第2話

トール運営ならびにカスタマーサービスよりお知らせ。世界の敵、カタストロフィ討伐報奨アイテムを贈呈いたします。グローリー株式会社ゲーム報奨係。

と印刷された紙に黒いカードが貼り付いている。


何だこれ。

黒いカードに手に触れた瞬間に立ち眩みを覚え、右目の奥をスプーンで抉られた様な痛みが走る。

くっ…

ネーム:逆十字星霜プリン逆十字

職業:ニート

月収:4万円

年齢:18(35)才

彼女:なし

Lv50

HP6/500

MP1500/1500

STR(力)50

ATK(物理攻撃)40

VIT(生命力)50

DEF(防御力)70

DEX(器用さ)40

INT(知力)80

RES(抵抗力)70

AGI(素早さ)30

LUK(幸運)20

称号:賢者

アビリティ:勇者、万魔吸引、無限増殖

スキル:

バッドステータス:癌

キャラクター説明:トールスタープレイヤーランキング98/100、45英雄の1人にして世界樹の守護者。その身は病に犯され余命幾ばくもない。世界を救うために尽力したがカタストロフィの汚染によりスキルを全て失なったという…。


なんだこりゃ、新しいVR技術…

ははぁーん、ステータスウインドウか。

網膜投影により半透明にステータスが見える。

彼女なしとか書かれてるんだが…

それに俺はべつにニートじゃないし、ちゃんと稼いでるんだよ。

運営に実年齢がバレてるの怖っ。

て言うか、キャラクター説明って笑う。俺がガンで死ぬらしい。

それにスキル全て失くしたって…スキルのは後天的に努力して身につけるという定義のもとに取得したのだから簡単には失わないだろう。


その時、声が脳内に響く。


◇「転移対象を確認しました。年齢のサバ読み3才以上、いえ、10才以上。詐欺師の称号を授与。ほんのりとオタク臭。彼女なしの童貞をクリア、賢者の称号に偽りなし。」


な、何だこの声は(棒読み)。

ダンボールの箱を漁るが、他に何も入っていない。え、このカードだけをこの大きさの箱で送ってきたの。

え、VR機器本体ないの。


◇「転移します」


「ちょっと待ったー」

と俺は叫んだ!











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