第5話 ダークヒーロー
悲しき宿命を背負ったヒーロー。それがダークーヒーローの条件だと思います。
日本で言うと仮面ライダーがその最たるものでしょう。
仮面ライダーこと本郷猛は世界征服を計画するショッカーによって改造されます。
しかし脳手術を受ける手前でにげだし、彼はその能力でショッカーに対抗するのです。
その悲しき宿命により仮面ライダーの仮面には涙がデザインされています。
歴代の仮面ライダーはすべてどこかに涙がデザインされているということです。
ダークヒーローというものは人間社会に受け入れられず、それでも人間を守るために戦う、そんな姿に胸が熱くなるものです。
そんなダークヒーローというジャンルで一番好きなのが、ヘルボーイです。
スパイダーマンやバッドマン、スーパーマンなど有名なアメコミヒーローに比べると少しマイナーなアメコミヒーローです。
彼は文字通り悪魔の子というにふさわしいビジュアルをしています。
真っ赤な皮膚、額には折れた二本の角、屈強な体躯、そいて尻尾も生えています。
ヘルボーイは第二次大戦末期にナチスドイツより魔界から召喚されます。なんとその協力者はロシアの怪僧ラスプーチンです。
召喚されたヘルボーイは世界を滅ぼす宿命を背負いますが、計画をききつけたアメリカ軍により保護され、トレバー教授のもと人の心を教えられます。
教授のもとでそだったヘルボーイことレッドは人のために戦います。
アメリカにもこんな中二病全開の設定を考える人がいるんですね。なぜかかってに親近感がわきます。
レッドの特徴は葉巻が好きで猫が好きでチョコが好きで目立ちたがりです。教授からはおおきな子ども扱いされます。
キャラクターの造形で好きなものが多いとそのキャラに個性がでてきますね。
レッドもヒーローながらその外見もさることながら個性的な性格をしています。
口がわるくよくよっぱらいます。
一見欠点のように見えますが、それが人間くさくてキャラクターとして愛されるポイントかと思われます。
あまり完璧な性格だとどこか感情移入できませんね。
愛すべき欠点といえましょう。
ヘルボーイ・ゴールデンアーミーの一場面で人のために戦い植物のクリーチャーを赤ちゃんを救いながら勝利するのですが、その悪魔のような外見から人間たちから銃口をむけられます。石を投げられたりします。
それを見た仲間たちは激怒しますが、レッドはだまって基地にかえります。
このあたりはダークヒーローの真骨頂といえるでしょう。
かわいそうなヘルボーイです。
とかく人間は外見で判断します。
外見が’美しいものが正義で醜いものが悪だと。
冷静に考えればそれはなんの根拠もないことなのですが。
物語の主人公というものはとかく美形が多いものです。そのほうが絵になりますからね。
ヘルボーイのような悪魔の外見をもつものをかっこよく描くのは至難のわざといえるでしょう。
ヘルボーイという作品はそれを見事にやってのけてます。だから好きなのかもしれません。ヒロインのエリザベスが好意をよせるのもうなずけます。
銀河鉄道999の大山トチローもそうですね。低身長で短足、近眼。しかし彼は友情にあつく、メカニックとしても天才的です。
そして彼は宇宙一危険な女クイーンエメラルダスに愛されます。
ヘルボーイにしても大山トチローにしても外見的にはお世辞にもハンサムといえないキャラが美女に心のそこから愛されるのはとても好きな設定なのです。
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