第31話 ブランカの嫉妬

◆リーリア視点


昨日、良い出会いがあったおかげで

何とかしばらくはノルマ達成への目処がたった。


うちの家はダンジョン都市ボルドーで2店舗を構える商会だ。

12歳から毎月10万。

13歳から毎月20万。

14歳から毎月30万。

15歳から毎月40万

16歳から毎月50万

のノルマを課され、その金額を納めることができなければ、跡継ぎ争いから外され

学校卒業と共に家を追い出されることになる。

もちろん、犯罪に手を出せば、その時点でアウト。

達成できなくても、過程や発想が良ければ認めてもらえることもある。


再来月から始まるノルマを前に私は頭を痛めていた。

何のツテも無い私ができることなんて、高々知れている。

ダンジョンで稼ぐか、ダンジョンの近くでポーション等を販売するか…

そう思っていた矢先に、昨日の話だ。

中級マジックポーションは49,500Gで売っても1日の儲けは3,000G。

1月の利益は90,000Gにもなる。


これだけで来年1年のノルマの9割は達成。

神様!仏様!イオリ様!だ。

確実に押さえておかないといけないのはイオリよりもリノア奥様な訳だけど。


まだノルマを課される訳ではないが

今日から配達を初め、貯金を増やしておくに越したことはない。


ほほう、朝から格闘術の訓練なんかしてるんだ。

イオリは『プリースト』だって言ってたけど、同い年の前衛職なんか足元にも及ばないような動きで相手を翻弄している。

相手のお姉さんも年齢の割にかなりの動きだと思うけど寄せ付けない。


訓練が終わったようだ。

イオリがマジックポーションを受け取りに来た。


「リア、早速、配達してくれてありがとう。」

「こちらこそ、かなり助かってるからね。

ホント、再来月から始まるノルマがかなりキツくって、どうしようもない訳よ。」

「僕にできることなら、協力してあげたいんだけど、お金は持ってないからなぁ…。」

「ねぇ、さっきの訓練見てたけど、イオリはかなりの腕前だったね。

ダンジョンにでも潜ってるの?」

「うん、普段はソロか、さっきのブランカと一緒にダンジョンに入ってるよ。」

「素材とかはどうしてるの?

ギルドと同じ値段ぐらいなら、物によっては買い取りたいんだけど?」

「素材は取ったこと無いから分からないかな。

素材を取る時間があるなら、1匹でも多く魔物を倒せって…」


なんて勿体無い!イオリは金のなる木だ。

この学校卒業までの5年間、ノルマ達成を握る鍵となる。

私は興奮して、イオリに抱き付きお願いした。


「イオリ!いや、イオリ様!お願い!

荷物にならない魔石だけでもいいから、私のために取ってきて!

もちろん、ちゃんと買い取るから!

なぁ、親友やろ?

さっき協力するって。一生のお願いっ!」

「分かった。分かったから。

剥ぎ取りとかは時間が掛かるし、荷物になるからやらないからね。」

「しばらくは魔石だけで十分。

持つべき物はイオリのような金ヅル…ちゃう友達やでほんまに。」

「金ヅル…。」


◆イオリ視点


リアとの親密度は問題なく上げていけそうだ。

ノルマがよほど厳しいんだろう。

金ヅル扱いされたのは気になるが。。。


まぁ、魔石を取るだけなら、大した時間も取らない。

これも親密度の為と思って頑張ろう。



「ねぇ、イオリくん。ちょっといいかしら?」


怖い顔したブランカが声を掛けてきた。


「うん、ブランカどうした?」

「さっき、女の子から抱き付かれてお願いされて

それはそれは楽しそうだったけど。

どういうことか説明してくれる?

まさか4人目に手を出すつもりじゃないわよね?」

「ヒィッ」


ブランカの鬼の形相に俺は何度も首を横に振る。

「滅相もございません。そんなつもりは毛頭ございません。

リアは商人で苦労していて協力を…」

「へぇぇぇ、もう呼び捨てる仲なんだ。」

「いや、そう呼んでって言われて…」


ブランカの嫉妬が尋常じゃない。

脂汗がダラダラ流れてくる。。。


「まぁ、手を出さないなら、それでいいんだけど。

手を出したらサラさんに報告して、一緒にちょん切るから。」

「ヒィッ」

「返事は?」

「はいっ!」

「ムカつくから1発殴らしてもらえるかしら?」

「えっ!?」


そう言ってブランカが殴り掛かってくる。


ちょ!まっ!えっ、1発って言ってたやん。

5発の突きとトドメの蹴りでなんとか勘弁してもらえた。。。


「ギャァァァァァァァ!」

「ふぅぅぅぅ、すっきりした。

次からは紛らわしい行為も許さないからね?」

「ゲホッ…ゲホッ…はい…」

なんでこんな目に…もう泣いちゃう。。。


「声が小さいっ!」

「はいっ!」

「分かってくれたみたいで嬉しいわ。

じゃ、放課後ダンジョン前で会いましょう。」

「はい!」


ブランカを90度のお辞儀でお見送りする…。

まさか、ここまで狂暴とは。。。


振り返ると…

リノア先生とユーリが腹を抱えて笑っていた。

助けて…助けて欲しかったよぉ。。。



イオリ 11歳


職業:寄生虫LV14

擬態職業:プリーストLV9

熟練度:

寄生虫 LV14(96.22/1400)

プリースト LV9(204.78/900)

魔女 LV5(259.08/500)

医者 LV7(235.7/700)

諜報員 LV9(860.33/900)

格闘家 LV4(191.36/400)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(93/98)

   ユーリ(86/91)

   ブランカ(72/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 土魔法(小) 精神異常耐性

精神安定(小) 解熱(微・小) 病回復(小)

人物鑑定(小) 職業偽装(小) 気配遮断(小) 

気配察知(小) 格闘術+補正(小) 力上昇(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 176/176

MP 193/193

体力 118

力  99

魔力 159

精神 178

速さ 123

器用 115

運  122

寄生 23


上位職寄生解放 2/50

成長促進    4/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    15/25

性的快楽増強  8/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0

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