第6話 ♥鳴り響く

私に音をください。

あなたのその息遣いで私を唄ってください。


今、とても寂しくて、私は断絶されているのです。

私はあなたと繋がりたいのです。

大丈夫だよ、一人じゃないよと、抱きしめてほしい。

あなたの音で私をそっと包んでほしいのです。


私達は、触れ合うことができません。

きっとあなたも孤独に苛まれているでしょう。

まるで地球と太陽のように、永遠に距離が縮まらないようです。

しかし私達は生きています。強い躍動力があります。

今すぐにあなたの元へ駆け出したくてたまりません。

そうしたら私もあなたをぎゅっと抱きしめてあげられる。


小さな私と小さなあなた、

そっと抱きしめれば、ぎゅっと返してくれますか。

あなたの音と私の音と、重なり合うことができますか。

私の音をあなたにあげるから、あなたの音を私にください。

そうしたらもう寂しくないから。


大丈夫、それほど遠くない未来、私達の音は届くでしょう。

同じ息遣いでともに唄うことができるでしょう。

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