第32話 ブランカの怒り

◆イオリ視点


ブランカがホブゴブリンのマウントを取って、殴り続けている。。。

いや、そんなに殴らなくても大丈夫だから…ね。


第2の犠牲者はオーク君だ。

ねぇ、可哀想だから、そろそろやめてあげようよ。。。


今日から魔石を集め始めた事が気に入らないのか

ブランカの機嫌がすこぶる悪い。。。

オーバーキルが目立つのだ。


「ふぅぅぅぅ。あの子。リーリアって言ったっけ?

魔石もあの子の為なんでしょう?」

「その…リノア先生に協力してあげるようにって…」

「誰も協力しないとは言ってないでしょ。

ただ、これ以上目に余るようなら

きっちりしめて…お話ししておかないと。」


しめてって…言いましたよね?

「リーリアはただの『大商人』だから

殴っちゃ駄目だからね?」

「その分、イオリを殴るから大丈夫。」

「えっ!?」


それはそれで理不尽というか…。

いや、理不尽でしかない。。。

「さすがにそれは…」

「なら、イオリからきっちり話をすればいいじゃない。

私にして欲しいの?」

「いえ、僕に…やらせて下さいませ。。。」



翌日、リーリアがマジックポーションを届けにやってきた。

魔石もトラブルにならないうちに、さっさと渡してしまいたい。

「リア、今日もありがとう。

昨日、言ってた魔石、先に渡しておくね。」

「早っ。もうこんなに取ってきてくれたん?

良い男は仕事も早いっていうけど。

イオリく~ん、大好き。」


そう言って、腕に抱き付いてくる。

コラ、ブランカが見てるから抱き付くな。

昨日、金ヅル言うてたやんけ!


「…。大好き?」

リーリアの言葉に反応し、ブランカの顔が早くも怒りの形相へと変わっていく。

あわあわあわあわ。

ちょっ!リア、これ以上はお互いの身の安全の為にも…


「全然大丈夫だよ。

だから、リア、ちょっと離れて。

それじゃ、今日はそろそろ…」

俺は腕を振り払い、リアから離れる。


「今日のイオリ、浮気のバレた旦那みたいによそよそしいやん?」

リアが悲しそうに俺を見てくる。


「……。浮気のバレた旦那?」

げっ!例えが悪いから!

ねぇ、リア。

他にいくらでも言い回しはあったよね?ね?


リアに小声で早口でまくし立てる。

「ちょっ!リア。紛らわしい発言はやめて!

後ろでブランカが怒ってるから。」

「あぁ…そういうこと。

しかし、イオリも何人手を出してんのよ?

貸し1つだからね。」


貸し1つって。。。

誰のせいでこうなってると思っとるのかね…?


「初めまして、ブランカさん。

昨日からお世話になってるリーリアと申します。」

「うちのイオリがえらいお世話してるみたいね。」

「魔石の件でしたら、非常に助かっております。

ただ、イオリ君から相談を受けたのが元々の始まりでして。」

「相談?」

俺の方を見てきたので、勢いよく頷いておく。

記憶にも無い話だが、リアに乗っかった方が無事に終わりそうだ。。。


「はい、ブランカさんやリノアさんに少しでも恩返ししたいって。」

「その話と魔石に何の関係があるの?」

「えぇ、イオリ君はお金が無いって言ってました。

そこで、魔石と交換条件で協力すると言うことになりました。

こちらは詰まらない物ですが、ブランカさんへのお近づきの印に。」

「これ、王都で人気のパティシエの…」

「さすがブランカさん、よくご存知で。」

「ありがとう。学校で噂になってたの。」

「こんなものでよろしければ、またお持ちしますわ。

次はあそこのお菓子が」

「あぁ、ちょっと前に噂になってた。」

「えぇ、とっても美味しくて」


何とかブランカの怒りも収まってきた。

ナイス、リア!

10分後、打ち解けてきたのか、2人の話はまだ続いている。。。


「あら、ブランカさん、とってもキレイな手をされてますね。」

「そんなことない。

私はほら『格闘家』だし、手がゴツゴツしているから。」

「あらあら、ご謙遜を。

イオリ君がブランカさんの髪色に合わせた真っ赤なルビーの付いたリングを贈りたいって。

私もその気持ちがよ~く分かりますわ。」

「えっ、イオリがそんなことを?」

「えぇ、とっても愛されておいでですね。

羨ましいですわ。」

「もう…イオリったら…」

「はい、早く魔石を集めて、真っ先にプレゼントするんだって言ってましたよ。

あっ、これは内緒だって言われてたので聞かなかった事にしてもらってもよろしいですか?」


いや、聞こえてるから。。。

しかし、まぁ、ベラベラとありもしないことを…


「うん、分かった。

聞かなかった事にしとく。

そろそろ、学校に行かないと。

リーリア、またね。」

「はい、ブランカさん、いってらっしゃいませ。」

そう言ってブランカに手を振っている。



「ふぅぅぅぅ、話聞いとったやろ?

リング、うちで予約いれとくから。

またカタログ持っていくわ。

あと、さっき渡したお菓子は今回はサービスしとくわ。

次のは魔石分から引いとくから。」

「なっ…元々はリアのせいで…」

「ブランカさん、うっとりしてたやろ?

やっぱり嘘でした。って言うんか?

ブランカさん、ガッカリするやろなぁ。」

「ぐっ…」


こうして、リングの予約と共に

ブランカの魔石集めへの協力は取り付けられた。。。



その日の放課後。

「イオリ、そこの魔石取り忘れてるわよ。」

「え…?」

「だから、そこの魔石見落としてるわよ。」


一瞬、自分の耳を疑った。

昨日まであれだけ嫌がってたのに。

おい!チョロ過ぎるだろ!

ブランカは誰よりも魔石集めを率先して行っていた。。。




そして、2ヶ月後、イオリは12歳になる。

レベルが上がり、寄生人数も増えたことにより

無事、リーリアへと寄生することができた。


イオリ 12歳


職業:寄生虫LV15

擬態職業:プリーストLV9

熟練度:

寄生虫 LV15(6.68/1500)

プリースト LV9(853.28/900)

魔女 LV5(457.53/500)

医者 LV7(587.8/700)

諜報員 LV11(231.96/1100)

格闘家 LV5(381.40/500)

大商人 LV0(0/50)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(93/98)

   ユーリ(86/91)

   ブランカ(74/86)

   リーリア(32/71)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 土魔法(小) 精神異常耐性

精神安定(小) 解熱(微・小) 病回復(小)

人物鑑定(小) 職業偽装(小) 気配遮断(小) 

気配察知(小) 視野拡大(小) 格闘術+補正(小)

力上昇(小) 体力上昇(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 193/193(↑10+6+1)

MP 204/204(↑10+0+1)

体力 131(↑6+6+1)

力  112(↑6+6+1)

魔力 164(↑4+0+1)

精神 186(↑6+1+1)

速さ 138(↑8+6+1)

器用 128(↑8+4+1)

運  129(↑4+2+1)

寄生 24(↑1)


上位職寄生解放 2/50

成長促進    4/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    16/25(15→16)

性的快楽増強  9/25(8→9)

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0

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