第8話

親父。青で表示されてるってことは生きてるのか…

どうなってる。

俺のステータスの一覧には家系図にバグか冗談としか思えないジョン・B・カーライルと言う名の羅列が連面と続いてる。それはたまに次男のリチャード、長女のソフィア、次女のグレースと規則で名前が繰り返される。名前が決まっているのだろうか。恐ろしく代わり映えしない名がずっと続いている。それは甲賀の服部半蔵を超える。そして、明るい青い文字で表示されている俺の名、その上の父と父の配偶者、父の詳細画面を開いたときに俺の無事でいてくれという一縷の望みは叶った。

アイコンの肖像画の父の瞳は閉じており、優しく風に靡く柔らかだった髪がオールバックに撫で付けられている。

だが、生者か不死者か…父は寝ているように見える。

今の俺はヴァンパイアがモンスターだと知っているし、この世界のヴァンパイアは生き血を啜り命を繋ぐ。そして、人間の血液こそを極上の糧とする人の姿をした化物だと理解してる。

父はヴァンパイアなのか、違うのか。

王家の親衛隊は父を救う事を諦めたのか。

真相を究明したいが俺は歯をくいしばって耐える。


朝、父の姿を家系図アイコンで確認して母を呼ぶ。母上、今日も父上はお元気です。

「あっあう。あんあぱっぱ うん ん」


「はいはい。お待たせしましたー」

美しいおっぱいが現れた。

少し笑顔に影があるが、お元気そうに見える。

食事が終わったら、早速訓練だ。

身体強化訓練。

右手、左手。

左手、右手。

右足、左足。

左足、右足。

手足を動かし筋力を上げるのだ。

かけ声にあわせて、3セット繰り返す。


「なに踊ってるのよ」

母が大笑いしている。


俺は魔力操作を時計回りで行う。速く、そして細心に、精密に極めて細い魔力の線を縒っていく。縒った魔力の糸を更に編んでいく。


「何て顔してるの、ジュニア…う○ちしてないわよね…」


ギャラリーが騒がしいな。

真面目にやってるのに…


忍耐、忍耐だ。

艱難汝を玉にすと言うじゃないか。

俺は強くなる。まずは第一歩。


【スキル】並列演算と【スキル】マルチタスクを早めに入手だ。

その前に【スキル】反復練習か、闇魔法3位ダブルが先か。


習得魔法

火魔法1位ファイア(発火)

2位ライズオブパワー(力の上昇)

水魔法1位ウォーター(出水)

風魔法1位ウインド(そよ風)

土魔法1位ソイル(出土)

金魔法1位エレクトリック(発電)

光魔法1位ヒール(治癒)

闇魔法1位ダーク(闇、盲目)

神聖魔法1位ホーリーワード(聖なる言葉)

暗黒魔法、未修得


神聖魔法2位ピュリフィケーション(浄化)に手が届けば、オムツのなかを汚すこともなくなる。もう少しだ。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る