもんね。
「そういえば、師匠。錬金道具って普通の人は使えるんですか?」
「いや、それは無理さね。錬金道具が使えるのはあくまで錬金術の為だからね」
「そうなのですね~」
「魔道具だったら使えるから、フードプロセッサーは使えるはずだよ。錬金棒は使えないから、普通の人が使ってもただの棒っきれになるね」
「なるほどです」
錬金するための道具は普通の人には使えないのだね。だけど、発酵器とかフードドライヤーなんかは魔道具になるから使えるんだね。
前からちょっと疑問に思っていた事が解消されて、すっきりした。
お片付けをしたら、お店を開けてお店番に入ろう。師匠もヴァイスもハンバーガーが美味しかったので、ご機嫌だった。
「失礼します」
「クラウスさん、いらっしゃいませ」
「カノンさん、あの魔力回復クッキーはとても良かったです。またお願いします」
「それだったら、魔力回復生チョコ、魔力回復キャンディー、魔力回復ジュースもありますよ」
「ええっ!? いつの間にそんなに!?」
試食もして貰ったらすごく悩んでいる。
生チョコはすぐ口の中から消えるので、効き目が早く出るんだよね。キャンディーは逆にゆっくりじわじわ回復してくれる。
「全種類3個ずつください」
「はい、準備しますね」
「カノンさん、魔法の威力が上がる装備は作れませんか?」
「まだ作れないんですよね。少し考えてみますね」
「ええ、出来たらぜひお願いしますね」
やっぱり、魔法の威力をあげるアクセサリーは欲しいよね。材料は何を使ったらいいんだろう?
お夕飯の後、錬金部屋にある本を読み漁って何かヒントがないかを探してみる。大きい魔石を使っても魔法の威力をあげる物が出来なかったから、きっと何かが足りないんだと思うんだよね。
『カノン、どうした?』
「ん~、魔法の威力をあげるアクセサリーを作りたいんだけど、魔石の大でも出来なかったんだよね」
『なるほど。魔石だけだと、水が出たり火が出ただけだからな』
「そうなんだよ~。きっと他にも材料が必要なんだと思うんだよね」
『威力をあげるか……何が良いんだろうな』
本を見ていると、マンドラゴンのページを見つけた。師匠とヴァイスに聞いて、マンドラゴラよりも凄いとは聞いたけれど、どんな効果があるのか聞いてなかったな。
そう考えていたら、ヴァイスが隣から本を覗き込んできた。
『マンドラゴンか。カノン、これで作れるんではないか?』
「えっ?」
『マンドラゴンは確かそんな効果があったはずだが?』
「そうなんだ!」
私も本を良く見てみると、マンドラゴンの効果で錬金術の効果を増強する事が出来ると書いてある。水とか火が出る効果が増強されるかもしれないけれど、もしかしたら魔法の威力をあげる事が出来るかもしれない。
「出来るか分からないけれど、やってみよう! あっ、でもマンドラゴンはどこに植えたら良いかなぁ」
『そ、そうだな』
ちょっとヴァイスの腰が引けている気がする。ヴァイスでさえ気絶したらしいから難しいかなぁ。
本を読んでみると師匠が言ったように、お湯で土を洗い流すと大きな声を出さないで収穫出来ると書いてある。
「お湯で洗い流すと良いんだね」
『そうみたいだな』
「お湯で水耕栽培したらどうかな?」
『水耕栽培?』
「土を入れないでお水と液体肥料で育てるんだよ~」
『そんな事が出来るのか!?』
「これなら大きな声を出さずに使えるんじゃないかな?」
『カタリーナに聞いてからにしろよ?』
「うん、もちろん!」
プランターみたいなのに、内側に赤の魔石、青の魔石、白の魔石、外側に緑の魔石で保温すれば良いかな。それと液体肥料はどんな物が良いんだろうなぁ。
本を見てみたら、肥料に黄の魔石、癒し草、卵で作れると書いてあった。液体にしたいからこれに蒸留水を一緒に錬金したら液体肥料が作れるかな?
液体肥料だけ試しに作ってみよう。錬金釜に黄の魔石(小)、刻んだ癒し草、卵、蒸留水を入れて蓋を閉めて魔力を流す。
チーン!
蓋を開けて鑑定してみると、液体肥料(低級)と書いてある。鑑定結果を良く見てみると、ドラゴンの爪と牙を入れると中級、上級の液体肥料が作れるんだって。
材料はあるから、明日試してみようかな
『カノン、おやつか?』
「ふふっ、違うよ。液体肥料だけでも作ってみようかと思って、試しているんだよ」
『そうなのか』
ヴァイスのしっぽがしょぼんとなっている。ちょっと可哀そうだったので、お茶を入れてヴァイスにマドレーヌと一緒に出してあげる。私はさすがにお茶だけにしたよ、夜のおやつは危険です!
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