第百一話

学園祭から2ヶ月が経った、あの暴龍魔団は学園でも有名な不良グループだったらしく。今回の件でロミリア先生にこってりと絞られたそうな


そして俺は今…


「今日はお姉ちゃんの手作りお弁当の日だよ!」


俺の目の前には美味しそうなお弁当が並んでいた


「…なんで俺、生徒会室に居るんですかね」


「それはお姉ちゃんと一緒にご飯を食べる為だよ!」


「俺別に生徒会でもないのに…」


「勇者様も大変ね〜」


ノエラ先輩が苦笑いしながら言う


「…別に会長の弟だし好きに居ればいい」


アルフ先輩…!本当無愛想だけどめちゃくちゃ良い人すぎる!


「あはは、サラっちの弟君だしね〜最早生徒会みたいなものだよ」


いいえ俺は生徒会じゃないです


「ふふ…リュート〜…」


最近姉上も15歳になって可愛いから綺麗の分類になって色々やりにくいんだよなぁ…


「…もぐもぐ…あ、うめぇ…」


「良かった!愛情込めてつくったからね!ふふん」


日替わりでエリスと姉上の弁当を食べてるけど、どちらも美味しくて甲乙つけがたい…うまい…


『着々と胃袋を掴まれてますね』


「そういえばもうすぐ夏休みだね〜また一緒に実家で過ごそっか?」


「…そっかもうそんな季節か」


あっという間に時が過ぎていってるな…まだ最後の仲間すら見つけてないのに、どうしよ


「私も実家に帰ろっかな〜」


「テルーは実家どこだっけ?」


「私はミラノワから南にある村だよ、アルフと一緒だね〜。アルフも一緒に帰る?」


「…1人で帰る」


「もう、すぐそんな事言うんだから〜照れちゃって」


「…照れてない」


あ、ちょっと顔赤くなってる…案外分かりやすい人なのかもしれないな


「ノエラは実家帰るの?」


「そうね〜…帰らなきゃならないんだけど遠いからねぇ…」


「確かミラノワからずっと西の街の宿屋だっけ?」


「そうそう、帰ろうとは思うんだけどね」


「遠いなら仕方ないよ、私達は結構近いから帰れるけどね…ね、リュート?」


「そうだね、徒歩でも行けるし」


「多分徒歩はリュートだけだと思うな〜…」


そうかな?ミリシャが連れ攫われた時は結構早く着けたけど


『それは馬鹿みたいな体力があるリュート様だから出来る事ですよ』


今馬鹿の部分強調しませんでした?


『気のせいです』


絶対強調したよ…いつか仕返ししなければ…




放課後


「そっか〜もうすぐ夏休みだね〜」


「シノンも実家に帰るの?」


「うん、そうだね。と言っても家はミラノワにあるから殆ど変わらないけどね」


「そうなんだ、ミナは?」


「私はこのままミラノワに留まるわ、実家は遠すぎるし。家には卒業するまで帰らないって言ってるしね」


「ほえ〜…そんなに遠いのか…」


「ええ物凄くね、北にずっとずっと行ったところよ」


「そんな遠い所から来たんだね〜…うん?ずっと北って…もしかしてドワーフの街…?」


「そうよ、私ドワーフと人族とのハーフだもの」


「そうだったの?!」


「ええ、まぁ殆ど人族の血の方が濃ゆいからあまり関係無いけど」


「なるほどな〜…」


ドワーフは鍛治が得意らしいしミナも得意なのかな〜


「…貴方達は罵ったりしないのね」


「え?」


「普通はハーフだって言ったら馬鹿にされるか気味悪がられて避けられるかのどっちかよ」


「ミナ…」


異種族差別か…ハーフでもダメなのか、結構根深いのかもしれないな


「…僕達はそんな事しないよ!ミナは立派な魔道具研究部の部員だしね」


「シノン…ふふ…ありがとう」


「シノンの言う通りさ、馬鹿になんかしないし…させないよ。俺が守るさ」


ミナをイリスやアリアのような目には合わせたくない


「…!う、うるさいバカ…アンタに守ってもらわなくてもいいわよ、どっか行け!」


最近俺だけ反応冷たくね?シノンにはいつも通りだし…なんなら甘い…ふむ…ほほう


「…なるほどなぁ」


「な、何ニヤニヤしてんのよ…キモイわよ」


「いやぁ〜俺お邪魔だったかなーって、ふふ」


「リュート君?」


シノンは分かっていない様だ


「ふっ…頑張れよミナ」


「…何か変な勘違いしてるんじゃないかしら?」


「じゃあ俺はお邪魔だろうし今日は帰るとするよ」


「もう帰っちゃうの?」


「…全く、勝手にしなさい」


ぷいっと顔を背けるミナ、応援してるからな…


「またな〜」


「うん、またね〜」


「…ふん」


「帰っちゃったね、リュート君」


「どうせくだらない勘違いして帰ったんでしょ」


「ミナはリュート君の事になると口元ニヤけてるね」


「なっ…そんな事ない…わよ…」


「はは、そうかな?」


「あ、アンタだってリュートの隣に居る時顔ちょっと赤いわよ」


「ふえっ…そんな事な、な、無いよ、第一僕男だし?顔を赤らめるなんておかしいよ。うん」


「へぇ…ホントに〜?」


「…そ、そうだよ」


「ふーん、ま、そういう事にしといてあげる」


「うう…」


「ふふ、でもリュートはかなりの強敵だと思うわ…噂では何人も妻がいるとか噂あるし」


「…確かに…」


「「はぁ…」」


「話は聞かせてもらいましたわ!」


ドンッと扉を勢いよく開けて登場するエリス


「うぇ…?!エリスさん?!」


「え、エリス王女?!」


「ふふ…貴方達なら話しても良さそうですわね…」


こうして未来の妻団は徐々にその人数を増やしていくのであった…?









このまま行けばリュートの妻が数十人単位になりそうでちょっと焦ってます。ではここまで読んで頂きありがとうございます!


良ければ感想、レビュー等して頂けると嬉しいです!

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