第12話 如月の誘惑.....え?美玖と一緒に風呂!?

「誘惑するならこうすれば良いんじゃないかって思って.....嫌にならない程度に接近できるかなって.....思いまして♪」


「お、お前!!!!!.....くそう!何でどいつもこいつもこんななんだ!」


「言ったよね。私。.....君にこうやって接近するって」


「そうは言った!確かに聞いたけど!でもお前.....さ、流石にこれは!」


接近してくる如月。

俺はガタンと椅子をぶっ倒しながら床に尻餅をつく。

何が起こっているかって?

そうだな.....簡単に言えば如月に接近されている。


それも胸元を外した艶めかしい視線で、だ。

大きな胸だなぁ.....なんて事を言っている場合では無い。

勘弁してくれよマジに!?

如月といい.....美玖といい!

本当に勘弁してくれぇ!!!!!


「大丈夫。少しだけ声を抑えれば.....」


「いや!そういう問題じゃねーだろ!美玖に本格的に殺されるぞ!?」


「実は少しぐらいならと美玖さんの許可を貰っている.....なんてね.....」


「マジか.....それなら安心か.....。ってんな訳ねぇ!うっそだろお前!?!?!」


美玖お前!?これを許したのかよ!

ふざけるなよ!?

誰か助けてぇ!!!!!

何故こうなってしまったのか。

それは.....10分前に遡るが.....困るって本当に。



10分前。

下の階で勉強していた筈の如月が俺の部屋に来た。

風呂でだろうけど洗って濡れた髪の毛を笑顔を浮かべながら拭きつつ、である。

胸元が開いていたので少しだけ赤面した。


そしてそんなドギマギしている俺を見ながら、お風呂空きましたよ、と言ったのだ。

それを聞いて俺は部屋から、そそくさと去ろうとしたのだが.....。

いきなり如月にそのまま無理矢理、押し倒された。

そして段々と迫って来たのだ。

10分間の攻防である。


「私って大きくなりましたよね。胸とか」


「知らねぇよ!何だってこんな真似を!?」


「だって私.....ゆーちゃんが好きなんですよ?だったらおかしくも何とも無いですよね.....?」


「じゃあ初めから胸元を空けていたのも.....」


「誘惑する為に決まっています。アハハ」


畜生!思春期男子の心を弄びやがって!

俺は真っ赤になりながら壁際まで追いつめられた。

そして唇に人差し指を添える如月。

それから艶めかしい潤んだ目で俺を見てくる。

キスしましょう、と。


「お、お前は何か間違っている!こんな事が許される筈が無い!」


「.....私は間違っているとは思ってません。.....だって私はゆーちゃんが好きなんですからね」


「誰か助けてぇ!!!!!」


俺はこんな真似をする訳にはいかない。

だってそうだろ。

如月だって.....大切だけど.....だ。


考えながら俺は逃れる様にしていると。

ドアがバァンと開く。

そこには予想外の人物が立っていた。


そして眉を顰めた美玖が踏み込んで来る。

何をしているの!、と、だ。

それから俺から如月を引き剥がした。


「ここまでやって良いとは言って無いし!!!!!」


「もー。美玖さん。良い所だったのに」


「と、とにかく離れて!」


この女!、的な感じで見る美玖。

俺はその姿に苦笑いを浮かべたが。

でも逆に、助かった、と思ってしまった。

美玖に対して感謝しながらの本格的に、だ。

有難い。


「もう!お兄ちゃんを借りるとは言ったけどこんなのは聞いてない!」


「気を付けないと取るよ?私は何時でもゆーちゃんを」


「ハァ!?そんな事させないし!」


「どうかなぁ?フッフッフ」


お兄ちゃん、とギロッと見てくる美玖。

それから、今日は一緒に風呂に入るよ、と宣言し.....た?

今何つった!!!!?


何処をどうすればそんな事になる!?

赤くなる如月。

流石に恥ずかしいのだろう、と思う。

だが軽く俺を見てくる美玖。


「お兄ちゃんの童貞は私のもの。絶対譲らない」


「美玖!?お前!とんでもないんだが!?」


「良いから行くよお兄ちゃん。それとも何?私と風呂に入るの嫌なの」


「いや!駄目だろ!アホかぁ!!!!!」


「やるからにはやるし」


そして俺の服を掴んで引っ張って行く。

嘘だろお前!、と思った俺の抵抗虚しく。

そのまま引っ張られて行った。

勘弁してくれぇ!!!!!



「お前.....風呂に入りたがらないじゃないか。大丈夫なのか」


「.....少しだけ抵抗あるけど。でもお兄ちゃんのチン〇は私のものだから。誰のマ〇コにもどんな性〇にも突っ込ませない」


「ばっ!!!!!お前!美子さんが居るって!!!!!大声で言うな!」


そして一気に裸になった美玖。

確かにそうだな、陰毛が.....うっすり生えている.....とか言っている場合か!!!!!

胸も大きく.....いかん!


これいかん!

何で俺はこんな事に!?

俺は真っ赤に赤面しながらオドオドしていると。


真顔で、何?お兄ちゃん。勃〇でもしているの?速く脱いで。寒い、と言う。

そして俺の服をマジに脱がした。

それから美玖の顔に飛び出したそれが当たる。

勢いよく出た為に、だ。


「.....デカいね。こんなにコレって大きくなるんだ」


「お前!!!!!イヤー!!!!!」


「まあ良いや。お母さんとかに怪しまれるから早く入ろう」


そして俺はまたも美玖に腕を引っ張られる。

股間を隠しながら、だ。

それから.....風呂に入って行く。


そして美玖は、じゃあどっちが身体を先に洗う?、と聞いてくる。

俺は、平常心平常心、と思いつつ答えた。

諦めた、もう。


「いや。なんつうかもうどっちでも良いんじゃないか。.....お前に任せる」


「じゃあ私が先に身体を洗うから。.....お兄ちゃんはそのデカいブツをまともに直さないとキツいでしょ」


「わ、分かった。取り敢えずもう何も言うな。本格的に察されたらマズい」


「そうだね。確かにね。じゃあ失礼して」


そしてせっせと身体を洗う為に動き出した美玖。

本格的に何で俺はこんな目に遭っているのか.....。

俺は.....真っ赤になりながら風呂桶で念仏を唱えていた。

助けて下さい神様、的な感じで、だ。

そして祈る。

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