第47話 イオリ 帰らされる

◆リノア視点


やられた!


おかしい。

毎日、魔物を減らしているのに襲撃が増えている。

そう思っていた矢先、アルル村が襲われた。


夏にしか活発に活動しないキラービーの大群が

この真冬に村を襲ってきた。


村の復興が都合の悪い何者かが『魔物使い』を使って村を襲ったのは明白だ。

恐らく、ユリアと縁談を破棄した子爵だろう。


ユリアはあの美貌だ。


復興支援をしたくないが為に縁談を破棄し、ユリアが村を諦めた所で領地で囲うつもりだった可能性が高い。


どちらにしても、今、私達がどうこうできる相手ではない。


やっと村をここまで持ってきたのに…

よくも…よくもやってくれたわね!


だが、実行犯は別だ。

早く対処しないと村が手遅れになる。


キラービーの退治は私とブランカで終わらせた。

それよりもこの村を包む絶望感が不味い。


「お父さんが…お父さんが…

ねぇ、お姉ちゃん!お父さんを助けて!」


目の前で父を襲われた娘がユリアに助けを求めている。


「ミミちゃん…ごめんなさい…ユージさんはもう…」

「いやぁぁぁぁぁ!…お父さん!お父さん!」

「ミミちゃん、ごめんなさい。ごめんなさい。」


父を亡くした娘を抱きしめ、ユリアは泣き崩れていた。


とてもじゃないけど、ユリアには言えないわね。

ユリアを絶望させる為だけに村が襲われた可能性が高い、だなんて。


「リーリア、3日後にはイオリ君とユーリが戻ってくるわ。

至急、村に来るように手配して。

それと被害状況の確認と見慣れない人物がいないか、早急に確認して。」

「かしこまりました。

今回のことはユリアさんには…」

「ええ、もちろん、何も言わなくていいわ。

あの子が潰れてしまうもの。」

「かしこまりました。」

「ブランカは村の周辺を警戒してちょうだい。

今回の襲撃は村を潰すつもりで襲ってきているわ。

近いうちにまた来るわよ。気をつけてね。」

「分かりました。」


最低でも2人以上の『魔物使い』がいるはず。

キラービーが50匹以上の大群だった事を考えると1人は間違いなく、中級以上の冒険者。


いつかこの借りは必ず返すからね…



「あはは…ユリアがあんなに落ち込んで…

さすがに今回は笑えないわ。」

「えぇ。それで、実行犯は分かったのかしら?」

「実行犯は3人。

『魔物使い』LVはそれぞれ21・32・48。

【職業偽装(小)】のリングを3人とも着けていたわ。

1人ずつ交代で魔物を手懐けては村を襲わせているわね。」

「分かったわ。ありがとう。

十分、こちらで対応できそうね。


ねぇ、ユーリ。

イオリ君はソロであそこはまだ厳しそう?」

「いけないことはないけど、3体以上はできれば避けて欲しいわね。」


「え?ちょっと待ってください。

僕はダンジョンには戻りませんよ?

僕にも手伝わせて下さい!」

「ふふふ、イオリ君は男の子だもんね。

ありがとう。

でも、もうこっちは大丈夫だから

ダンジョンでレベル上げをしててくれないかな?」

「そんなの嫌です!

こんな時にお役に立てないなんて。

それなら、僕が残ります!

だから…」


イオリ君。ごめんね。


「ふふふ、イオリ君のレベルで残って何をするのかしら?

足手まといなの。

もっと強くなってから言いなさい!」

「リノア先生…。」

「ねぇ、イオリ君。お願いだからさっさと行って。

1ヶ月後に無事に村まで来てくれたら、先生嬉しいわ。」

「でも!…」

「ねぇ、イオリ君。

最後まで言わないと分からないかな?」

「…分かりました。」


イオリは泣きながら、馬車に走っていく。

馬車が出発するのを見届け、リノアは心の中で語りかけた。



イオリ君。ごめんね。

納得いかないのは分かってる。

あなたは賢い子だから、何をするのか、はっきり理解してるでしょ。


私は手を汚す覚悟はできてる。

でもね。例え、犯罪者相手であっても

まだ私は…あなたに手を汚す所を見られる勇気はないの。


次に会った時、黙って抱きしめてくれると先生嬉しいな。



こうして、村を取り巻く状況は風雲急を告げる。

イオリが馬車で号泣していたのは言うまでもない。。。


イオリ 12歳


職業:寄生虫LV18

擬態職業:プリーストLV12

熟練度:

寄生虫 LV18(1067.23/1800)

プリースト LV12(611.17/1200)

魔女 LV8(122.3/800)

医者 LV8(567.78/800)

諜報員 LV19(217.71/1900)

格闘家 LV9(852.62/900)

大商人 LV2(155.86/200)

魔法剣士 LV3(44.13/300)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(95/98)

   ユーリ(89/91)

   ブランカ(77/86)

   リーリア(50/71)


スキル:寄生 

・プリースト : 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

麻痺回復(小) 速さ上昇魔法(小) 

体力上昇魔法(小) 浄化魔法(小)

・魔女 : 炎・水・土・風魔法(小) 精神異常耐性

・医者 : 精神安定(小) 解熱(微・小)

病回復(小) 精神上昇(小)

・諜報員 : 人物鑑定(小) 職業偽装(中)

気配遮断(中) 気配察知(小) 視野拡大(小)

聴力上昇(小) 嗅覚上昇(小)

・格闘家 : 格闘術+補正(小)

HP・体力・力・速さ上昇(小)

・大商人 : 物品鑑定(小) 交渉術+補正(小)

・魔法剣士 : 炎・水属性付与(小)

ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+大+魔+寄)

HP 304/304(↑3+5+4)

MP 311/311(↑8+5+5)

体力 206(↑1+3+3)

力  182(↑0+3+3)

魔力 245(↑8+2+5)

精神 268(↑5+3+3)

速さ 219(↑1+4+3)

器用 207(↑2+4+3)

運  201(↑3+2+2)

寄生 27


上位職寄生解放 2/50

成長促進    5/50

潜在職業覚醒  3/50

寄生距離延長  4/50

老化遅延    18/25

性的快楽増強  9/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0

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