第九十九話
「それで?学園祭の準備って何すればいいんだ?」
「とりあえず特級クラスは何をするかによりますわね」
「私屋台がいい!」
「…まさか盗み食いするつもりじゃ無いだろうな」
「そ、そ、そんなことないよ!」
うん、するつもりだったね
「屋台は無しね」
「えー…」
「それなら極暑サウナはどうだろうか!!!!!!」
「却下、誰が行きたがるんだそんな所」
もうすぐ夏だぞ
「みんなで育てた花を展示するのはどうでしょう?」
「〜!」
(私もそれに賛成です)
「ふむふむ…それなら…でもあと1ヶ月しかないからなぁ…多分育た無いかな」
「ですわね…」
「…」
(残念です…)
「もうリュート置いとくだけで人気出そうだけどな」
「俺の人権はどこいったよ」
サラッと酷い事を言うルシュ
「魔道具体験会はどうかな?」
「なるほど魔道具か…それもいいかもな」
「授業始めるわよ〜って皆して何話してるの?」
「いやー学園祭の出し物何にしようか迷ってまして」
「何言ってるの、特級クラスの貴方達は生徒会のサポート係だから出し物なんて出来ないわよ」
「「「えええ…?!」」」
「ま、特別に他のクラスの出し物を買ったりするのは許可するから。せいぜい楽しみなさい」
「マジかよ〜…まぁ何も決まらなかったからいいか」
「そだね〜…それより何食べよっかな〜」
「他のクラスはサウナはしないのだろうか!!」
「しないと思うよ…」
「さ、勉強の時間よ」
生徒会のサポートか…こりゃ姉上と一緒に居ることになるな…何となくそんな気がする
…
…
「…はっ!リュートの気配!私を思ってくれてるのね!」
「落ち着きなさいサラ…」
「ふおおお…!やる気が出てきた…!」
…
…
そして放課後
「へぇ〜ミナのクラスは喫茶店やるんだ」
「ええ、私としてはそんなくだらない事したくないんだけどね」
そう言いながらも少し口が緩んでるミナ、これがツンデレか
「いいな〜、僕達は生徒会と一緒に学園の見回りだからね…」
「そうなんだよなぁ…買い食いが出来るとは言え…やっぱり出し物をしたかったよな〜」
「なら魔道具研究部で何か出せばいいじゃないの?」
「…魔道具研究部で…?」
「他の部活はクラスとは別に出し物するらしいわよ?ここもやればいいじゃない」
「なるほど…でも僕達は3人しか居ないしここを見る人が居ないよ」
「…し、しょうがないから私がしばらく見といてあげるわ」
「でもミナもクラスの出し物あるんだろ?」
「私は午後からだからそれまでは見れるわ」
「ふむふむ…なら午前中だけ出せるかな?」
「そうだな、やるか出し物…!」
「それなら魔道具展示にしようか、それなら常にそばにいなくても大丈夫そうだし」
「…仕方ないわね。わ、私は別にそれでいいわ」
ミナさんちょっとにやけてますよ
「よしよし、ミナのおかげで出来そうだな!ありがとうミナ」
「ふ、ふん、別に感謝される程のものでもないわ」
「いや〜ミナが居なかったら出し物なしで寂しい学園祭を迎える所だったよ」
「そうだね〜、せっかくの学園祭だしね」
「そうそう、ミナ様々だな」
「…わ、分かったからもう…」
顔を真っ赤にしてそっぽをむく
『これがチョロいという奴ですね、告白すれば何やかんや付き合ってくれる感じがします』
なにゲスいこと言ってんだこの精霊は
「俺も頑張って作るぞ…!」
「うん、頑張ろう!」
「…が、頑張ってあげるわ」
こうして魔道具研究部は出し物を出す事になった
…
…
色々準備をして1ヶ月後
「それじゃ、さっき言ったように各々生徒会の指示に従ってね」
「「「はい!」」」
「あんまりはしゃぎ過ぎちゃダメよ?買い食いは程々にね、カナリーさん」
「何故私だけ?!」
とうとう学園祭が始まった
「ねぇねぇリュート君、魔道具展示は大丈夫かな」
「昨日のうちに準備も終わったし大丈夫だろ、まぁ俺達も暇が出来たら見に行ってみようか」
「そうだね」
…
…
「あら特級クラスの1年さん達ね、私は生徒会副会長のノエラよ。よろしくね」
ペールオレンジの髪色のしっかりしてそうな人だ、制服は5年生か
「「よろしくお願いします!」」
「うんうん、それでこっちに居るのが書記のアルフよ。無愛想だけど良い人だから気軽に話してね」
「…うす」
茶髪の気だるそうな男子生徒だ、制服をみると3年かな?
「ふふ、それでその隣が会計のテルーよ。見た目に反して繊細だから気をつけてね」
「余計なお世話だよ、よろしくね一年坊」
凄く制服を着崩したメッシュが入った暗めの青髪のギャルっぽい女子生徒だ、制服だと4年生だな
「じゃあ班分けは…ルシュ君とカナリーちゃんは私と行きましょうか」
ルシュとカナリーはノエラと
「…そこの暑苦しい奴と背が低い奴は俺と行くぞ」
ホットとシノンはアルフ先輩と
「じゃ、そこの金髪2人組ちゃんは私と行こっか」
エリスとユーナはテルー先輩と
「…えっ俺は?」
余っちゃったよ
「勇者様は…」
「もちろん私だよ!」
後ろから抱きつかれる
「ふふ…リュート成分が補充されるぅ…」
「はぁ…全く…今日で生徒会長の印象はガラリと変わりそうね、やれやれだわ」
いつもの姉上がヨダレを垂らして俺に抱きついている
ちょっと服に付いてるからやめて頂きたい…
「相変わらずねサラっちは〜」
テルーがケラケラと笑う
「…この前と全然雰囲気違うね…」
「うん…」
シノンとカナリーが驚いてるな、俺にとってはあっちの方がびっくりだけどね
「…おら行くぞ」
「そうね、それじゃあ各々見回りよろしくね!」
「リュート…ふへへ…リュート…」
「分かったから、ほら行くよ姉上」
「ふふ…久しぶりのデートだね」
「…それ人が居る前で言うのやめようね」
また噂になりそうな予感がした俺だった
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