第六十三話

「「リュートに乾杯!!」」


皆に出迎えられた後、皆で食事をする事になった


「そういえば、姉上は学園はどうしたの?」


「ふふん、リュートの為なら学園如き休んでやったよ」


「いやそれはアカンでしょう」


「えへっ、冗談冗談、本当はちょうど夏休みだったんだ」


「そっか、もうそんな季節か」


どうりで外が暑かったわけだ


「でもリュートに学園が合わせない時は学園なんてぶっ壊してもいいから安心してね!」


「全然安心できないからやめてください」


「お兄ちゃん…好き」


「うん唐突に告白するミリシャもお兄ちゃん好きだぞ〜」


「むー…私のリュートなのに…」


「ふふ、賑やかでいいわ…やっぱりリュートがいるととても嬉しい」


「そうだな…これで家族全員揃ったって感じだ」


「ええ、そうね」


母上は静かに微笑む


「それにしてもリュートも隅に置けないわね」


「ああ、あの胸ポケットの花だろ?結構古めのおまじないだけどな」


「ふふ、案外早く孫の顔を見れるかもね」


「孫…おじいちゃん…孫用の部屋を作らなければ!」


「それは流石に気が早いわよアルト…」


俺たちは家族水入らずで食卓を囲んだ



そして…


「今日はリュートと寝るのはお姉ちゃんよ!」


「違う…お兄ちゃんと…寝るのは…私」


「…はは…痛いなぁ…はは」


今俺は姉と妹に腕を引っ張られている、ちぎれそう


「もう3人で寝ればいいんじゃないかな…」


「むむ…リュートがそういうなら今回は勘弁してあげる!」


「一時…休戦」


「はぁ…」


いざ自分がこういう立場になると案外苦労するんだな…世の中のハーレム主人公さんお疲れ様です…


「せ、狭い…」


「大丈夫?お姉ちゃんの方に寄っていいからね?」


「私の所の方が…いい」


「いやどっちも既に密着してるじゃん…原因はそれだよ…端っこめちゃくちゃ空いてるから…」


「ふふ、照れてるのね!私のナイスバディに!」


「私の美貌に…照れてる」


「色々ツッコミどころありすぎて逆に何も言えねぇ」


「ふふ…暖っかい…」


姉上が更に抱きつく強さを強める


「お兄ちゃん…」


ミリシャも同じく強める


「あー…両手塞がってるから自分で気絶できねー…」


せっかくロディ先生に困惑されながら教えて貰ったのに…無念…


「今度手を使わずに気絶する方法教えてもらおう…」



こうして夜がふけていった…



「うーん…朝か…」


「おはよ…リュート…」


「むにゃむにゃ…お兄ちゃん…」


ミリシャはまだ寝てるか


「ふふ…リュート…」


姉上が抱きしめる、腕の感覚が無である


「ずっとこうしたかったんだ…離ればなれで寂しかったよ…」


「姉上…俺も寂しかったよ」


やっぱり家族と離れるのは心細いものがあった、特に前世のような孤独感が再び蘇ったような…だからやっぱり家族は一緒じゃないとな


「…ねぇリュートはさ、すきな人いるの?」


「うぇ…?す、好きな人?」


い、いきなりどうしたんだ姉上は…でも好きな人か…

そういや考えてなかったな


違う…考えないようにしてただけか、まだ生きれると決まった訳じゃないんだ。


「うーん…分かんないかな」


「むー…何よそれ…私はね、居るの」


「えっ…」


姉上の好きな人?!あの俺離れできない姉上が?!…とうとう学園でできたのか…そっか…そっ…か…


あれ…はは…なんで俺傷ついてんだろ…


姉上は血の繋がった姉だぞ?いくら俺が転生者だからって実の姉を好きになるなんて…


いや俺はどこかで姉上の事を他人と思っているのか?

前世の記憶はそう簡単には消えない



もしかして俺は黒耀龍斗として姉上の事が…


「私の好きな人はね…」


「…うん」


「…いやなんでもない、気にしないで !ごめんね朝から変なこと言っちゃって」


そこで止めないでよーーー!気になるぅうう!!


「心の準備が出来たらまた言うね!さ、起きよ!」


「あ、うん…」


俺は顔を洗いに行った、はぁ…気になる…


「ミリシャも朝だよ!」


「…いくじなし…」


「ふぁ…?起きてたの?!」


「…お姉ちゃんが言わないなら…私がお兄ちゃんを…貰う」


「むぅ…そうはさせないわ!」


「…お兄ちゃん好き度は…私が1番…」


「私だね!」


「ふぁぁ…眠いなぁ…ん?どうしたの睨みあって?」


また俺の取り合いかな、いやそれは自意識過剰か…それより今日は何しようか迷うな、久しぶりの実家だし


「むむむ…」


「…むむ」


まだ睨み合っておられる…別に仲が悪い訳じゃ無さそうだからいいけど、流石に睨みすぎだぞ


「ほら、朝食たべにいこ」


「分かったわ…」


「…分かった」


ふぅ…何とか言うことを聞いてくれたか


「おはようリュート、サラ、ミリシャ」


「おはよう母上」


「おはようー」


「…おは」


「ふぁぁ…みんな揃ってるな」


「おはよう父上」


「おう、おはようリュート」


「じゃあいただきましょうか」


「うん」


「「いただきまーす」」


むしゃ…むしゃ…美味いなぁ…


「そういやリュートはこれから何かする事あるのか?」


「いやーそれが何も思い浮かばなくてさ、どうしようか迷ってたんだ」


「じゃあ街へ行ったらどうだ?最近冒険者ギルドも出来たし、リュートなら気になるだろう」


「なるほど…ここにも冒険者ギルドが…うん、これ食べたら行ってみるよ」


そうして俺は朝食を食べた後、レギオス領にある街へと遊びに行った。


「へぇー…結構賑やかだなー」


レギオス領にある街、名前はローグ。ミラノワほど大きくは無いが十分な賑わいを見せている


「ふふ、リュートと一緒に買い物♪」


何故か姉上も一緒に着いてきていた、ちなみにミリシャはまだ6歳なのでお留守番だ。


「今日はうんと楽しもうね!」


「うん、そうだね」


そういえば姉上と2人きりで出かけるのは初めてか。日頃気にかけてくれてるし、楽しませてあげなきゃな


「…くんくん…はっ…この匂いは…!」


俺は数キロ離れた屋台を魔力超速で見つめる、そこには大好物のクレープが置いてあるではないか


「姉上!あそこのクレープ買いましょう!」


「えっ…どこどこ…?」


「うひゃークレープじゃあ!」


「うええ…早いよリュート〜…!」


「はは…クレープ…!ん…?」


全速力で屋台へと向かっている時、ふと馴染みある人影が見えた


「…コソコソ…」


「コソコソ…これ隠れきれてるの…?」


「…大丈夫よ…多分…リュウ君にさえ見つからなければいいわ…コソコソ」


「そうですよ、そう都合よくリュート様が現れる訳でもないですし…」





えっと…なんでいるの…?










サラとミリシャをハーレムに入れるか少し迷っています…難しい…



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