第11話 最終話
アルフレッドは、エミリーをもう一度中庭に連れ出し
「エミリー、君とやり直したい。これからの一生をかけて幸せにすると誓う。愛しているんだ」
「……本当に私でいいのですか?」
「君だから、いや君でなければダメなんだ」
「わかりました。私でよければ喜んで」
片膝をついてアルフレッドは、エミリーの手にキスをした。エミリーの目からは大粒の涙が溢れ、今までの胸の閊えがとれた様に止めどもなく流れていた。
あれから五年経ち、スタンレー侯爵侯爵家には、子供達と遊ぶアルフレッドとそれを見守るエミリーの微笑ましい姿があった。
姉の婚約者を奪った悪女と呼ばれた女性は、今や夫を献身的に支える淑女として社交界の人気者になっている。
ある晴れた日、二人の子供と一緒に大伯母の墓参りに訪れた。墓には白百合の花が捧げられていた。
どうやら先客がいたようで、ここ何年か命日に花が捧げられている。
白百合は大伯母が好きだった花だから。
エミリーは墓前に添えられている花を眺めながら
(いつか姉とも和解出来る事を願うわ)
そう考えていた。
-完-
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます