第3稿 悪魔の囁きと神々の騒めき(問題編)(1)

 ~♪

 テンポの良いリズミカルなアラーム。某CMで有名なあのメロディーだ。規則正しい生活が好きな僕はコレを聞くと安心する。

 僕が好きなものは計画。何事も計画通りに動かなければ気が済まない。

 嫌いなものは想定外。僕の人生において計画の邪魔をするやつは大嫌いだ。

 だから……。

「僕は悪くないよね……?」

 自分に言い聞かせるように呟く。ベッドから起きて、キャビネットの引き出しを開けた。

 鉄輪、蝋燭、五寸釘、そして藁人形。

 それらを取り出して、ナップサックの中に放り込む。


 ―――僕は悪くない。僕の計画を狂わせたアイツが悪い。


 自分にそう言い聞かせ、僕は準備を始めた。





 急がなきゃ! 急いで準備しなきゃ、アイツが死んじゃう!

 僕しかいない……。誰にも頼ることは出来ないし、僕だったらアイツを救うことができる。

 だから、早く! 何とかしなきゃ!

 お願い! 誰か気づいて……!


 「呟きを広める」という文字が青く光り、液晶画面に映る。少年は躊躇うことなく文字に触れる。


「ツチノコ発見! 鞍馬山にて」


 その文章が世界中に拡散された瞬間だった。

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