第5話
身体の奥から苦痛が駆け巡り声をあげようとする。しかし、喉も肺も消し炭になって心の臓が最後にひとつ鼓動した時には、全身の血液が蒸発していた。
【アビリティ】灰からの蘇生が発動しました…
めいっぱいの声が音となるのは、およそ11か月後の事だったのだ。
俺は泣いていた。
「おんぎゃ、おんぎゃ、おんぎゃ」
「はい、はい。お腹空いたのかなぁ」
美しいシルバーブロンドの髪の女性がお世話をしに現れる。
物心ついたって言うか何て言うか、これはやっぱりVRかも知れない。それもどちらかと言うとエロ系のヤツ。ずばり言おう、目の前の女は絶世の美女だ。ロシア系の白色の透き通る肌。メリハリのある姿に美しい顔立ち。世の男、誰もがむしゃぶりつきたくなるような女性だ。だが、おっぱいにしゃぶりついてるのは俺だがな。そのボリューミーなおっぱいに吸いつき、天女あるいは女神と言っても過言ではない美女に抱かれて至福を味わっている。問題はだ、VRゲームなんだとしたら如何にして休憩するのかということだ。小便はまだしも大便までこの母に世話をされ俺の自尊心は粉々に砕かれた。俺は泣きたかった、嗚咽をもらしていたらオムツを剥かれ笑顔でちんち○を見られた。そして、またも美しい双丘が目の前にあったので、いっぱい乳を吸った。
しばらくすると、俺はう○ちを漏らしていた。今度こそ、どん底の気分だった。泣いていると女の手がてきぱきと下の世話をし、笑顔とおっぱいが俺を包んだ。それでもだ、ここは天国かもしらんが俺は普通に、普通のヤツが良い。赤ちゃんプレイは止めてくれ。リセット、リセットはどこだよ。
意識を集中すれば、視界の片隅にキラキラと輝くクリスタル。ステータスウインドウを開きますかの文字。
俺はまだトールのなかにいるのだろうか、それとも新しい赤ちゃんプレイVRをしているのかそれが問題だ。どちらにしろ俺はステータスウインドウを開く。オフラインのためのスイッチを探すためにな。
結果として、オフライン機能は見つからなかった。くそ。
わかった事と言えば、俺の名前はジョン・B・カーライルと言うらしい。らしいというのは呼ばれたことがないからだがステータスにはそう書かれていた。ミドルネームはブルーアルケミスト(青の錬金術師)。ブルーアルケミスト氏族のカーライル家のジョン坊やって意味だ。
ステータスウインドウが二重にぶれて表示されている。
逆十字星霜プリン逆十字のステータスはLV50。ジョン・B・カーライルのステータスはLV1。
いったいこれはどうなってるのだろう。ステータスが2つだと…
よくわからんが美しい母と戯れる時がジョンで、逆十字星霜プリン逆十字はトールで遊んでたステータスがVRトールに引き継ぎされたヤツだ…まぁ、赤ん坊がLV50だと色々支障があるだろう。母親もSTR40の赤ちゃんに内側から蹴られたら目も当てられない。神の慈悲かも知らんな。
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