第44話 ユーリ 栄枯盛衰

いつもお読み下さり、ありがとうございます。


初レビュー頂戴しました。

@07889様 ありがとうございます。



◆ユーリ視点


ユーリは歌っていた。

「この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」


この歌は昔の偉い人が、自分達の栄華を歌った物。

「この世は私の為にある。自分に欠けている物はない。」

という思いを歌に込めたものである。


クックックックックッ

あっははははは。


物事が全て思い通りに運んでいく。

もうユーリは天下を取ったつもりになっていた。。。


ユリアはもう手中に落ちたも同然。

邪魔者のリノアは黙らせた。

ついでにイオリのレベルアップも順調だ。


もはや、我が覇道を邪魔する者はいない。



ユリア育成カリキュラムは次のフェーズに移行する。

すぐにユリアの方から私に会いに来るだろう。


村民からの感謝の声を聞いて

心が揺らいでいるはずだ。


私さえ我慢すれば…村民が幸せになる。


クックックックックッ

今頃、そう思っているだろう。


これから寒くなってくる。

にも関わらず、服や毛布が全く足りていないと密偵から報告を受けていた。

子供達が寒そうにしていれば、嫌でもそれに気付き

ユリアの方からお願いしに来ることになる。


服と毛布を買ってください、と。


クックックックックッ

私に物をおねだりしたら最後、厚かましいとなじり

毎日のようにユリアを辱しめてあげる❤️



その気になれば、ユリアはいつでも落とせた。

しかし、それでは駄目なのだ。

しっかりと熟すまで待って味わいたいのだ。


分からない人も多いと思うが、このドSと言う種族は相手の精神まで犯す事を好む変態だ。

恥じらいや羞恥と言った感情が大好物と言っても過言ではないだろう。



さらに邪魔者のリノアを骨抜きにする為に、イオリへの指導も欠かさない。


言葉にしてあげないと女は不安になるの。

リノア先生に会いたかった、愛してる、ずっと一緒にいたい。

イオリにはこうやって何度も言うように伝え、練習させた。

恥じらいの感情込めて言えるようになるまで、やり直しまでさせている。。。


イオリがレベル上げで疲れていても、そんな事は考慮しない。



しかも、明日はリノアが誕生日を迎える。

プレゼントの準備は大丈夫?

一生の思い出になるようイオリ君には一緒にいてあげて欲しい、と計画も練っていた。


私は1ヶ月もイオリ君とダンジョンにいるのよ。

考えを誘導することなど、容易いものだわ。


あはははは。

馬鹿なリノアは毎日のように浮かれる筈だ。

あの鬱陶しい鼻歌を毎日聞かされると思うと吐き気はするが。

また鳥にも挨拶しかねない。

そもそも、魔法で風や炎を撒き散らして、鳥の方はいい迷惑だわ。

気付けよ、馬鹿。


クックックックックッ

リノア、もう少しだけ…幸せに浸らせてあげるわ。

来月は天国から地獄に叩き落としてあげる。

あなたが泣き崩れる様を楽しむんだもの。



明日の昼には屋敷に到着する。

これからの事を思うと、ユーリの暗い笑みが止まることは無かった。


しかし、終わりはあっさりしていた…



リノアの誕生日会が終わり、皆、部屋に戻っていく。


おかしい。ユリアが部屋に来ない。

あはは、私におねだりするのが恥ずかしくて、来れないのかしら?


仕方ないわね。私から部屋に行ってあげるか。

部屋には鍵が掛かっている。


「ユーリお姉様。

この度は色々とありがとうございました。

お陰さまで皆も喜んでおりました。

ただ…もう2人では…お会いできません。」


何を言ってるの?

村民達が寒さで困っているのよ?

早く扉を開けなさい!


「あはは、ねぇ、ユリア。

ずっと私はあなたと皆さんの事を心配していたのよ。

話くらい聞かせてもらってもいいと思うわ。」


この女は村民のことなど、これっぽっちも心配していない。

心配してるのは自分の欲望だけだ。


「失礼しました。お姉様。

リノア様が『錬金術士』のお勉強に専念できるように

リーリア様を領主代理として置いて下さったのです。」

「え?リーリアはまだ12歳よ。

そんな子に任せて大丈夫なの?」

「リーリア様は村の問題点をすぐに報告書で提出し、改善して下さいました。

私も安心して任せられます。」

「ユリア。これから寒くなるのよ?

村民の皆さんは大丈夫なの?」

「ご心配ありがとうございます。

リーリア様が全て解決して下さいました。」


おのれ、リーリア!余計なことを!


「ね、ねぇ、私にもお手伝いできることはないかしら?

み、皆さんの力に…」

「ふふ、お姉様。もう大丈夫です。

この後、ブランカ様のお部屋に行きますので、帰って頂けませんか?」


あれ…?

私が捨てられるの…??


ユーリは追い返され、あっさりと振られた…。

終わりとは突然やってくるのである。


こうして、思わぬ横槍が入り、あと一歩の所で獲物を逃した。

やりきれない。

もうユーリは酒に逃げるしかなかった…



次の日。

リノアが鼻歌を口ずさみながら、小鳥達に餌をあげている。

「ふふふ、小鳥さん達、おはよう。

昨日はイオリ君から沢山求められて大変だったの❤️

ふふふ、みんなも祝福してくれるのね。」


チッ、忌々しい。

鳥に何をノロケてるの?

馬鹿なの?ねぇ、馬鹿なの?

本当に吐き気がする。



「あら、ユーリ。おはよう。

ふふふ、イオリ君から色々聞いたわ。ありがとう。

やっぱり持つべき物は心を分かち合える親友よね。」


幸せオーラを撒き散らし、リノアが話し掛けてくる。

はぁ、誰が親友よ?

あんたのことなんか、邪魔者程度にしか思ってないわ!


「ふふふ、ねぇ、ユーリ、聞いてよ。

彼ったら会いたかった。一緒に居たいって、積極的に言ってくるの。」

「知ってる…」


私が言うように教えたのよ。

こんなことなら、言わすんじゃなかったわ!


「ふふふ、それでね、彼ったら恥ずかしそうに上目遣いで愛してるって。

あんなの反則よね。もうキュンキュンしちゃって❤️」

「知ってる…」


誰が演技指導したと思ってるのよ!

あんた好みになるまで、完璧に調整されてたでしょうが。


「ふふふ、そうそう。私に贈ってくれたリングがね。

お取り寄せの特別製らしくって。

彼ったら何て言ってくれたと思う?」

「知らんわ!」


「ふふふ、それで彼ったら…男の子が欲しいって。

私は女の子がいいって言ったら…

どっちも作ろうって」

「死ね!」


「ねぇ、リノア。

やっぱり返した夜の権利を元に戻してもらっていいかしら?」

「ふふふふふ、ダメよ。

彼が私と居たいって言うんだもの。」

「1人だけ週に4日も会って、申し訳ないと思わないの?」

「ふふふ、彼が自由に過ごせる日も来てくれるんだもの。

私にはどうしようもないわ。」

「あはは、リノア。

それはあなたが喜ぶから、私が行くように言ってあげたの。

分かるかしら?」

「ふふふふふ、あら、ユーリったら、負け惜しみかしら。

女の嫉妬は醜いわよ?」

「はぁぁぁ?

毎日毎日、鳥に話し掛けやがって。

鳥が祝福する訳ないでしょうが。

ねぇ、馬鹿なの?」

「ふふふふふ、あっはははは。

ユーリ、酒臭いわよ。

大方、ユリアに振られて、飲んだくれてたんでしょ。

ざまぁ、ないわね。」

「おまっ!ぶっ殺してやる!」



こうして…ユーリの天下は1日持たずして終わる。


また、罵り合いが始まった。


はぁぁぁぁ。

イオリはこの2人に疲れつつある。

ブランカと会いたい…。

彼は癒しをブランカに求めつつあった。。。


イオリ 12歳


職業:寄生虫LV17

擬態職業:プリーストLV11

熟練度:

寄生虫 LV17(1306.47/1700)

プリースト LV11(983.17/1100)

魔女 LV7(519.9/700)

医者 LV8(472.02/800)

諜報員 LV17(10.83/1700)

格闘家 LV8(669.82/800)

大商人 LV2(50.86/200)

魔法剣士 LV2(44.21/200)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(95/98)

   ユーリ(89/91)

   ブランカ(76/86)

   リーリア(50/71)


スキル:寄生 

・プリースト : 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

麻痺回復(小) 速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小)

・魔女 : 炎・水・土魔法(小) 精神異常耐性

・医者 : 精神安定(小) 解熱(微・小)

病回復(小) 精神上昇(小)

・諜報員 : 人物鑑定(小) 職業偽装(小・中)

気配遮断(中) 気配察知(小) 視野拡大(小)

聴力上昇(小) 嗅覚上昇(小)

・格闘家 : 格闘術+補正(小)

HP・体力・力・速さ上昇(小)

・大商人 : 物品鑑定(小) 交渉術+補正(小)

・魔法剣士 : 炎属性付与(小)

ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+大+魔+寄)

HP 275/275(↑10+2+4)

MP 282/282(↑10+2+5)

体力 187(↑6+2+3)

力  164(↑6+2+3)

魔力 223(↑4+2+5)

精神 247(↑6+2+3)

速さ 198(↑8+2+3)

器用 187(↑8+2+3)

運  186(↑4+9+2)

寄生 26


上位職寄生解放 2/50

成長促進    5/50

潜在職業覚醒  3/50

寄生距離延長  3/50

老化遅延    17/25

性的快楽増強  9/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0


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