第30話 4人目はリーリア

◆イオリ視点


上位職寄生解放 2/50

成長促進    4/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    15/25

性的快楽増強  8/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0


隠れパラメータを写した紙を見て、リノア先生が深いため息を吐いている。

「はぁぁぁぁぁ。」

「先生どうしました?」

「ふふふ、レベルが上がる度に【老化遅延】に割り振りがないか、今度こそって願ってるのに。

全然割り振られないからどうしてかなって。」


隠れパラメータはレベルが上がった際

好きに選んで割り振れるポイントと

パーティーが取った行動で自動で割り振られるポイントの2つがある。

リノア先生が言いたいのは、後者の取った行動で割り振られるポイントのことを言いたいのだろう。


「このペースでいくとね。

【老化遅延】が最大になるのは早くて再来年。

ユーリの元からイオリ君との夜の権利を取り戻すのに

さらに3年は掛かっちゃうの。

どうしてこんなに【性的快楽増強】ばかり上がるのかしら?」


悲しそうな目で俺を見てくる。


いやいやいやいや、先生が欲望の化身であるユーリに俺を差し出したからだと言いたい。

もちろん口が割けても言えないが…

ユーリは週3日も過ごす事になっても、その性的攻勢はとどまることを知らない。

リノアやブランカにはとても言えないようなことまで行われていた。。。


「………。」


リノア先生はとてもキレイだから大丈夫ですよと言いそうになってやめた。

先生が気にしているのは俺との年齢差だからだ。

「先生、ブランカともっと熟練度を稼げるように頑張ります。

来年には最大にできるように努力しますから。」



ブランカが学校の時間は1人で初級ダンジョン11階層まで転移し熟練度を稼ぐようになった。

ブランカには職業が多数あることをまだ言っていない為、1人の方が色々試せて楽な側面もある。

それに『諜報員』の熟練度を本気で上げるには、ブランカがいると上げにくいのだ。


スライムすら倒せなかったのに、今や1人で13階層だもんな。

見通しの悪い森林エリアでオークとホブゴブリンを狩り続ける。

奴らは鼻だけは良い。

それを逆手に取って、タレをたっぷり付けて肉を焼き、それを奴らの手の届かない枝に複数設置すれば終わり。

寄ってきた所を【気配遮断(小)】と【気配察知(小)】を駆使し、少数やはぐれて単体でいる魔物を死角から急所を狙って倒す。

多くても3体まで、1体倒してしまえば残りは2体。後はどうとでもなる。


4体以上の数は相手にせず、安全マージンをしっかり取り、淡々と倒すだけの簡単なお仕事だ。

魔物が警戒し固まり始めたら、別の狩り場に移動し、同じことを繰り返す。


本当はアンデッド系の魔物が出る15階層でソロをした方が熟練度だけなら稼げるが、どうしても浄化魔法を使う都合上、『プリースト』に熟練度が入りやすい。

ユーリから早く『諜報員』のレベルを上げるよう急かされており、『プリースト』のレベルを上げる時間はない。


リノア先生が願うなら、何とかして『寄生虫』のレベルを早く上げてあげたい。


しかし、今の生活を続ける以上、リノア先生とユーリが稼ぐ熟練度はもう限界だ。

むしろ、良くやってくれている。

『寄生虫』の熟練度は寄生した熟練度でしか上がらず、ソロでいくら稼いでもポイントは増えない。

そうなると、まだまだ伸びるブランカを育てていくしかない。

しかし、ブランカもこれ以上は時間の捻出が難しい。


当面は今の生活を続けるしかないか…。

ごめんなさい、リノア先生。

結局、いつもの結論にたどり着く。


後は次に寄生人数が増えた時にどうするか…だ。



今日は学校の通学免除試験を受けに来ている。


この国の学校は基本義務教育だが

その学年毎の勉強やそれぞれの職業に応じた能力があると見なされれば、通学を免除してもらえる。


当然、俺も学校に通うつもりはない。

今さら、子供達に混じって、読み書きなんか習う時間はない。


1年生においては職業に目覚め、読み書き・計算ができれば問題なく通学免除となる為

今日は免除申請とその試験を受けに学校に来ている。


「え~と、あなた。

私はリーリア、職業は『大商人』よ。

名前を教えてもらってもいいかな?」


俺と同じく、通学免除の試験を受けに来たのだろうか?

同い年ぐらいの女の子から急に声を掛けられた。


「僕はイオリ、『プリースト』です。」

「ふ~ん、イオリ君か、突然ごめんね。

実は『大商人』のスキルにね。

この人との付き合いは良かれ悪かれ長くなる可能性が高いって教えてくれるスキルがあってね。

あなたがそれに反応してるって訳。」

「へぇぇぇぇ、面白そうなスキルですね。」

「私も実際に話し掛けるのはあなたが初めてよ。

私のことはリアって呼んで、私もイオリって呼ぶわ。」

「分かった。リア、よろしくね。」

「私の家は商売をしてるから、スキルが発動する人も商売に関わりそうな人が多いんだけど、なんでイオリなんだろ。

ご家族はどんなお仕事をされてるの?」


家族の話が終わり、どこに住んでいるか、婚約者の話を始めた途端、リアが凄い勢いで食い付いてくる。


「イオリ、試験が終わったら家に挨拶に行かしてくれへん?

なぁ、親友の顔を立てると思ってお願い!」


友達になった覚えすらないが…。

家に案内する程度ならと思い、通学免除の試験が終わった後に約束する。


リーリアも俺も無事、通学免除が認められ、屋敷に案内した。

「はぁぁ、イオリはこんなところに住んでるんだ。

うちよりよっぽどお金持ってるわ。」

「言っとくけど、僕はお金持ってないからね。」

「イオリが持ってなくても商人として、金の匂いがプンプンするの。

毎月の家からのノルマがキツかったんや。

このチャンスは逃さへんわ。」


この歳でノルマとかあるのか…

そりゃ、必死になって頼み込んでくる訳だ。


「あら、イオリ君のお友達かしら?

誰か連れてくるなんてブランカ以来かしら。」

「これはこれは。

こんなおキレイな方がイオリ君のご婚約者様だとは夢にも思いませんでした。

初めまして、イオリ君とお友達になった『大商人』のリーリアと申します。

何かご入り用の物があれば、是非、私にお声を掛けて下さい!」

「ふふふふふ、おキレイだなんて。ありがとう。

ふふ、リーリアは『大商人』なのね。

丁度良かったわ。

ねぇ、毎日マジックポーションが1本欲しいんだけど、いくらになるかしら?」

「私の裁量でお安くできるのは49,500Gまで。

後は父に確認してみないことには…。」

「えぇ、それでいいわ。リーリア。

今後もお願いできることがあれば、先にリーリアに話をするわ。

その代わりと言ってはなんだけど、お願いがあるの。

イオリ君と仲良くしてあげてくれない?

決して損はさせないわ。

しばらくは中級マジックポーションを朝8時にここへ届けてくれればいいの。」

「そんなことでしたら、喜んでお引き受け致します。

奥様、今後とも御贔屓の程、よろしくお願い致します。」

「ふふふ、奥様だなんて。

えぇ、リーリア、早速明日からお願いね。」

「はい、奥様!」


奥様と言われて、先生の機嫌が明らかに良い。

さすがは『大商人』と言うべきか。。。



「ふふふふふ、イオリ君、早くも次の寄生相手が見つかって良かったわ。」

「えっ!?まさか、リアですか?

先生、これ以上、女性関係を増やす気はありませんよ?」

「ふふふ、先生も寄生相手全てと恋愛関係を持つ必要は無いと思うわ。

中級職『大商人』。面白いスキルを沢山覚えるの。

それにお金を稼ぐことで熟練度を増やしていく特殊な職業よ。

今のうちに仲良くなっておきましょうね。」


こうして、4人目の寄生相手が見つかる。

明日からは俺にできる範囲でリアをいかに儲けさせ、親密度と熟練度を上げるか。

寄生できるようになった時に、すぐに一定の熟練度が入ってくるよう準備を進めていくことになる。


イオリ 11歳


職業:寄生虫LV14

擬態職業:プリーストLV9

熟練度:

寄生虫 LV14(96.22/1400)

プリースト LV9(204.78/900)

魔女 LV5(259.08/500)

医者 LV7(235.7/700)

諜報員 LV9(860.33/900)

格闘家 LV4(191.36/400)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(93/98)

   ユーリ(86/91)

   ブランカ(72/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 土魔法(小) 精神異常耐性

精神安定(小) 解熱(微・小) 病回復(小)

人物鑑定(小) 職業偽装(小) 気配遮断(小) 

気配察知(小) 格闘術+補正(小) 力上昇(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 176/176

MP 193/193

体力 118

力  99

魔力 159

精神 178

速さ 123

器用 115

運  122

寄生 23


上位職寄生解放 2/50

成長促進    4/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    15/25

性的快楽増強  8/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

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