第42話 ユーリ リノアを黙らせる

ちょっと生々しかったので修正しました…

申し訳ございません。




◆リノア視点


ブランカから相談があった。

両親に通学免除の件で難色を示されたというのだ。


「ふふふ、ブランカ。こう言えばいいのよ。

アルル村が魔物に襲われて大変な状況にある。

学校に行ってる場合じゃない。

私の力で困っている人々を助けたいって。」


嘘は言ってない。

若干、脚色してはいるが本当のことだ。


「なるほど…勉強になります。」

「ふふふ、そう言ったら、何も学生のブランカが行く必要は無いって言われるわ。

そしたら、こう言うの…」

「ありがとうございます。

さすがリノアさん。本当に頼りになります。」

「ふふふ、家族が困っているんだもの。

気にしないで、当然のことよ。」


ふふふふふ、えらいわ。ブランカ。

やっとやる気になったかしら。

3人目として、自覚を持ってもらわないと。


リノアはブランカからの信頼を得ていく。

リノアとて、ブランカが覚悟を見せてくれれば、可愛い後輩なのだ。

こうして、両親から休学の許可をもらい、中級ダンジョンにリノアと共に通い出す。


急激な成長はイオリだけではない。

ブランカも成長を早めていくことになる。



◆ユーリ視点


先月、ダンジョン出発前にユリアを一目見た時から決めていた。

あの子は私が育てる。

『錬金術士』としても、私の女としても…。


イオリ君とダンジョンにいる時から

彼には伝えていた。


「自由になる夜の日を使ってでも

リノアにたっぷり甘えるように…

そうすればリノアが喜ぶ。

リノアが喜べば私も嬉しいわ。」


正確には私もユリアの教育に専念でき、別の意味で嬉しい。だけど。


決して、ユーリはイオリに飽きた訳ではない。

この女はイオリとユリアの2本立てで楽しみたいだけだ。。。

そして、自分の色に染める前にイオリの色が入るのが気に入らない。


イオリは今回の探索で短期目標の【鑑定偽装(中)】を覚えたが

しばらくここでのレベル上げは続く。


私の欲望を満たしたい!

【鑑定偽装(中)】よりもユリアのことで頭がいっぱいになっていた。


魔霧の渓谷2回目への出発から1ヶ月後。

イオリとユーリが帰る日。


家事手伝い 兼 錬金術士見習いとして紹介されたユリアとイオリ。

2人の出会いはお互いに好印象を抱いたように見える。

少なくともイオリはその美しさに見惚れ、ユリアは将来の旦那様として希望を抱いていた。


チッ、お互い気に入ったみたいね。

このまま2人に関係を持たせようとリノアは考えているだろう。


そうはさせない!


「婚約者のリノアこそがイオリ君と夜を過ごすのに相応しいと思うわ。

イオリ君には自由に過ごせる日もリノアの所に行くように伝えてあるの。

子作りのことも考えていかないといけないし

たっぷりと愛し合ってね。」


あのユーリが急に何を?

ブランカもまさかの事態に目を見開いている。


ユーリはほくそ笑んでいた。

あはは、イオリがユリアと過ごす予定だった日程をリノアにあてがっただけよ。

まだユリアに手を出させないわ。

あの子は私の物なの。



リノアにとっては都合の良い提案。

首を傾げながらも喜んで受け入れていた。



夜になり、イオリとリノアがお互いに夢中になっている頃…


「あら、そんなに拒絶しなくてもいいじゃない。」

「やめてください。ユーリ様。

私にはイオリ様という婚約者がいます。

しかも、女同士でなんて…」


ユーリは早くもユリアに迫っていた。

拒絶されるのも予定通り。

ユーリはユリアの反応を楽しんでいた。


あはははは、もう既に私の息が掛かった者が2週間も前から情報収集を始めている。

ねぇ、ユリア。あなたがどれだけ拒んでも、もう私の物になるしかないの。


「あはは。ねぇ、アルル村のユアンさん知ってるわよね?」

「はい、もちろん知っています。それが何か?」

「今日、畑を見に行った帰りに、魔物に襲われて大怪我をしたらしいわ。

早く上級ポーションを届けてあげないと、足がダメになってしまうかもしれないの。

あなたは知ってたかしら?」

「えっ、ユアンさんが!?どうしてそれを?」


あはは、早くも揺さぶられて。

そうよね。あなたの大切な村人だもの。


「あはは、ユリアの大事な村だもの。

安心してユリアが過ごせるように

ちゃんと情報が入ってくるようにしてあるわ。」

「そんな…ユアンさんが…」

「ねぇ、ここに上級ポーションがあるの。

私と2人の時はユーリお姉様って呼ぶって約束できるなら

この子にポーションをすぐに持っていかせてもいいのよ?」


窓際に待機していた輸送鳥の足元の箱に上級ポーションを入れる。


「なっ。ユアンさんを何だと思って!」

「あら、親切に教えてあげただけなのに、えらい言われようね。

あはは、私は傷付いたわ。」

「ぐっ…ユーリ様、申し訳ありません。

上級ポーションをユアンさんの為に運んで頂けませんか?」


「ねぇ、ユリア。

2人の時は何て呼ぶのかしら?」

「はい、ユーリお姉様…。

どうかユアンさんにポーションをお届け下さい。」

「あはは、えらいわ。ユリア。

2人の時だけでいいの。ちゃんと呼ぶのよ?」

「はい。ユーリお姉様…。」


魔物にアルル村まで飛ぶように指示を出す。

これで上級ポーションは届くはずだ。


「あはは、素直な子は大好きよ。

ねぇ、ユリア。

今日は2人の時はユーリお姉様って、それだけしっかり覚えてくれたらいいの。」

「はい…ユーリお姉様…。」


「ユリア、どうしたの?

そんな泣きそうな顔して。」

「いえ、何でもありません。」

「あはは、さぁ、こちらにいらっしゃい。

泣きそうなユリアを抱きしめてあげたいの。」

「ヒィッ…ユーリお姉様、大丈夫です。」


あはは、そんなに怯えちゃって。

でも…逃がさないわよ。


「あら…せっかく人が慰めてあげようと思ったのに。

お姉様はとっても悲しいわ。


そう言えば、忘れてたわ。

怪我をしたのはユアンさんだけじゃないの。

ジロウさんも腕を骨折したみたいよ。」

「えっ!?」

「あはは、ここに中級ポーションがあるけど

『錬金術士』なら作れるし、必要ないわね。」

「いえ…まだ…作れません。」

「あら、残念だわ。

ユリアには私の好意は必要ないみたいだもの。」

「あの…ユーリお姉様。

中級ポーションをジロウさんに頂いても…よろしいでしょうか?」

「ユリア。どうしないといけないか。

あなたなら分かるわよね?」


ユリアが震えながら、私に抱きしめられにくる。

あはは、可愛い❤️


ユリアの耳元に息を吹き掛け、ゆっくりと囁く。

「ヒィッ…。」

「えらいわ。ユリア。

次からもちゃんとできるかしら?」

「はい…ユーリお姉様。」


あはははは。

あなたが抗えば抗う程、村に帰った時に苦しむことになるのよ?

一緒に村に行けなくて残念だわ。


「また、誰か怪我をするかもしれないもの。

明日からちゃんと『錬金術』をお勉強しましょうね。」

「はい…ユーリお姉様。」



翌朝。

幸せの余り、リノアは鼻歌を口ずさんでいた。

「ふふふ、今日も良い天気ね。

小鳥さん達、おはよう。」


普段はしない小鳥達への挨拶…。

人は気分が良いとこうも変わる。。。


あはははは、鳥に挨拶までして馬鹿なの?

ユリアを私に捧げて、自分は幸せそうね。

ユリアの教育が終わるまで、つかの間の幸せに浸っていればいいわ。



「ユーリお姉様。私のお部屋に真っ白な下着が…」


食堂でユリアが無意識に口走ってしまった言葉をリノアに聞かれてしまう。


チッ、リノアに聞かれたか。

あはは、まぁ、いいか。

もうユリアは私に捧げられてるんだから。


「あはは、ユリア。

ユーリお姉様と呼ぶのは2人の時だけで良いって言ったのに。

その様子だと気に入ってくれたのかしら?」

「そんなことありません!

言い間違えてしまっただけです。」


ユリアは反論し、顔を真っ赤にして走っていく。


「あはは、リノア、昨日はイオリ君とお楽しみだったみたいね。

朝から鼻歌なんか歌っちゃって。」

「ふふふ、ありがとう。ユーリ。

夢みたいに幸せな時間を過ごしたわ。


それよりも…ユーリ、さっきのお姉様って?」

「あはは、さぁ、よく分からないわ。

私の方が年上だから、そう呼んだだけじゃないかしら?」


白々しく嘘をつく。

まぁ、突っ込んできた所で、幸せに浸ってるリノア相手なら、どうにでもなるんだけど。


「あんな真っ赤な顔して走っていったじゃない。」

「あはは、ねぇ、リノア。

あなたは彼と幸せに過ごせばいいの。」

「え?…」

「ねぇ、リノア。

あなたは何も知らないのよ。

彼との権利も返さなくてよかったのかしら。」

「………。」

「ねぇ、彼はダンジョンでリノア先生と一緒に居たいって何度も言ってたわ。」

「イオリ君…。」

「あはは、あなたは何も知らない。

あなたの為だけじゃない。彼も望んでることよ。」


あはは、ほらね。もう揺らいじゃって。

イオリ君との幸せに浸っているあなたじゃ、私には勝てないわ。

トドメを差してあげようかしら。


「あはは、彼に集中しないなら、また取り上げるわよ?」

「ぁ…ぁぁ…」

「あはは、それにね。

ユリアのことも、村人のみんなのことも、私がちゃんと考えてるわ。

だから、安心して。」

「信じても…信じてもいいのね?」

「えぇ、私に任せておいて。」


唯一、守ってくれる可能性のあったリノアもユーリの手に落ちた。

こうして、ユリアの苦悩の日々が始まろうとしていた。

村人を盾に取られれば、ユリアに抗う術は無いに等しい…


イオリ 12歳


職業:寄生虫LV17

擬態職業:プリーストLV11

熟練度:

寄生虫 LV17(105.27/1700)

プリースト LV11(619.17/1100)

魔女 LV7(20.68/600)

医者 LV8(472.02/800)

諜報員 LV15(1207.39/1500)

格闘家 LV8(179.12/800)

大商人 LV1(98.36/100)

魔法剣士 LV1(45.23/100)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(95/98)

   ユーリ(89/91)

   ブランカ(76/86)

   リーリア(49/71)


スキル:寄生 

・プリースト : 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

麻痺回復(小) 速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小)

・魔女 : 炎・水・土魔法(小) 精神異常耐性

・医者 : 精神安定(小) 解熱(微・小)

病回復(小) 精神上昇(小)

・諜報員 : 人物鑑定(小) 職業偽装(小・中)

気配遮断(小) 気配察知(小) 視野拡大(小)

聴力上昇(小) 嗅覚上昇(小)

・格闘家 : 格闘術+補正(小)

HP・体力・力・速さ上昇(小)

・大商人 : 物品鑑定(小) 交渉術+補正(小)

・魔法剣士 : 炎属性付与(小)

ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+大+魔+寄)

HP 259/259(↑5+3+8+1)

MP 265/265(↑5+8+0+1)

体力 176(↑3+1+6+1)

力  153(↑3+0+6+1)

魔力 212(↑2+8+0+1)

精神 236(↑3+5+1+1)

速さ 187(↑4+1+6+1)

器用 174(↑4+2+4+1)

運  171(↑2+3+2+1)

寄生 26(↑1)


上位職寄生解放 2/50

成長促進    5/50(4→5)

潜在職業覚醒  3/50

寄生距離延長  3/50(2→3)

老化遅延    17/25

性的快楽増強  9/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0


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