第4話 性癖の始まり

 なぜファンタジー世界の女戦士はビキニアーマーを装備するのか。

 諸説あると思いますが、ひとつの答えは「幻夢戦記レダ」にあると思います。

 1985年に発売されたOVAということです。

 もう36年も前の作品なんですね。

 OVAすなわちオリジナルビデオアニメ、もうすでに懐かしい言葉になりつつあります。

 今やネット配信全盛の時代ですからね。

 時代は進んだものです。

 攻殻機動隊の世界も目前といえるでしょう。

 今から首に電脳世界につなげるか悩まないといけません。


 それで幻夢戦記レダです。

 普通の高校生朝霧陽子がひょんなことから異世界に転移して、現実世界に戻るために冒険をくりひろげるというものです。

 OVAというだけあって今見てもかなり画が綺麗です。いのまたむつみさんのキャラデザインも最高です。

 異世界もののはしりといってもいいでしょう。これも諸説ありです。

 この時代の主人公たちはまだ現実世界にもどりたがります。

 陽子も告白できなかった彼に思いを告げるために現実世界にもどろうとします。

 この時代はまだ現実世界に希望をもつ人がおおかった時代ということでしょうか。

 現代の異世界ものは一切もどりたがりません。異世界でチート能力をてにいれてハーレムですごしたいという主人公も多いでしょう。それもまた夢の一つだと思います。

 時代の価値観の違いでしょう。


 幻夢戦記レダの陽子は伝説のレダの力を手にいれて二つの世界を手に入れようとするゼルと戦います。

 その一つが青いビキニアーマーなのです。

 レダでは伝説の力を引き出す鎧ということです。鎧にしては守る部分がかなり少ないと思われます。しかし、防御力が皆無に近くともレダの力があれば問題なしです。

 鎧というよりも魔法の道具に近いかもしれません。

 朝霧陽子はつねに自分のことを普通の女子高生といいますが、普通の女子高生が抵抗もなくビキニアーマーを着て、魔物や機械兵たちと平然と戦えるわけはありません。

 そのメンタルは決して普通ではありません。

 またいのまたむつみさんのキャラデザインされたビキニアーマーは画面に映えます。

 夕子の中の人をつとめるのは今は亡き鶴ひろみさんです。その声を聞いて、思わず涙ぐんでしまいます。鶴ひろみさんの女子高生、本当にいいものです。その好演を見れるだけでもこの作品を見る価値があります。

 登場人物もかなり少ないです。

 伝説の戦士レダこと朝霧陽子。

 異世界の案内人ともいえる人の言葉を話す犬リンガム。

 レダの巫女ヨニ。

 二つの世界を支配しようとするゼル。声をつとめるのは池田秀一さん。またシャアの声の人です。

 そしてゼムの部下チザム。

 登場人物は以上五名です。

 二つの世界をかけた戦いを物語るのにはすくなすぎますね。

 登場人物が少ないほうが、主人公を軸に物語をすすめていくのにいいのかもしれません。

 実際レダを見ていても気になりません。

 この作品は陽子のビキニアーマーと鶴ひろみさんの声を楽しむといっても過言ではないのです。

 細かいことは気にしてはいけません。

 ビキニアーマーと声という性癖を詰め込んだ最初の作品だと思います。

 ストーリーや設定に多少の無理があっても誰かの性癖に深くつきささればいいのです。

 そんな幻夢戦記レダは名作といえるでしょう。

 

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