第五話

転生して3年が経ち、とうとう適性の儀が訪れた。


ここ1年ステータス上げに全力を捧げていたから魔力以外は結構伸びた、少なくとも3歳児の平均ステータスよりは上だと思う


上じゃなかったら精神崩壊を起こしていただろう


魔力の方は魔法が使えないと上げれないので、保留にしてる。仕方ないね


「リュート〜、そろそろ馬車で教会に向かわないと間に合わないから行きましょうか?」


「はい、母上!」


「あなたもリュート以上に緊張してないで行きますわよ?」


「お、おう!べ、別に緊張なんてしてないからな!リュートならきっと素晴らしい適性を授けられるに決まってるからな!うん!」


相変わらず親バカだな父上も…てかなんで俺より緊張してるんだ


「そうそう!私の自慢の弟で世界1可愛いリュートなら光適性だって余裕よ!」


「それは流石に期待しすぎだよ姉上…」


姉上の愛が重いぜ…時が経つ度どんどん愛が大きくなってきてるのは気の所為かな…うん気の所為だね!


「えへへ…照れちゃってリュートは可愛いなぁ〜…」


姉上もまだ6歳だしな、12歳で通う魔法学園へ入学したら弟離れもするだろう。それはそれでちょっと寂しい感じもしなくはないけど


「さて行きましょうか」


「そうだな、じゃあ行ってくるよサラ、いい子にしてるんだぞ?」


「うん!行ってらっしゃい!お父様!お母様!リュート!」


「うん、行ってきます姉上」


今回馬車で向かうのは適性の儀が行われるレギオス領主にある教会だ、教会と言うからには神を信仰してるんだが、種族によって信仰してる神が違うらしい


「…これは地球も同じか」


「地球?」


「な、なんでもないです!」


危な、口に出てた…


それで人間の信仰してる神は女神エルシュラ、今住んでる国の名前と一緒だな、そしてその女神エルシュラから人間へ授けられる能力が適性という訳だ。


適性の儀は3歳の時に受けるしきたりで、適性を授かったらその適性の魔法を伸ばす事が魔法学園に通うまでの目標になると母上が話していた。


テンプレの匂いがする魔法学園だが、12歳から通い18歳で卒業するので7年間通う事になる。もちろん俺も通う事になるので何事もなく卒業できることを願うばかりだ


「そろそろ着くわね」


「ああそうだな、セバスチャンあとどのくらいだ?」


セバスチャンとはウチの執事で父上の護衛でもある、めちゃくちゃ強い。うん、テンプレだね


「あと10分もあれば着くかと」


「わかった、リュートもうすぐ適性の儀だ」


「分かりました父上」


「あまり緊張するなよ?」


「えっ?き、緊張なんてしてないですよ…?」


「息子の顔色ぐらい分かるさ。いいか、どんな結果になろうと、リュートは俺の息子だ。ドンと構えとけばいいんだよ」


「父上…」


「そうよ、だからそう心配しなくてもいいのよ?リュート」


母上がそっと抱きしめてくれた


そっか顔に出てたのか、前世が孤児なせいでまた孤独になる事を何処かで恐れていたのかもな…


全く親には敵わないな、よし気合いを入れ直すか!


「母上…父上…ありがとうございます…もう大丈夫です」


「そう?もっと甘えてもいいのよ?」


「俺にも甘えていいんだぞ〜?領主の仕事であまり構ってやれないからな!」


「もう…大丈夫ですって…はは」


2人のおかげで吹っ切れた、今ならどんな事でも出来そうな気がする


例え適性が無かろうが弱かろうが名を轟かせるぐらいに使いこなしてやる、前向きな性格が取り柄の俺を舐めるなよドンとこいだ!


そして教会へ着いた、教会の神父様が俺の他に適性を授かりに来た子供たちを順番に適性の儀を行っているようだ


そして俺の番になった


「女神エルシュラの御加護を授けよう。リュート・レギオスの適性は、である」


「ええ?!」


「光だって?!」


「領主様のご子息じゃないか!」


「り、リュート?!」


「ど、ど、どうしましょう!あわあわ…」


拝啓、姉上 私リュート・レギオスは本当に光適性を授かったらしいです。


どうしよう




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