第三十一話

獣人族のイリスさんと仮パーティーを組んだので早速クエストを受ける


「それで、リュウは武器は使えたりすんの?」


「はい、武器は一通り使えます」


「ふーんじゃあ討伐クエストでいっか」


討伐クエスト!ようやく魔物と戦うのか…初めて生き物を殺す事になるけど大丈夫かな


「あいマリンこれ受けるわ」


「分かりました、ゴブリンの討伐ですね。お気を付けて行ってくださいね」


「あいよ」


「行ってきます」


「そうだ、昨日渡しそびれちゃったからこれ渡しとくね」


「これは…?」


「ギルドカードよ、これで魔物を倒したら自動で記録してくれるの」


すごいな?!さすが異世界


「身分証明書代わりにもなるから使ってね」


「わかった、ありがとうマリン姉ちゃん」


「頑張ってねリュウ君、無茶だけはしちゃダメよ?」


「うん、大丈夫だよ」


「そう、それならいいわ」


「おら行くぞ〜」


「はい!」



首都ミラノワを出て東に向かうと大きな森がある、そこには魔物がおり。ゴブリンやシルバーウルフなどのE級モンスターと呼ばれる魔物からA級モンスターのデススネークなどの凶暴な魔物までいるらしい


A級などのランクの高い魔物は森の奥深くに生息しており、深くまで行かなければ比較的安全に狩りが出来ると言われている


俺たちが向かうのはその森の入口付近だ



「冒険マニュアルちゃんと読んどけよ〜」


「今読んでました、俺たちが狩るゴブリンってE級なんですね」


「まあね、F級は大体がちょっと体がでかいネズミとかだからな。お前のランクをちゃっちゃと上げるにはE級がちょうどいい」


「でも俺F級なんですけど、クエストは同じランクのものしか受けれないんじゃ」


「そうだな〜だけどパーティーを組んでたらそれもあって無いようなもんさ」


「そうなんですか?」


「パーティーメンバーが受けたクエストは他のメンバーのランクがそのクエストに対して低かろうが高かろうが受けれんのよ」


「ええ…それもう意味ないじやないですか」


「私もそう思うよ、まぁ1つ上のランクまでっていう決まりがあんだけどね」


「なるほど…」


「ほれついたぞ、ここがゴブリンの狩場だ」


「ここが…」


いよいよ戦うのか…ゴクリ


「魔物の見つけ方はマニュアルに書いてある、足跡だったり匂いだったりな」


「分かりました」


「今回は…っと、いるな…2匹か」


「あれがゴブリン…」


一目でゴブリンだとわかるぐらいゴブリンって感じの見た目だな


「やれるか?」


「はい…!大丈夫です」


「分かった、じゃあ私はここで見てるからいってきな」


「はい」


片手に短剣を持つ、大丈夫…訓練を思い出せ、殺らなければこちらが殺られる。


ゴブリンはまだこちらには気づいていない、殺るなら今だ…!



「ふぅ…っ!」


一気に距離を詰める、まずは1匹


「グギャ?!」


「はぁっ!」


首を切り落とす、片方が気づいた。だがもう遅い


「終わりだ…!」


一瞬で懐に入り胸を刺す


「グギギャ…!」


初めて生き物を殺した、少し手が震えている。


「お前すげぇ強いじゃんか!ほんとに子供かよ?!」


「どうも…」


「なんだそんな、泣きそうな顔して。ああ、そうか初めて魔物殺したんだったな」


「はい…」


「まぁ、気にすんな。お前が殺してなかったならコイツらは人間を襲ってたかもしれないんだ、気楽に考えりゃいいのさ」


「そうですかね…」


「うんうん、お前は正しいことをしたんだ。そう落ち込むな〜?」


ガシガシと頭を撫でられる


「それに、いずれ人も殺さなきゃなんない時もくるからさ。」


「そう、ですね」


「ああ、だからそん時にヘマをしないように落ち込むなとは言わないが、慣れろ。じゃないと死ぬのはお前だ」


死ぬのは…俺…それはダメだ…


「はい…」


「わかりゃいいさ、まだ行けそうか?」


ここでウジウジしてられない、俺は進まなきゃ行けない…強くならなければ


「ふぅ…はい!もう大丈夫です」


「よしよし、行くか」


「はい!」


「ああそうだ1つ言い忘れてた」


「なんですか?」


「さっき殺す事を慣れろと言ったけどさ…」


慣れてもいいけど殺しを楽しむな、もしそうなったらお前はただの殺人鬼と一緒だ


「楽しむな…ですか」


「そゆこと、まぁお前は大丈夫だと思うけどな〜」


「…分かりました」


殺しを楽しむな…多分そんな事は無いだろうけど胸に刻んでおこう

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