第四十五話
アリアとの会話のあと、俺達は部屋を出てマリン姉ちゃん達の所へ行った
「目覚めたのね!よかったわ!もう、心配したんだからね!」
「ごめんねマリン姉ちゃん」
「ぐすっ、いいわ無事だったんだから」
「本当に良かったよリュウ」
「イリスも無事だったんだね」
「ああ、何とかな〜全く死ぬところだったぜ」
「うん、…あれイリス口調元に…」
「だー!あれはその…あれだから!気にすんな!」
「そ、そう?でもいいの?」
「ああ…今までずっとこの感じで過ごしてたからさ、この私も偽りじゃなくて本来の私…なんだと思うんだ」
「なるほど。ま、どのイリスでも俺の仲間には変わりないさ」
「…ありがとうリュウ、でもさ」
イリスが近づき誰にも聞こえないよう耳元で囁いた
「リュウと2人きりの時だけは、もう1人の私でいてあげるね…?他の皆には内緒…だよ?」
はい惚れた、そんなん惚れるに決まってるやんもう実質結婚だろ、あ、いやアリアさん冗談ですからそんな鬼の様な顔をやめてください…すみません
「ふふ、そういう事だ。よろしくなリュウ」
「うん…よろしくイリス!」
「けっ、どうせ私なんて見守るだけしか出来ない都合のいい女ですよ」
アリアがいじけた
「ごめんアリア、アリアも大切だから、ね?」
「むー…」
「そういや、助けてもらったお礼言ってなかったな。助かったよ、えーとアリア?って言ったか」
「べ、別に貴女を助けた訳じゃないですからね!リュート様を助けたついですからね!」
なんでツンデレなんですかね?というか名前…
「リュート…?誰だそれ」
「あっ…えっと…その…あわわ…」
ツンデレの次はポンコツ系か…それよりバレちゃったかなこれは、まぁ流石に隠すのは心苦しかったしいいか話しても
「俺の本当の名前だよ」
「リュート様…!」
「いいよ、もう隠すのはやめだ」
「…分かりました」
「リュウって名前じゃ無かったのか…」
「リュウ君…」
「うん…ごめんね2人とも…」
きっと怒るだろうな…
「じゃあ次からはリュートって呼べばいいんだな」
「ふふ、リュート君…リュート君…ふふ…いい名前ね」
思ったより気にして無さそうだ
「怒って…ないの…?」
「んー?そりゃ黙ってたのはあれだけど何か理由があったんだろ?」
「そうよ、リュート君の事だもの。不用意に嘘なんてつかないって知ってるわ」
「ありがとう…2人とも…」
「ま、そんな予感はしてたけどな、ダンジョンで私に使ってくれた魔法も本当は使っちゃダメだったんだろ?」
「うん…」
「イリスちゃんの尻尾を治してくれたのもリュート君だったのね」
「光魔法なんだ」
「光魔法…お前が噂の2代目勇者だったんだな」
「ごめんね、隠してて」
「謝んなって、すげぇじゃねぇかこんな小さいのに勇者になるため冒険者になって鍛えるなんて」
「うん、やっぱりリュート君はもう1人の自慢の弟だわ」
良い人達だ…怒らずに褒めてさえくれた、はは…褒められると嬉しくて泣きたくなるじゃないか
「ありがとう…ぐすっ…」
「にひひ、ダンジョンではあんなに頼もしかったのにこんな所はまだまだガキだな」
イリスに頭を撫でられる
「そうね、でもそれが普通よ」
マリン姉ちゃんは後ろからそっと抱きしめる
俺は良い人達に出会った…本当…アリアもイリスもマリン姉ちゃんも…他の皆もだ
俺はその人達に支えてもらって生きているんだ
暖かい…
「むむ…私もリュート様を抱きしめて頭を撫でて見たい…」
アリアの独り言が聞こえる事は無かった
それからしばらくして…
「おめでとう〜!10階の特殊ボス討伐の功績でC級を飛ばしてB級に昇格よ!」
「本当?!やったぜえ!」
「よっしゃあ!念願のB級だあああ!C級生活…長かった…」
「やったね、イリス!」
「ああ!お前のおかげだよリュー…ゴホン、リュウ!」
やはりあの時戦ったボスは本来の下級ダンジョン10階のボスでは無かったらしく、異例の特殊ボスとして処理された。
そのボスを討伐した功績で俺達は晴れてB級になることが出来たのだ
「A級まであと一歩だな」
「うん、でもすぐになれるよ、俺とイリスなら」
「そうだな、これからも頑張ろなリュウ」
「もちろん!」
拳と拳を合わせる
もうすぐA級…でもA級になったら2人とはお別れしなきゃならないのか、それは…嫌だな
複雑な気持ちを胸に込めて、俺達は次のクエストへ向かった
一方レミシアは…
「うう…お腹が…やっぱりキノコはちゃんと焼いて食べなきゃダメなんだね…おええ…」
腹痛で苦しんでいた
リュートとレミシアが出会うまで残り
2ヶ月
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