第46話 ユリアの苦悩と村の発展3

◆ユリア視点


また、1ヶ月が経ち、屋敷に戻ってきました。

ブランカとも仲良くなって、すっかりお友達になれました。

再来月には通学免除試験があるので、追い込みの真っ最中です。

私も何とかして合格させてあげたいので気合いが入ります。



リノア様やリアのお陰で村の悩みもだいぶ解決してきました。


リアは4000万Gもの借金を私1人で返そうとするのはおかしい。

村で収益を上げられる仕組みを作るべきだと、私に色々と提案してくれます。


まずは人が来てもいいように宿屋を街道沿いに建てるべきだと私を説得してくるのです。

最初は誰も泊まらない。

でも、この街道を通る人はいない訳じゃない。

人が来た時に迎え入れられる体制を整えるべきだと。


さらにリアは言います。

私がいつかアルル村にギルドを呼んであげるから待ってて。

宿屋はその為の1歩目だと。

人が集まるようになれば、魔物にも対応できるようになる。

そうなれば、ユリアも村の人達も魔物に怯えて生活する必要はなくなる、と。


村の復興にまだまだ時間が掛かるのに

リアがそう言って村の事を考えてくれるのが嬉しくて。


夢物語かもしれない。

でも、叶ったら素敵な夢。

今はリアの想いに素直に感謝します。



村の悩みも含めて、私には3つ悩みがあります。

1つは村のこと。2つ目は『錬金術士』のレベル。


そして…最後は

ユーリお姉様のことです。


またドアの隙間からユーリお姉様からの手紙が入っています。

「勝手なことかもしれませんが、ミミちゃんが風邪を引いたので医療ポーションを2本送りました。」


昨日も一昨日も同じような手紙が入っていました。


村の為だと唆し、私に体を迫ってきた時は怖くて仕方ありませんでしたが

こうも毎日、村のために何かされると

私も素っ気なくしているのが、申し訳なくなってしまいます。


リノア様が仰るには、私が冷たく接するようになってから酒浸りになったそうです。

屋敷にも戻らず、酒場で飲んだくれている日もあるというのです。


あの女は鬼畜だから放っておきなさいとリノア様は言います。


でも…

1度、ユーリお姉様にお礼だけでも伝えに行こう。

そう思って、お姉様の部屋を訪ねました。


呼び掛けても返事がありません。

鍵は掛かっていなかったので扉を開けると、部屋にはお酒の空瓶が何本も転がっています。


ユーリお姉様はぐでんくでんに酔っぱらって眠っています。

うわ言を言い始めました。

「イオリ君、ユリア、愛してるよ。

3人でお風呂に入ろうね。

あはは、2人とも積極的なんだから…ぐぅ」


ヒィッ…どんな夢を見ているのでしょうか…

想像するのも恐ろしくなります。



「ユリア、ごめんね。ごめんね。お願いだから許して…」


次は泣きながら謝りだしました。


もう!本当ですよ。

あの時、私はユーリお姉様が怖くて怖くて仕方なかったんですから。


でも、お姉様のおかげで、レオ爺もユアンさんもジロウさんも助かりました。


はぁぁぁ。

ユーリお姉様は、人としてどうかと思うのですが、どうしても嫌いにはなれません。


お礼はまた今度にしようと思い、部屋の空瓶を片付けてユーリお姉様にお布団掛けます。


お願いだから早く立ち直ってくださいね。


そう呟いて部屋から出ました。



そう言えば、明日はユーリお姉様のお誕生日でしたね。

せめてものお礼にプレゼントを渡してあげようかな。


そう思い、ブランカに相談しましたが、目を見開いて固まっています。

どんなプレゼントが喜びそうか確認しても、ブランカは首を振るばかりです。

理由を聞いても、止めておけとしか言ってくれません。


ユーリお姉様は今まで皆さんに何をしてきたのでしょうか…?

聞くのも恐ろしくなります…。


仕方がないので、赤いバラの刺繍の付いたハンカチを買いました。



食堂でお渡ししようと思いましたが、ユーリお姉様は食堂には来られませんでした。


今日は部屋に手紙も着ていません。

ちょっと寂しく感じました。

部屋にプレゼントを届けにいきます。


またユーリお姉様は酒浸りになって眠っています。

せっかくのお誕生日なのに、これでは誰にも祝ってもらえないではありませんか。


「ユーリお姉様、お誕生日おめでとうございます。

いつも村民の皆の為にありがとうございます。深く感謝しています。

もう怒ってませんので、またお話できると嬉しいです。 ユリア」


私はプレゼントにお手紙を添え、ユーリお姉様の部屋を後にしました。



次の日、ユーリお姉様が私の部屋の前で立っていました。

目が合うと私に抱き付き、泣きじゃくってしまいました。

「ユリア、ごめんなさい。ごめんなさい。」


ユーリお姉様、ズルいです。

そんなに泣きながら謝られると、放っておけなくなるじゃないですか…。


私は恐る恐る、ユーリお姉様の頭を優しく撫でてしまいました。

「ユーリお姉様、もう分かりましたから、そんなに謝らないで下さい。

お手紙にも書きましたが、もう怒っていませんから。

だから、お酒ばかり飲まずに早く立ち直って下さいね。」

「ごめんなさい。ごめんなさい。」


はぁぁ…本当にダメな人ですが…

誰か1人ぐらいはユーリお姉様の側で支えてあげる人がいても良いと思います。


同じ女性とは言え、こうも真っ直ぐに感情をぶつけられ、絆されてしまったのかもしれませんが。



そう言えば、イオリ様とも関係がおありだと聞いてるので、2人になるのでしょうか?


ふふ、未来の旦那様、早く私の相談にも乗って下さいね。



イオリ 12歳


職業:寄生虫LV18

擬態職業:プリーストLV12

熟練度:

寄生虫 LV18(336.85/1800)

プリースト LV12(247.17/1200)

魔女 LV7(671.1/700)

医者 LV8(519.9/800)

諜報員 LV18(214.27/1800)

格闘家 LV9(361.22/900)

大商人 LV2(103.36/200)

魔法剣士 LV2(144.17/200)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(95/98)

   ユーリ(89/91)

   ブランカ(77/86)

   リーリア(50/71)


スキル:寄生 

・プリースト : 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

麻痺回復(小) 速さ上昇魔法(小) 

体力上昇魔法(小) 浄化魔法(小)

・魔女 : 炎・水・土魔法(小) 精神異常耐性

・医者 : 精神安定(小) 解熱(微・小)

病回復(小) 精神上昇(小)

・諜報員 : 人物鑑定(小) 職業偽装(中)

気配遮断(中) 気配察知(小) 視野拡大(小)

聴力上昇(小) 嗅覚上昇(小)

・格闘家 : 格闘術+補正(小)

HP・体力・力・速さ上昇(小)

・大商人 : 物品鑑定(小) 交渉術+補正(小)

・魔法剣士 : 炎属性付与(小)

ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+大+魔+寄)

HP 292/292(↑5+5+6+1)

MP 293/293(↑5+5+0+1)

体力 199(↑2+3+6+1)

力  176(↑2+3+6+1)

魔力 230(↑5+2+0+1)

精神 257(↑5+3+1+1)

速さ 211(↑2+4+6+1)

器用 198(↑2+4+4+1)

運  194(↑3+2+2+1)

寄生 27(↑1)


上位職寄生解放 2/50

成長促進    5/50

潜在職業覚醒  3/50

寄生距離延長  4/50(3→4)

老化遅延    18/25(17→18)

性的快楽増強  9/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0


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