第六話

適性の儀から1年が経った


まさかの光適性だったので周りは大騒ぎで父上も母上もその対応に追われていた。なんかすみません


俺は俺で光魔法の特訓でもしようと思ったんけど、どうにも光魔法自体が特殊なのか俺が特殊なのかは知らないけど光魔法を使おうとした瞬間必ず気絶してしまうんだ


後で魔法専門の医者に聞いた所、光魔法には膨大な魔力が必要らしく、今の俺では魔力不足で気絶してしまうんだと


要するに光魔法使う→魔力足りない→なら魔力を増やせばいい→魔法を使うしかない→魔力足りない、以下無限ループ


はい詰みました、俺まさかの魔力不足で光魔法使えません。ちくしょうめ!ぬか喜びだよ!


まぁ一応父上が魔法を使う以外で魔力を増やす方法を探してくれてるから、何か進展があるまで光魔法はお預けだね


更にエルシュラ国の王様も黙ってなく王都まで謁見しろと手紙がきた。そりゃ200年前の勇者と同じ光適正だもんねそうなるよ


いやもうなんでやねん!なんで俺がよりにもよって勇者だけしか使えない光適性なんだよ!俺はのんびりセカンドライフをおくりたいんだ!


国中に情報広がってるしさ…挙句の果てに第2の勇者だとお祭り騒ぎだよ!


いや勇者とか重圧で死んじゃうよ?魔法が使えない勇者として違う意味で伝説になりそうなんですが


ヘルプ!ヘルプミー!


ふぅ…落ち着くんだ…よしまずは現在の状況を整理しよう。まずはステータスだな


名前 リュート・レギオス


職業 なし


称号 転生者


適性 光


体力 200


魔力 150


力 60


防御力 55


速さ 65


我ながら結構上がったものだ…努力の賜物だな、うん

基本的には筋トレをメインに家(めちゃくちゃ広い)を5周走ってただけなんだけどね。


それでも最初は死ぬ思いしたけど…始めた当初は2歳だったし…?周りからすれば2歳児が中々広い敷地を5周も走ってるのは狂気だったかもしれない。


母上にはめちゃくちゃ怒られたし、反省


問題は適性ですよ適性、光適性。200年前の勇者が使っていた未知の適性


勇者以外誰も選ばれなかった適性…


歴史上俺が2人目の光適性者になる、そりゃ大騒ぎするよな…いずれ勇者だと祀られて国の為に戦えと言われたらどうしよう…うっ…考えただけでお腹が…


まぁ魔族とは平和協定結んでるし戦うことはないだろう、多分


「大丈夫リュート?顔色悪いわよ?休む?馬車止めてもいいのよ?」


「これから王との謁見だからな…それに今回はことが事だけにな。まぁあいつなら悪い様にはしないさ、まだ時間はあるしゆっくり休むといい」


「はい…父上、母上…」


「もし何かあったらお姉ちゃんに言うんだよ?全部解決してあげるからね!」


「は、はい姉上」


もし相談したら何故か他人の血を見そうな予感がするな…姉上はそんな暴力的じゃないはずだけど…多分


何はともあれこれから国王との謁見だ、何やら父上と国王は知り合いっぽいけど、父上は何者なんだ一体?


「…はぁ」


ああ何事もなく平和に終わる…わけないよなぁ、まだ4歳なのにストレスで禿げそう


家に居るカレンが恋しいよ…



「くしゅ…!風邪かしら…?」



そしてレギオス領を出てエルシュラ国首都ミラノワへ着いたあとそのまま王城へと向かった


王城へと向かう途中馬車の窓から外を眺めていたが、やはり首都と言うだけあって活気に溢れている


「ここにいつか通う魔法学園があるんだよね?」


「そうね、サラもリュートも魔法学園で学び、強くなるの」


「そんなんだ〜!私早く通いたいな〜!」


「きっと通えるわ、いい子にしてたらね?」


「そうだな、サラとリュートなら大丈夫だろう」


その時の為に今度下見とか出来ないか聞いてみよう


「さて、2人は待っててくれ。直ぐに戻ってくるからな…行こう、リュート」


「は、はい」


そうして母上と姉上は宿でお留守番で、俺と父上だけで城へ向かった




「ひ、広い…」


王城は一際大きく絵本でしか見たことのないような中世風の城だった。


中も広くすぐ迷ってしまいそうだ…そうしてしばらく進むと王の間へと通された


「よく来たなアルト、そしてアルトの息子リュートよ。急な呼び出しすまなかったな」


うわめちゃくちゃイカつい人だよ王様、オーラが半端ないもん、絶対何人かやってる顔をしてるよ、ヤバいチビりそう…トイレ済ましとくんだった…



「いえ、適性の儀の時に予想はしておりましたので」


「そうか、では早速呼び出しの件について話そうか。件が件だ、場所を移そう。兵に案内をさせる」



「分かりました」


あ、移動するのね。ちょっとチビったかもしれないから床濡れてたらごめんね


そして別室へと案内された後、しばらくして王様が入ってきた


「改めて久しぶりだな!アルト!相変わらず元気そうで何よりだよ」


「ああお前もなルーデウス!中々様になってるじゃないか国王陛下」


「ははまぁな、だが堅苦しいのはどうも慣れん」


なんか凄い仲良いなこの2人、知り合いみたいだけどここまで仲良いとは思わなかった


「それで、こいつがお前の息子か。あちこちで噂になってるぞ、第2の勇者が現れたってな」


「ああ、自慢の息子さ。まさか光の適性を授かるとはな」


「そうだな、俺も報告を聞いた時驚いたよ。さて今回呼び出したのはその光の適性についてと、あと提案があって呼び出したんだ」


提案?


「提案?なんだ提案って」


「単刀直入に言う、お前の息子リュートを城で預からせて欲しい」




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