第六話 王都到着そして契約成立

王都へ移動中 ユートside


「あれ?旗は旭日旗なんだ」

そう小声で言ったのは愛花だ。

「そうだよ。俺らは十六条旭日旗(海自艦旗)のやつを採用してるんだ。」

まあ最初は日本陸軍の旭日旗にしようか迷ったけど。

「ほへぇ」

愛花が呆けた顔をしている。

「そういえば、愛菜はなんでこの世界に来たの?」

今金髪の子やルカ姉たちは寝ているのでこの事は聞こえていない。

「んー?確か先輩が死んでからすごく病んで、私も死んだら先輩と会えると思って死んだって感じですかね」

「……この世界ではそんなことするなよ?」

マジで

「なら死なないでくださいね?」

と愛花は寒気がする笑顔で言った。

「りょ、了解」

逆らったら地獄まで追ってきそう。

「そうですよ」

愛菜がそう返答した。愛花、心の声を聞くんじゃありません。


王都門


あれから数時間後、俺らは王都の門についた

「さてと……こっからどうしますか」

ここからが不安だ。偵察部隊が思ってた以上に重武装だったため、隣国が冷めてきたとか反乱してきたとか誤解されかねない。

「ここは任せてください」

そう言ったのは、外にいたレミだった。

-偵察班から各部隊へ、何人かがこちらに向かってきている-

その通信が来て、馬車からおり前を見た。数人の兵士がこちらにきている。

-総司令から各部隊へ、攻撃は絶対にするな-

俺は全部隊にそう通信し、レミに話しかける。

「本当に大丈夫ですよね?」

「もしかして第三騎士団の件について心配してる?なら大丈夫よ。国王陛下にはもう連絡してるし」

まあそのことには一切心配してないのだが

「……ならいいです」

と俺は言った。

その時

「貴様ら!一体何者だ!」

と兵士が大声で言った。まあそうなるよな

「落ち着いてください!私はオリビア領救難隊で向かった、第一騎士団員レミ・ホーストです!国王陛下直々にオリビア、ファタジア一家とエルス・オリビアの息子の軍と共に来るよう言われました!」

「なに……?」

その兵士は少し黙り

「王城まで案内するよう国王陛下から伝令されている。その鉄の馬車に乗ってついてきてくれ」

「わかったわ」

レミは俺に視線をやり

「全体!前へ!」

俺は大声で命令は出し、馬車に乗った。


王都内


「すごいみられてる」

そう言ったのはレーナだ。

「そりゃあ前後に見慣れないものがあったら見ちゃうもんな」

今お父様たちや俺らの馬車の前後に遠征部隊車両が直列で並んでいる。

「やっぱり目立っちゃうか」

と愛花が言った。

「こっちとしては赤い国のマーチを流してもいいんだけどな」

面白そうだし

「やめなさい」

と愛花から言われた。

「……あなた達、いつの間に仲良くなったの」

ルカ姉がそう言ってきた。

「まあ、レーナちゃんと3人で色々ありまして」

と頬を赤く染めながら言う愛花。その途端馬車内の気温が一気に低くなった。

「……へえ」

とファタジアが真顔で言った。

「……は?」

今度はルカ姉が笑顔でそう言った。怖いです

「(助けてレーナ!)」

とレーナの方を見たら。

「えへへ♪」

自分の世界に入っていた……頬を赤くしながら

「「……」」

ファタジアとルカ姉が真顔で見てくる。怖いです

その時

-最前車両から各部隊へ、目的地に到着。停車する-

と通信が入った。

-総司令から各部隊へ、直列から並列で並び停車せよ-

「そ、そう言うわけだから。また後でな。金髪の子、マナ行くよ」

と俺はいい馬車からおりた。

「「ちっ」」

うわ怖!


王城内


俺は各部隊にその場で待機するよう命令し、俺・愛菜・メレゼ(金髪の子の名前)・お父様・レミ・エレミ・護衛隊員で向かった。

「でか……」

そう俺が言った。実際この王城内は16式機動戦闘車なら余裕で入るぐらい大きかった。

「王城だからねぇ」

マナはそう言った。

「マナ、お前行ったことあるの?」

「せ……ユートさん、私ここで住んでいるからね」

「やっぱりか」

「わかってたのですか?」

そう聞いたのはメレゼだった。

「まああんな豪華な馬車に乗っていたらね……と、ここか」

案内された場所に着くと、2人の衛兵が立っていた。

「ここから先は謁見の間です。武器などを所持しているのであれば渡してもらいたい」

と1人の衛兵が言った。俺は目で隊員たちに渡せと命じ、俺の武器も衛兵に渡した。

「では、中へお入りください」

そして俺らは謁見の間に入る。中には様々な人がいた、貴族の服を着た人や兵士、王座の前には国王陛下と王妃殿下がいた。

余談だが謁見の時、俺や護衛隊員の服は陸自の常装冬服を着ており、レーナたちはドレスやこの世界の制服を着ている。

閑話休題

俺らは片膝を床につけた。

「面をあげよ」

そう国王陛下に言われ顔をあげる。

「まず、我が娘を助けてくれて感謝する」

国王陛下がそう言い、頭を下げる。その途端周りが騒がしくなる、そりゃあ国の王が頭を下げてるのだ、驚くだろう。

「国王陛下!顔をお上げください!」

貴族の1人がそう言う。

「いいや、これは王としてではなく、1人の親として感謝してるのだ」

「私からも、本当にありがとう」

王妃殿下からも礼を言われた。

「国王陛下、王妃殿下、私達はなすべきことをしたまでです。ですから顔をあげてください」

「……ありがとう」

国王陛下はそう言った。

「では、話を戻そう。まず第三騎士団が壊滅した理由を答えよ」

その話をレミとエレミが事細かに話した。

「……なるほど、わかった。第三騎士団には憲兵団を派遣し、家宅捜索を行う」

国王陛下は一泊置き

「ではユート君、君は何を望む」

そう言われ

「はい、私の要求は

1、東の海にある島を我々に譲渡。

2、空海軍基地や軍港を海辺に建設。承諾してくれれば海辺や海辺周辺の町のインフラの整備を整備する。

3、王国騎士団やその他の汚職を摘発

4、ここから数百キロ先の巨大な島を我々に譲渡

5、駐屯基地の建設

6、電力施設の建設

7、警察施設の建設

8、西にある平原の譲渡です。

9、ゴスア侯爵の牢屋入り

以下のことを承諾してくれれば、貴国に物品の輸出やインフラ、貴国が希望する軍事施設以外の施設などをできる限り建設を行います」

俺がそう言った瞬間

「ふざけるな!」

「下級貴族風情が!」

「無能がでしゃばるな!」etc…

「(やっぱこうなるか…)」

俺が息をこぼし、通信機に手を伸ばそうとしたとき

「静まれ!!」

国王陛下がそう叫んだ。いきなりのことで俺らも驚いた。

「貴様らは娘を守ってくれた恩人である方になんという態度だ!部外者は黙っとれい!」

と続けて国王陛下は言った。

「(うっひゃー、めちゃ言うな)」

俺は左にいる愛花に目を向けると

「(驚いてるな……ん?なんか笑ってる?)」

なんだろうと思っていた時

「……すまない、ユート君、いきなり怒鳴ってしまって。君の要望は全て叶えよう」

「ありがたき幸せ」

これで終わると思ってた時

「お父様!お母様!私、ユート様と複結婚します!」

そう愛花が言った。……え?

「(え?今言う?てか複結婚?)」

複結婚とは、1人の男が2人以上の女性と結婚するというものだ

周りを見ると国王陛下と王妃殿下含めてみんな目を丸くしている。

「(だろうな、俺もビックリしてるもん)」

少し経ったあと

「マ、マナ。いきなりそう言われても」

国王陛下は戸惑っている

「あらあら、いいじゃないの。他の虫はダメだけどユート様だったら私はいいわよ」

王妃殿下は賛成のようだ……王妃殿下あなた今言っちゃいけないことを言ってませんでしたか?

愛花の方を見ると、してやったりみたいな顔をしている。

「アホじゃないの?」

つい口から出てしまった。

「な!アホとはなんですかアホとは!」

「いやアホでしょ、なんでここで言うかね?」

「今だったら驚かせると思ったからです!」

「やっぱアホだよ」

「なんですとー!?」

と俺らが口論?して

「あなた、よろしいですね?」

と王妃殿下が有無を言わさない表情で国王陛下に言った。

「あ、ああ」

と承諾しようとしたその時


「お待ちください!マナ様!」


と貴族の中から聞こえた。

「ん?」

「へ?」

俺と愛花はそちらを見ると、俺より身長が高めでイケメンのやつが出てきた。

「「きゃあああああ!!!!」」

突然貴族側の女性が黄色い声援を出した。

「「うるさ」」

俺らはそんなことを言った。実際うるせえし、お前らここ謁見の間だぞ?

「マナ様!なぜこんな奴と結婚しようとしているのですか!」

「は?あなたには関係ないでしょう?部外者は黙ってて」

愛花が真顔でそう言う。怖

「わ……私は……あなたと一生を過ごしたいのです!私の方がそのゴミよりが何倍もいいですし!」

そこからぺちゃくちゃ自分語りをするイケメン(笑)君、それを援護する貴族達

「(なげえし……王妃殿下なんかもうキレかかってるし、国王陛下はお父様と話してるし……カオスだ)」

なお肝心の愛花は俺に抱きついてる。そして自分語りを終えた時

「あ?終わった?」

と愛花が言った。

「な!?貴様!俺のマナ様から手をはな「黙れよカスが」せ……!?」

ちょいと自分キレちゃったねえ〜

「何が俺のマナだよ、あ?貴様の脳天に風穴開けるぞ」

俺は威圧を出し、そう言った。

「貴様のなんかじゃねえ、マナは……愛花は俺の大切な人だ!貴様が指図したり自分のものにする権利はねえんだよ!」

そこまで言って愛花を強く抱きしめた。

「先輩……」

愛花は今までにないくらい赤くなっている。

「これ、後でレーナに怒られる奴だ」

俺は小声でいい、苦笑した。

「大丈夫ですよ、複結婚するし、レーナも大切な人の中になるので」

愛花はそう言った。

「き、貴様ああああ!!!衛兵!マナ様を救い出せ!」

イケメン(笑)はそう言うとの衛兵が動き出した。

俺はすぐにP220と隊員分の89式小銃と銃剣を取り出した。

「射撃開始!!!」

俺がそう言うとすぐに隊員は射撃を開始した。

俺は愛花達を後ろに下がらせ、安全を確認したのち射撃を開始した。

バババババババ

ダァンダァンダァン

「があ!!」

「ひっ!」

「いやああ!!」

「痛えよぉ」

貴族達は混乱し、衛兵たちは次々と倒れていく

「射撃中止!総員着剣!」

隊員たちは銃剣をつけ、襲ってくる衛兵達に刺していく。

ある程度片付けたところで

「衛兵に次ぐ、無駄な抵抗をやめ武器を降ろせ!そうすれば命は助ける!」

その言葉を聞いた衛兵達が武器を捨て、降伏の姿勢になる。隊員たちは素早く衛兵を拘束した。

「「「………」」」

貴族達や国王陛下、王妃殿下、メレゼなどは放心状態だった。

「はあ、ここで撃つとは……」

お父様が呆れている

「ひやあ、やっぱすごいなあ」

と愛花は俺に抱きつきながら言う

「……」

俺は一回愛花をはなし、奴に近づいた。

「ひいいい!!!来るなああああ!!!」

奴は近くにあった剣を振り回していた。

俺は無言で軍刀をタッチパネルから出した。

鞘から軍刀を抜き、振り回している剣に当てた。

パキン!

相手の剣が壊れた。どうやら銃弾が当たっていてギリギリの耐久力だったみたいだ。

「く、来るなあああ!!」

俺は無言で…………刀を突き刺した

「ギヤああああああああ!!!」

奴は気絶した。刀は奴の真横スレスレに刺さっていた。

「……こんなことで弱音を吐く奴は愛花達を守れないぞ」

俺はそう言い、刀を鞘に入れた。国王陛下のとこに行き

「申し訳ございません、国王陛下。謁見の間を汚し、ましてや大切な衛兵を殺害してしまい」

俺がそう言うと。

「いいのだよ、ユート君。君はやるべきことをやった。あとは騎士団に任せて我々は別の部屋に行こう」

そう国王陛下が言った。

「「「はい」」」


応接室


途中でレーナが来た、レーナにはことの発端を話してある。

「まず、すまなかったな。止められなくて」

そう国王陛下は言ったので

「いいえ、陛下の責任ではありません。元はといえばあいつらが勝手に逆ギレしたまでですから」

と俺が言う。

「そうか……では、話を戻すがユート君が言った条件を全て飲む。そして第二王女、マナ・ファーストと、レーナ・オリビアとの複結婚を許可する、ただしまだその結婚可能年齢になってないため、それまでは婚約という形になるがいいか?」

「「「はい」」」

「それではユート君、この契約書にサインを、マナとレーナ君、ユート君は契約書にサインしたらこの婚約書にサインを」

そして契約書と婚約書にサインしていった。

「これで終わりだ。お疲れ様」

と陛下が言った。

「ありがとうございます。陛下」

と俺が言うと

「これからはお義父さんと呼べ」

と笑顔で言われた

「私も義母さんって呼んでね、レーナちゃんもだよ」

と王妃殿下に言われた。

「「わ、わかりました。お義父さんお義母さん」」

とレーナと一緒に言った。

そこからは隊員も含めみんなで楽しく話し合った。


1時間後後


「そろそろかな」

俺がそう言うと

「何がだ?」

と国王陛下から言われる。

そりゃあ

「お義父さんに頼まれた軍事演習ですよ……と」

「総司令官、遠征部隊から連絡で準備が完了したとのことです」

と通信員から言われる

「というわけで、みんな行きましょうか」

「「「「わかった」」」」


続く

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