第五話 出発そして襲撃と再開

翌日 東門


俺ら現代軍(仮名称)一行は東門で待っていた。

「……遅い」

そうこぼしたのは今回遠征部隊に配属された1人の佐々木 春也ささき はるや少尉だ。

「俺らが早いんだよ」

と俺がいった

「まあそうなんすけど」

「まあでも自分からしちゃ10式戦車の力を最大限活かせるので万々歳ですがね」

そう言ったのは佐藤 たかしだ。

実は清掃作戦が終了した後にB52爆撃機で人工衛星をつけたロケットを高度限界空域で発射して宇宙空間に飛ばしたのだ。

「まあ人工衛星は2機しか飛ばなかったけどな」

と俺は言う

「そうですね……あ、来ましたよ」

俺は指を刺された方向を見ると、俺の家族やファタジアやファタジアの家族、そして第一騎士団がいた。

「こ……これは……」

そう騎士団員が言った。まあしかないだろう、なんせ今回の遠征部隊は非常に多くいるのだから。

遠征部隊

・10式戦車 7両

・16式戦車 5両

・203ミリ自走りゅう弾砲 3両

・31及び11/2トントラック 12両

・87式偵察警戒車 2両

・19式装輪自走155mmりゅう弾砲 4両

・多連装ロケットシステム 自走発射機 M270 MLRS 3両

・87式自走高射機関砲 5両

・03式中距離地対空誘導弾 3両

・11式短距離地対空誘導弾 3両

・高機動車 15両

・軽装甲機動車 20両

なお全てにC4Iシステムが搭載されている…………おかしくない?

「いや多くね?なんか昨日見た編成と違うんだけど。なに?戦争でもおっ始めるの?」

俺がそう疑問を出すと

「副司令が『武力外交をしよう』とのことで」

「(黒崎何やっとんじゃーー!!!!)」

部下から壮大な報告を受けて心の中で叫ぶ俺に追い討ちのように

「あと、普通科連隊や機甲科、特化のほかに特戦群・水陸機動団もいます。なんなら要請してくれれば空軍航空隊や爆撃隊も出撃でき「もういい!もういいから!!」ると」

「(まじで戦争を起こすつもりか黒崎は)」

と頭を押さえながらうずくまっていると、後ろから甘い香りと共に抱きつかれた。

「兄さん♪」

妹のレーナだった

「……どうした?というか少し離れてくれませんか?」

背中にものすごい感触ががが

「いーや♪」

「なんか……昨日より積極的じゃない?ユート何かした?」

そう言ったのはルカである。いつのまにか部下がいなくなってるし

「さ、さあね」

「ふーん」

なんかルカ姉からの目線が鋭い……

「……姉さん……私の兄さんに敵対するの?……なら……『消えて』」

「……は?」

レーナの目から光がなくなり、殺気がここ一帯に出ている。部下たちはいつでも拘束できるようにスタンバイしてるようだ。

「……私の?……ユートはあなたのじゃないわ」

今度はファタジアがそう答えた。殺気を飛ばしながら。

「……」

俺は無言のまま銃を取り出し

ダァン!

空中に撃った

「お前ら、これ以上喧嘩するならここに残れ。そして俺の前に現れるな」

キツイことを言うが、こうしないと収束しない。

「……ごめんなさい」

そうレーナが言う

「こちらこそごめんなさい」

ファタジアが言う

「ごめん、レーナ、ユート」

そうルカが言う

「俺はいいよ、こっちとしちゃ3人とも仲良くしていただきたいがね」

俺は苦い顔をしながらそう言った。

「喧嘩は終わった?」

レミがそう言う。

「ええ、それじゃ行きましょうか」

俺は深く息を吸い


「総員乗車!!」


俺はそう大声で行った。瞬時に隊員たちは自分の指定された車両に乗り込んだ。俺はレーナ・ルカ・ファタジアと同じ馬車に乗った。そして事前にレミとメイドのリーナに通信機器を渡してあり、使い方も教えている。

-こちらユート、レミさん、リーナ聞こえる?-

-聞こえるわ-とレミ

-聞こえます、坊ちゃま-とリーナ

-了解、そのまま通信機の電源はオンにしといて。あと通信する時は最初にこちらの後に自分の名前を言ってくれると助かる-

-こちらリーナ、わかりました-

-こちらレミ、了解。-

俺は遠征部隊専用のチャンネルに変えて

-全部隊、出発!-

と言った


数時間


王都は少し遠く、それまでレーナたちと喋ってた頃

「そろそろ馬を休憩させましょう」

と馬車の運転手が言った

「わかりました」

俺は通信機を取り出し

-全部隊、これより休憩に入る。全体停止、警戒体制は維持-

と言った。

「レーナ、ファタジア、お姉ちゃん一回外に出よっか」

「ええ」「はーい」「わかった」

そして外に出ると外には既にお父様たちがいた。

「しっかしこれは本当にすごいな」

そう言ったのはお父様だ。お父様の目の前には10式戦車がある

「そうですね、エルス中隊長でもこれは捌けないんじゃないですか?」

隣にいたレミが笑いながら言った

一瞬何故こんなに仲がいいのかと思ったが、同じ騎士団だからそりゃ仲がいいかと結論付けた

「そりゃ、これ全て鉄だからね」

俺はレミに微笑みながらそう答えた。

「やっぱりこれ鉄なんだ、何かの魔力駆動なの?」

レミの隣にいたエレミがそう聞いてきた。これにはレーナたちも疑問に思っているのか俺に顔を向けている。この世界にはほんの少しながら魔力駆動で動くものがあると言うのだ、まあできて数センチタイヤを動かすレベルだと。

「いいや、これはディーゼルエンジンって言うエンジンを積んでるんだ。魔力とは全く関係のない、科学で作られたんだ」

そう言い俺は10式に触る。

「そのディーゼルエンジン?っていうので動いてるんだ、それって私たちでも作れるの?」

そう聞いてきたのはファタジアだった。

「いいや、少なくとも現レベルじゃ無理だよ」

俺は後ろを向き

「少なくとも800年レベル先のものだし」

俺がそういうと、みんなが驚いた。そりゃ800年先とは思いもしなかったからな、せいぜい100年近くと思っていただろうし。まあこの世界が何年かわからないから地球での中世1184年から現代2021年までの間を言ったまでだが。

俺がそう思っていると

-偵察班から総司令官へ、北西280m先で馬車が襲われています、どうしますか?-

俺はそれを聞き、10式の上に登り双眼鏡でそちらを見た。確かに襲われている

俺は急いで89式小銃と偵察バイクをタッチパネルから取り出した

-こちら総司令官、馬車に当たらないように敵を蹴散らせ-

俺はそういうと10式から降り、バイクに跨り

「偵察バイク班!俺と来い!それ以外はここで警戒待機!」

と大声で言った。

-こちら偵察班、了解した。射程に入らないように頼む-

そう通信が入ると87式偵察警戒車から射撃がおこなわれた。それと同時に俺と偵察バイク班は馬車まで猛スピードで向かった。

-射程圏内に入ったため射撃を中止する-

俺とバイク班は馬車の近くまで行くとバイクをスライドしながら横倒しにし、小銃を馬車周辺に向けた。

少しの静寂の後、俺は立ち上がり隊員にハンドサインで指示しながら馬車へ向かった。

あたりは血まみれの状態で、よく見ると人だった。その時左からいきなり襲われかけた

ダン!ダン!ダン!

隊員の1人が3発撃ち相手を倒した。

「大丈夫ですか総司令官」

もう1人が俺に手を差し伸べた

「ありがとう、撃ってくれた隊員もありがとうな」

と俺は言い、手を引っ張ってもらった。

「これ盗賊か?」

俺は撃たれた人を見ると、いかにも盗賊のような服を着た人がいた。既に息を引き取っているようだ。

「多分ですが」

隊員の1人がそう言った。

「……んじゃ、馬車の中を見ますか」

と俺が言うとすぐに隊員は突入する時の姿勢になっていた。

俺がハンドガンを扉に向けながら慎重に開けると。

「……」

「……っ」

怯えてる金色髪と亜麻色の子供たち、そして明らかに重症の執事がいた。

俺はすぐに通信機を取り出し、レーナを来る様に連絡した。

通信を終えると偵察隊員に

「ここの馬車の周辺を警戒しろ」

と命令した。

子供たちは怯えていたので

「君たち、もう大丈夫だよ。助けに来た」

と言った。

「……ほんと?」

金髪の子がそう言ったので

「本当だよ」

と俺は返答した。

亜麻色の子は信じられない様な様子で俺を見る。

「……?」

どうしたんだろうか

「(しかし、この子どこかで……)」

どこかで見たことあるんだよな……確か……

俺がそう考えていると

「兄さん!」と言われた。

後ろを見るレーナや偵察部隊が来ていた

「(いや偵察部隊まで来いとは言ってないんだが)」

と俺は思ったがすぐにその思考をどっかにやってレーナに指示を出した。

「レーナ、この中に重傷者がいるんだ。レーナの魔法で治してくれ」

「わかった」

俺はそう言うと

「2人とも、一回外に出よっか」

と言い2人と馬車の外に出た。それと入れ替わりにレーナが中に入ってった。

「う……うそ」

亜麻色の子がまた信じられない様に目を見開いた。

「(やっぱり、俺この子見たことある……いつだ?)」

俺がそう思ってる時

「兄さん、終わったよ」

とレーナが言った。

あっちを見ると救護隊員が執事を運んでいた。

「ありがとうな」

俺はそう言いレーナの頭を撫でる

「♪」

レーナは嬉しそうにしてた、そうしていると

「……ん!」

亜麻色髪の子が引っ張ってきた。

「「え?」」

レーナと一緒に驚いた

「マナちゃん!?」

金髪の子がそう大声で言った。

「(マナ……まさか……いや、ありえないよな)」

俺の後輩だなんて。そう結論し

「どうしたの?」

と亜麻色髪の子に聞いた。

「……せ」

何か言おうとした時

「総司令官、少しよろしいでしょうか」

と偵察部隊長が言ってきた。

「ごめんね、また後で「ちっ」聞くよって君今舌打ちした?」

最近の子はなんて怖いんだ。俺はそう思いながらレーナにこの子たちの面倒を任せて偵察部隊長のところに向かった。あ、レーナは快く引き受けて切れましたよ。


数時間後


あの後、部隊長から少し離れたところで野宿するということを聞き、俺たちは安全地帯まで移動した。馬車や人の死体は子供達に見えないように燃やした。

みんなが寝静まったあと、起きてる隊員に近くの川に行くと言い、向かった。

「綺麗だなぁ」

俺がそう思っていると、ガサガサという音がした。俺は素早く反転しホルスターから銃を抜き構えた。

出てきたのは亜麻色髪の子だった。俺は銃をホルスターにしまい

「どうしたんだ?」

と聞いた。

「……」

少女は少しの沈黙のあと

「……お久しぶりですね、優斗先輩」

と言った。

まさか

「愛花……?」

俺の唯一の後輩にしてあの世界で『数少ない味方』

「そうです。忘れてたと思ってましたが……本当に久しぶりですね」

そう言って近づき

「っ」

キスをされた。

「あなたの後輩、加藤 愛花かとう まなです」

そう笑顔で答えた。


「愛花……」

俺がそう言った瞬間

「……ナニシテルノ?」

と声が森から聞こえた。そちらを見ると

「……」

レーナがいた。目から光はなく、レーナの周辺には黒いもやが見える。

「レ」

俺がレーナと呼ぼうとする時、愛花は俺の口を指で押さえた。

「私に任せて」

そう愛花が言った。


愛花side


いやー、まさかここまで殺気が出てるとは

「(こりゃ、止めるのに一苦労かも)」

そう思ったが

「(ま、いいか。先輩と一緒にいれるなら)」

私はそう思い

「レーナさん、聞こえる?」

と言った。

「……」

レーナさんは無言だった。

「仕方ないか……浄化 極リーフ

私はそう言ってレーナさんの殺気などを消した。

「マジかよ……すげ」

先輩が褒めてくれた。もっと褒めていいんですよ?

「レーナさん、私の言葉わかる?」

「……ええ」

「なら教えて、なんであんなに殺気だってたの」

理由はわかるけど念のために聞いた。

「……あなたが………あなたが兄さんを取ろうとしたから!……私の兄さんを…っ!」

その言葉を聞いた瞬間、レーナさんにビンタをした。

「…ふざけないで。先輩はあなたのものじゃない……あなただけのものじゃないの」

「え?いつから所有物になったの俺?」

ちょっと先輩雰囲気壊さないでください

「……あなたが本当に先輩を愛するんだったら覚悟を決めて。今から聞くことを。私たちの秘密を聞いたらもう戻れないよ」

「愛花お前まさか」

先輩は目を見開いてる。可愛いな……は!いかんいかん、レーナさんとの会話に集中しないと

「あなたにはその覚悟はありますか?全てを捨てても先輩の……あなたの兄を愛しますか?」

長い沈黙が続いた時

「……聞かして、兄さんの……兄さんたちの秘密を」

レーナさんは先程の光を失った目ではなく、覚悟の目をしていた。

「……わかった」

そして全てを話した。私たちの本名、私たちの過去、私たちが別世界から来たことなど。

「……そっか、だからか」

そうレーナさんは言った。

「何が?」

私はそう聞いた。そりゃあ「だからか」なんて言われたら聞いちゃうじゃん

「兄さん、時々辛い顔してたもん。なんで言わないかなぁって思ってたけどそうゆう理由だったんだ。そりゃあ言えないよね」

表情をコロコロと変えて話したレーナさん。何この子すんごい可愛いんだけど

「……そっか、怪しまれてたか」

苦い顔でそう言った先輩。やっぱりかっこいい

「レーナさんは、これを聞いてまだ愛せますか?」

レーナさんにそう聞いた。

「?なんでそんなこと聞くの?当たり前じゃん、なんならもっと兄さんのことが好きになったし」

レーナさんは少し顔を赤くしてそう言った。うわえっろ!

「そ、そっか」

先輩も顔を赤くしてそう言った。きゃーーかっこいいーー!!

「……まあ、愛花ちゃんが私より長く過ごしてるのが癪だけど」

とレーナさんが言った

「ふふん」

どや

「だけど……」

とレーナさんはそう言い、私の体のある一点を見た。

「どうした?」

先輩がそう言った。

「……勝った」

そう自信満々に言うレーナさん。何が勝ったって……………は?

「は?」

おっと、口に出してしまった。失敬失敬

「なんだろう、深読みしてはいけないと心が」

先輩それ以上考えたらどうなるかわかりますね?と目で訴える


ユートside


うわ怖、愛花がめっちゃ睨んでくる。深読みしちゃいけないやつだ

「兄さん」

突然呼ばれ、そちらを見ると

「っ」

「んん!?」

「わーお」

レーナとキスをした。しかも大人の方

いきなりのことで驚いた。

そして長い時間に感じ、離された。

俺たちはハアハアと息を吐き

「ちょ、レーナしゃん!?」

と言った。

「わかった?私はあなたから離れない。誰よりも愛してるよ。もしそれ以上を望むなら……」

と赤くなった顔でレーナは言った。

「〜〜〜〜〜!!!」

俺は恥ずかしさもあまりその場でうずくまった

「ありゃりゃ、轟沈じゃない」

と愛花は言い、そして近づいてきた。耳元で

「後で私にも大人のキスをお願いね」

と言ってきた。

「あああああああああああああぁぁぁぁ………」

我、完全にショートしました。


数十分後


「落ち着いた?」

そう愛花が言った。

「ああ、もう大丈夫だ」

「よかった」

そして

「兄さん」

レーナは少し深呼吸し

「……私は嫉妬深いし、他の女が愛花ちゃんみたいに兄さんと1人になるとまた暴走するかもしれない。身内の人でも嫉妬でギクシャクさせるかもしれない……それでも……私を愛してくれますか?」

レーナが泣きそうになりながら言い

「私も言わして。私は前世から……ずっとあなたのことが好きでした。あなたが死んだ時、本当に心が荒れたりしました……それでも今の今まであなたのことを、そしてこれからも忘れない。こんな重い私を愛してくれますか?」

愛花が泣きそうになりながらも決意の眼差しでそう言った……

「レーナ、愛花。俺は人の倍に嫉妬深いと思う。そして多分だけど身近にも好意を持たれてる。俺はあいつらの好意を断れないかもしれない、そんな優柔不断な俺でも愛してくれるなら……」

俺は最後まで言おうとしたがその前に

「うん!……うん!……私、それでも愛すよ……他の人より!」

泣きながらハグしてそう言ったレーナ。

「バカ……そんなことで先輩のことを諦めないし嫌いにならないですよ……私は他の人より愛してるし、これからももっと愛しますよ」

そうハグをし、涙ながら言う愛花

そして


「「末長くよろしくお願いします!!」」


「こちらこそ、よろしくお願いします」

俺たちはそう笑顔で言った。


数時間後


「そろそろ寝よっか」

レーナがそう言った

「そうだな」

「そうですね……あ、先輩」

俺はそう呼ばれ、愛花に近づく

「私もこれから先輩たちと一緒についてっていいですか?」

そう不安そうに言う

「当然だろ?お前のこの世界の親御さんが何を言おうが連れて行くつもりだぞ?」

俺は当然のように言う。

愛花は一瞬驚いた顔をして

「ふふ、ならよかったです」

と笑顔で言った。

「何してるの2人とも、早く行くよ」

「はいはい」

「わかったよ」

俺と愛花はそう言い、行こうとした時

「先輩、もしかしたらこの世界に『あいつら』が来るかもしれません」

俺は足を止め、愛花の方向を見た。

「……なぜ?」

「遥か北の国が異世界から大量の人を召喚すると言う情報を得ました……もしかしたらと言うことがあるので」

そうか……

「もしきた場合……どうしますか?」

「んなもん決まってるだろう」

俺は一泊おき

「国を破壊する……





















人類史上最悪と言われるのあの兵器で」

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