第10話 <アイスクリーム> チョコミント
「これは…いいな。よくできている」
「でしょ!タツなら使えそうな気がしたんだよね。『硬化』は掛けていないから耐久性が低くて普段遣いはできないけど」
なるほと。持ち運びやすいしサブの武器として使うには問題がないわけか。
「わかった。じゃあありがたく貰うよ」
「やったー!」
「でも、いいのか?装備を作るんじゃなくて既にあるものを渡しても」
「うん、勝手に持ってかれないためのルールだから」
そういうものか。
「小太刀ができるのは明日になりそうだから、今日は訓練場にでも行ってみたら?
そうだ!うちの初心者たちに稽古をつけてよ。うちは上位陣が週に1度以上、初心者に稽古をつけるっていう慣習なんだ」
「俺は入ったばかりだが…」
「ボクに勝ったんだから、上位陣でしょ」
そうかな?
室内訓練場に来た。外はいつの間にか雨が降っていた。
「はいみんな注目!今日はあのタツさんが稽古をつけてくれます!」
おおー!という声があがる。
「それじゃ、あとはよろしく」
「えー、今日は俺の得意技の蹴りを教えようと思います。
足は拳に比べて体重が載せやすくリーチが長い。それに剣士でも聖職者でも覚えておいて無駄にはならないだろう。
まずは柔軟。大丈夫!人間、無理すれば135゜くらいは行ける!
怪我したら『ヒール』を掛けてやる」
「まずは前蹴りだ。軸足を半歩前に出して素早く放て。威力よりも速さを重視しろ」
「次にサイドキック。軸足を半歩後ろに引いて足をしっかりと上げろ。相手の膝か腹、股関節の柔らかい者は胸を狙え」
「最後に回し蹴り。軸足を一歩前に出して身体を捻ろ。これは隙が大きいから相手の視覚の外から放て」
これだけ覚えれば非常時の武器としては十分だろう。
蹴りはシンプルなのも強みだ。
初心者といっても喧嘩なんてしたことないような人から喧嘩慣れしていそうな人はまでいる。
なので、できる者にできない者を教えさせる。これが俺流だ。
「んじゃそこの若いから順にかかってこい!」
こうして、一日が終了した。
今日は作戦会議だ。
俺は朝早くに宿を出て西の草原へ向かう。
適当なゴブリンをみつけ昨日サクマにもらった
シュッ!
頭を狙った矢は少しそれて、ゴブリンの左肩に刺さった。やはり腕が落ちているな。
怒ったゴブリンが走ってくるが、次の矢が胸に刺さって動かなくなった。
本当に便利だな、この弓は。
その後、俺はグレイウルフキングに負けたうっぷんを晴らすため、時間ギリギリまでゴブリンを殺しまくった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます