第16話 お休みの日はダンジョンへ行こう

 数日たって、今日はお店の定休日。ヴァイスとダンジョンへ行く予定だ。

 今日はコッコ肉で照り焼きを作って、照り焼きサンドにして持って行こう。それとスープも持って行こうかな。


 師匠用のご飯も置いて置くのは忘れない。師匠もお醤油味が意外と好きなんだよね。


「よし、ヴァイス。ダンジョンに行こう。今日もお願いします!」


『よし、行くぞ! 我に任せろ!』


 前回は15階まで行ったので、そこまでは移動出来るから今日は16階から攻略開始だ。今日はどんな魔物が出るのか楽しみだ。


 ダンジョンの前で手続きをして貰い中に入ると、すぐ近くに魔法陣がある。そこに乗ると行った事のある階層が、ボスのいた5階毎に選べるようになっている。

 私達は15階のボスを倒しているので、今回は15階を選ぶ。一瞬視界が揺れると、15階に着いていた。15階の魔法陣の側にある階段を下りて16階へ向かう。


 16階に下りていくと、見えてきたのは赤い牛?


「あれ、なんだろうね?」


『旨い肉か?』


 鑑定してみると、いちごみるぎゅーと出ている。


「いちごみるぎゅー? いちごなのか、ミルクなのか、牛なのかどれなのよー!」


『全部であろうな』


 ここのダンジョンがそんな魔物ばかりなのか、それともこの世界の魔物がこんなのばかりなのか、謎だね。


「でも、絶対いちごは出るよね! よし、ヴァイス。お菓子のためにやっちゃってください!」


『お菓子だと!? よし、任せろ!』


 ヴァイスがいちごみるぎゅーを倒すと、ドロップ品がたくさん出た。赤の魔石(小)、沢山のいちご、イチゴミルク、牛肉沢山だった。


「おぉ! イチゴミルクも出たよ。ヴァイス飲んでみる?」


『ああ、貰おう。ん、なんだこれは!? こんな甘くて美味しい牛乳知らなかったぞ』


「いちごミルクもだけど、他にも美味しいのあるから今度作るね」


『カノン、頼んだぞ!』


「うんっ!」


 その後も沢山いちごみるぎゅーが出て、17階でも出たので沢山のいちごが手に入った。イチゴジャムにイチゴのケーキ、他にも何か作りたいなぁ。いちごジャムを入れたパウンドケーキも良いかもしれない。


 しかし、このいちごみるぎゅーから出てきた牛肉が、霜降りですごく美味しそうなんだよね。うさぎゅーから出たのは赤身が強い牛肉だったのだよね。


「このいちごみるぎゅーから出たお肉も美味しそうなんだよね。焼き肉にしたいなぁ」


『旨いのは大賛成だぞ!』


 そう言ってしっぽをゆらゆらご機嫌なヴァイスが可愛くて仕方ない。美味しい物を沢山作るからね!


 18階へ行くと、いちごみるぎゅーみたいだけど、なんだか色が違う気がする。なんだか茶色い? 鑑定してみると、チョコみるぎゅーと書いてある。


「ヴァイス、これ沢山倒して! チョコみるぎゅーだよ。絶対にチョコ落とすよね!!」


『任せろ!』


 そういうと簡単に次々と倒していくヴァイスがとっても頼もしい。でも、ちょっとチョコみるぎゅーが可哀想なくらい瞬殺されている。


 チョコみるぎゅーのドロップ品は黒の魔石(小)、沢山のチョコ、チョコミルク、沢山の牛肉だった。


「やっぱりチョコが出たね! いっぱいで嬉しい。チョコチップクッキーも作れるし、他にもお菓子が沢山作れるようになるよ~!」


『そいつはいいな。よし、もっと倒すぞ!』


「ヴァイス、頑張ってー!」


 と、ついつい応援してしまったけれど、またすごい勢いで倒していっている。19階でもチョコみるぎゅーを沢山倒して、大量のチョコを手に入れた。


 20階へ下りると、ボス部屋の扉が見えた。またチョコみるぎゅーが大きくなって出てくるのかな。楽しみにボス部屋へ入ると、チョコみるぎゅーと色が違う。


「あれ? また色が違うね。大きなチョコみるぎゅーが出ると思ったのに、ちょっと残念」


 鑑定してみると、バナナみるぎゅーと鑑定で出てきた。


「わわっ、今度はバナナみるぎゅーだって! バナナミルクもおいしいんだよ」


『そいつは良い事を聞いた。よし倒すぞ!』


 そういうと、ヴァイスは目にも止まらぬ速さでバナナみるぎゅーを倒した。


「えっ、はやっ!?」


『ふふん』


 ドヤ顔をするヴァイス。でも、本当に凄すぎて反応が出来ない。一瞬で倒せるのは魔法なのかなんなのか?


 バナナみるぎゅーのドロップ品は、黄の魔石(中)、沢山のバナナ、バナナミルク、牛肉だった。牛肉はA5ランクの牛肉みたいで凄く美味しそうだ。


 ご機嫌で宝玉に手を置いて階段を下りて行く。21階の魔物は何かな。でも階段の上から見た感じ動いている感じがしにない。


「魔物がいる感じがしないね」


『いや、いるぞ』


「えっ、どこだろう?」


 下に下りて少し歩いていると、少し先に何かいる。地面から顔だけを出しているのは、猫? なんで埋まってるの!?

 鑑定してみると、メンクーンと書いてある。猫でメインクーンっていたから、それなのかな?


「えぇー、猫を倒すのはちょっと……困ったな」


『ダメなのか?』


「向こうにいたときは猫ってペットだったからねぇ」


 そうヴァイスと話しをしていると、メンクーンに見つかったみたいで地面から飛び出てきた。


「えぇぇぇ!? な、なんで身体がじゃがいもなのっ!?」


 メンクーンってメインクーンとメークインってこと!? でも身体がじゃがいも、頭は猫っておかしすぎでしょ!


『カノン、倒すぞ』


「う、うん、お願いします」


 メンクーンを倒してドロップしたのは、緑の魔石(中)、沢山のメークインのじゃがいもだった。


「やっぱりメークインのじゃがいもがでるんだね。でも緑の魔石(中)が出て嬉しい!」


『うむ、良かったな』


「えーっと、ヴァイス。じゃがいもも緑の魔石(中)も、沢山欲しいのでお願いします」


『任せておけ!』


 少し進むと、沢山メンクーンが植わっている。かなりホラーだよ、植わってて頭だけだしてるし。見つかると次々と土から出て来て襲いかかってくるのもさらに怖い。

 片っ端から倒してくれるヴァイスが恰好良い。


 22階もメンクーンだったから、緑の魔石(中)をが大量に手に入った。これで色々作れるようになったね。

 23階へ下りる前に階段近くの安全エリアに入ってお昼ごはんを食べよう。


『カノン、旨いぞ!』


「ふふっ、照り焼きサンドは美味しいよね~。今日は何階まで行けるかなぁ」


『そうだな。30階まで行ったら帰るか』


「うんっ。でもヴァイス疲れない? 大丈夫?」


『ああ、問題ないぞ。カノンが美味しい物を作ってくれるなら、いくらでも行けるぞ』


「あははっ、さすがヴァイス。美味しい物沢山作るからね~」


 美味しくご飯を食べたら、23階へ下りよう。

 23階へ下りると、今度はまた違う魔物に変わった。今度のもかなりおかしい。さつまいもの体に豚の頭としっぽが付いている。

 鑑定してみると、スイートぽてとんって書いてある。


「ヴァイス、今度のはさつまいもを落としそうだよ。ご飯のおかずにもおやつにもなるよ」


『何っ!? よし、倒すぞ!』


 スイートぽてとんを倒すと、黄の魔石(中)、サツマイモが出て来た。


「やったね。やっぱりサツマイモ出て来たね~」


『ふっ、楽しみだ』


 ヴァイスが張り切って倒してくれるので、25階への階段までに沢山のサツマイモが手に入った。焼き芋も食べたいし、スイートポテトも絶対に作りたい!

 ヴァイスは甘い物も好きだから、他にもいろいろな物を作れるようになりたいなぁ。

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