第10話 ある日の番組
♪オープニング音楽
(水晶玉に光が走る)
(金髪ツインテールで大きな目の美少女の3Dモデルであるイカイ・ワカリが出現する。)
「皆さん、こんばんは。みんなを笑顔にするために異世界からやってきた、イカイ・ワカリです。ワカリんって呼んでくださいね~ 生放送の配信ですので、今夜もよろしくお願いしま~す」
(礼をする)
「では、今夜は、ワカリんが聞いた、冒険者あるあるです。本当にありそうだったとか、経験した、という人は、ある~ってコメントしてくださいね! あと、皆さんがやりたがっている例のアレはまだですからね。ワカリんがいいって言うまでは、コメントだけでお願いしますね!」 (ワカリん、ウィンクする)
(コメント)
わかったよ~ワカリん
了解~~
あるある~~
おい、まだ何も言ってないだろ!
全裸待機~~
おい、それ駄目だ。垢バンされるぞ。
等
「冒険者あるある そのいち~~~ モンスターよりも、パーティ―内の気になる異性を何とかしたい、ということを良く思う!」
(コメント)
あるある~
俺のことだ~~
うちのパーティ、男ばっかりなんですけど何か?
気になる同性なら~~ウホッ
「えっと、何かよくわからない人もいましたけど、それなりにあるみたいですね~でも、よそ見しないでちゃんとモンスター倒してくださいね~」
(コメント)
は~い
わかった~~
大丈夫~~
言うこと聞くからワカリんお胸揉ませて~
おい、やめとけ
「じゃあ、次ね。冒険者あるある そのに~ 登録したてのとき、よく先輩にからまれた~」
(コメント)
あるある~~
あるある~~~
触手で~~~
おい、人間にそんなものはない…と思うぞ
先輩お姉さまに手足をからまれて大人に~~
こいつ裏山~~
俺なんか毎晩お説教だったぞ~~
「これもあるみたいですね。じゃあ、次にいきましょう。冒険者あるある~そのよん。 ギルドの受付に、巨乳のお姉さんと、胸が残念なお姉さんがいたら、どうしても巨乳のおねえさんのほうに行ってしまう」
コメント
あるある~~
あるあ…(いてっ。何しやがる)
あるある~大きいのは正義だ!
ないない~貧乳はステータスだ~~
つるぺた万歳~~
脂肪の塊に騙されるなんて男はバカだ~~~
大きいと肩凝って大変なのよ~小さい人が羨ましいわ、なーんて思わないけどねっ。
あんた特定した。月夜の晩だけじゃないのよ~~
「えっと、反応がさまざまみたいですね。皆さん、受付がだれであっても、気持ちよく報告してくださいね。」
(ちょっと困った顔をする。その後、気分を切り替えた感じで。)
「冒険者あるある、そのご~~ 野営なのに毛布を忘れて、がたがた震えたことがある」
(コメント)
あるあるある~~
これ、悲惨だけどある~
おっさん二人でそうなったときには、変な扉を開きそうになったが…
ふっ。彼女と一緒にいれば、毛布などなくてもあったかいんだよ。・まあ、俺の彼女はシャイで、いつも俺の心の中から出てこないけどな。あれ、なぜか目から汗が…
「これが一番多いみたいですね~冒険者の皆さん、あしたも忘れ物しないように、頑張ってくださいね~」: (にkっこり笑う)
(音楽が流れる)
「は~い皆さん、後半の始まりです~~」
(効果音:どんどんぱふぱふ)
「さあ、次はお待ちかね~~マシュマロお便りのコーナーです~」
(コメント)
よっ、待ってました!
俺は一週間、このために生きている…
ドラゴブレスのような俺の右手が火を噴くぜ
その言い方だと、お前の右手がブレスなのか?
初心者なんですが、マシュマロって何ですか?
ワカリは笑顔で答える。水晶の中のツインテールが揺れる。
「初めての皆さんもいるだろうから、説明しますね。マシュマロっていうのは、ワカリんあての直接質問箱だよ~。王都の人は、ラリアット商会に箱をおいてあるから、そこにお手紙を入れてね~。それ以外の町の人は、悪いけど、手紙を王都のラリアット商会 ワカリんのマシュマロ質問箱あてに送ってね~~。お手紙を持ってくる冒険者さん、あなたのお手紙も一緒にくれると、ワカリん嬉しいな~」
ワカリは小首をかしげてウィンクする。
(コメント)
お手紙だしたよ~~読んでね~~ $$1000
「あ、早いね。えっと、次の説明ね。ナゲナゲ、っていうのがあるの。ナゲナゲポイント、というのを買ってくれた人は、それをワカリんに投げることができるの。
そのナゲナゲポイントは、使った人のランキングが集計されるの。放送の終わりに、その回でのランキングと、月間ランキングが出るの。
ワカリんに投げてくれたポイントは、ワカリんに来るの。それで、ワカリんは、新しい服とか、歌とかを用意できるようになるんだよ。
ランキング上位の人と、50蕃、100番、150番って感じの50番ごとに、プレゼントがありますからね。冒険者の人は、冒険者ギルドに預けておきますから安心してね。」
なんと、実装された投げ銭システムで、いきなりランキングを作ってしまうという鬼畜っぷりだ。
「というわけで、今日の最初のマシュマロは、冒険者のアンドレさんです。」
(スタンの元同僚のパーティーリーダー、スタンを追放した張本人からの手紙だった。)
「ワカリんこんにちは。Sランクパーティ、『アノクタラ山脈の虹』のリーダー、アンドレだ。 ああ、Sランクのリーダーさんなんですね。すごいですね~
」
(ワカリは目をぱちくりさせて微笑む。)
「ワカリんの誕生日はいつだ? 好きなものをプレゼントしてやるぜ!Sランクのリーダーだからな。そのうち、お前に直接会う日を楽しみにしているぜ。じゃあな。 …ですって。ありがとうございます~。」
(ワカリは少し暗い顔をする。)
「でも、直接お会いすることはできないんですよ。ごめんなさいね。お気持ちだけいただいときますね。ワカリんの誕生日は、2月14日です。年齢は、永遠の18歳ですっ。毎年、誕生日に18歳になるんです。異世界から来たから、そうなるんですよ。」
かなりの謎理論である。
「誕生日はまだだから、気にしないでくださいね。あと、あとで発表しますけど、アンドレさんは、ナゲナゲランキングも上位なんですね。本当にありがとうございます。皆さんのナゲナゲのおかげで、そのうちに違う衣装も着ることができるようになると思います。そうなったら、またご紹介しますからね。」
要するに、誕生日など関係なく貢げ、という趣旨である。鬼畜だ。
(コメント)
アンドレ振られた~~ 面白い! $$1000
アンドレ残念 $$888
おい、アンドレだ。振られたわけじゃない。もっとナゲナゲして、俺の実力を見せてやるぞ。 $$100000
本人後輪、いや、降臨~~太っ腹~ $$100
無理無理~~ $$1818
アンドレはビッチのアーシとやってろ~~ $$1919
アーシの味はどうだ~~ $$106
アンドレ、俺と兄弟だな~~ $$1818
「えっと、よくわからないんですが、アンドレさんにはご兄弟がいらっしゃるんですね。ご兄弟仲良くしてくださいね。あと、皆さんナゲナゲありがとうございます。じゃあ、次に行きますね。」
(ワカリはコメントの意味がわからない、という感じでまた一瞬首を傾げ、次の質問に行く…)
「はい、今日のマシュマロはこれまでです。ありがとうございました。
じゃあ、次はワカリんの歌ですね。
今日は、ワカリんのオリジナル曲です。これから毎週歌うので、皆さん覚えて歌ってくださいね。
一番だけです。3番まで歌ったものが、水晶になりました。王都の冒険者ギルドの売店で数量限定で予約販売することになりました~~。 皆さん、よろしければ予約してくださいね~」
また水晶が売れる。この水晶はすぐれもので、テレビにも映画にも携帯電話にもDVDにもなるわけだ。これがあるからこそ、Vチューバ―が成立するとも言える。
Vチューバ―に文字通り命を懸けた、王子の執念のたまものであると言えるだろう。
「聞いてください。『走り回る青い春』です。」
(軽快な曲が流れ出す。)
♪美しい 美しい二人 踏まれても 野に咲く白い花が好き~
これは、吟遊詩人が温めた新曲だったが、それをワカリんに提供したのだった。
(コメント)
最高~~$$888
素敵~~$$1000
美しい二人~~~ $$2000
ワカリん、素敵だ。アンドレより愛をこめて! $$88888
ワカリん、愛のビームをくらえ! $$500000
「ありがとうございました。これで、ナゲナゲも打ち止めです。 じゃあ、今日のランキングを見てみましょう。
今日の一位は、(ドラムロール) タケちゃんです~~~
そして二位はアンドレさん。
三位は…
はい、そして今月の月間ランキングは、
一位はタケちゃん、二位はアンドレさん、と同じメンバーがワンツーフィニッシュでした~。:
また次回もよろしくお願いしますね~~~
ありがとうございました~ ワカリんこと、イカイ・ワカリでした~~ばいばい~」
(コメント)
ありがと~
最高~~
アンドレだ。今度こそ抜いてやるからな~
一位は譲らんぜ~
水晶予約するよ~~~
かわいい~
8888888888888
番組が消えてからも30分間、コメント記入が可能になっているため、コメントは流れ続けた。
==========
ちなみに、一位は当然、第三王子です。
異世界で、思いっきり投げ銭やっています。
皆さん、投げ銭の代わりに★やハートをくださると、作者が喜びます。
そこのイケメンのお兄さん、ぜひお願いします。
そちらの美しいお嬢さん、★をくれたらもっと美人になれる、って噂ですよ(笑)
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