第35話 剣の舞2
「いや!」
ハルカは鋭く手首を返し、縦に斬ってきた。
俺はバックステップで避ける。
「とぁ!」
そこから流れるような突き。
俺はサイドステップで左に避ける。
お返しだ!
「はあ!」
慣性で動かしづらい手首を狙った右の『龍爪』!後ろに避けれた。
地面に着地させた右足を軸として、『アクセルキック』による左回し蹴り。肩と腕で上手くて受けられる。体術の心得を感じる。
カッ!
肩と共に戻した刀による突きを、身体を右に寄せながら、右手に持った小太刀で俺の左に流す。さすがに動いた状態からの鍔迫り合いは無理だ。
「おお!」
頭ががら空き!
「はぁ!」
なんと額で受けられた!小太刀とはいえ相当な勇気と痛みがいるだろうに。
ガス!
そして刀を横殴りにくらい、吹き飛ばされる。
「うぅ…!」
俺もハルカもすぐに起き上がる。身体が重い…
『ヒール』を掛けても疲労は回復しないのだ。
「うっ…」
ハルカは頭痛と出血のする額を左手で抑える。
そして懐から札を取り出した。札の力で出血が止まる。
「やっ!」
俺はゴブリンから買った投げ槍を投げる。避けられて距離を詰められる。
俺も距離を詰める。せめて俺の射程に入れるためだ。
ハルカが後ろに下がるが、《ダッシュ》でそれ以上に距離を詰める。
カ!
俺の突きは受けられた。
「はあ!」
しかしそれは陽動!右足のサイドキックを入れる。
「ぐぅ…は!」
ぐっ!カウンターに警戒していなかった右手で顔をぶん殴られた。
カカ!
俺は後ろに下がりながら棒手裏剣を投げる。
それは弾かれ、さらに突きを打ってきた。しかし腹が空いている!
俺は反射的にハルカの腹にサイドキックを放った。
ぐおっ!
突きは俺の胸にクリーンヒットした。しかしサイドキックも確かに入った!
「「はあ!」」
次の行動は全く同じだった。すなわち、どちらもすぐに動ける左拳のパンチを放った。
ほぼ同時に放たれたそれは…僅かなリーチ差で、俺のが先に決まった。
「うぅ…」
ハルカが崩れる。
「そこまで!」
俺も疲労困憊で立つのがやっとだ。
とにかく、戦いは終わった…
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