第29話 ブランカと初めての…

◆ブランカ視点


イオリと付き合い始めて、半年が経過。


最近、ブランカは上の空になっていることが多い。

原因はもちろんイオリである。


3歳年下の彼がどんどん強くなっていく。

遂に最近では稽古でも勝てなくなった。


私は強くなりたくて意地になった。

毎日、彼と朝に稽古。学校が終われば、すぐにダンジョン。

休みの日は週2日1日中ダンジョンで熟練度を上げている。

長期休暇もダンジョンに通い続けた。


10階のボスを倒してから、11階まで転移できるようになり成長が加速度的に増した。

気が付けば、学校と夜以外はずっと彼と熟練度を上げている。


出席しなくても問題無さそうな日は

学校を休んでダンジョンに行く事もある。


リノアさんとユーリさんが私達を支援してくれているのも大きい。

高価な装備品や回復薬、魔道具、緊急脱出用の転移石等、私達が成長する為なら、惜しみ無くお金を投資してくれる。

しかも、ドロップ品や魔物の解体など一切必要無い。

成長する事だけに時間を掛けるように推奨してくれる。


何故ここまでしてくれるのですか?

私はもう3人目の嫁で家族同然だからと言ってくれる。

家族に投資するのは当たり前なんだと。



そうした努力と環境もあり、私は『格闘家』LV15まで急成長した。

この歳で中級職のLV15は

貴族や上流階級の英才教育を受けている一部の層を除き、頭1つ抜けていると言っていい。


それでも彼に勝つどころか、その差は開いていく。

昨日、ダンジョンで彼の兄タイシとその仲間4人、計5人掛かりで私と彼に襲い掛かってきた。


5人対2人である。

本来なら勝負にならない。

それなのに彼は私を庇い、傷付きながらも、彼らに勝ってしまったのだ。

あのはにかんだ笑顔で、私の無事を確認し、魔法で傷を癒してくれた。


格好良すぎる…。

これがトドメになった。


彼と最後の一線を越えたい。


そう思ってしまった。

心も身体も彼を求めている。


私と彼にはまだ夜の関係は無い。

良い雰囲気になったらソフトなキスをしたり、週に1度、手を繋いで一緒に寝る程度だ。


私の心の準備ができるまで

最後までするのは待って欲しい

とお願いしたからだ。


彼は嫌な顔1つせず、焦らず、ゆっくり私を待ってくれている。

あのお二人とは随分お盛んみたいだけど…。


私から言い出さないとこの先へは進めない。

でも、自分から彼を求めるのは恥ずかしい。


今日は週に1度の私が夜を過ごす日だ。

今日は私が頑張るんだ。

彼との関係を進める為に。


◆イオリ視点


「ふふふふふ、ねぇ、イオリ君。

今日、ブランカを何も言わずに抱いてあげなさい。」


ぶっっっ、食べていたご飯を吐き出してしまった。

突拍子もなく、この人は何を言い出すんだ。


「あはははは、汚ないわよ。イオリ君。

でも、私もリノアに同意かな。

ブランカ、女の顔をしてたわよ。」

「えっ…でも、その、ブランカの心の準備が終わるまでは…約束が…。」

「ふふふ、昨日、お兄さん達を撃退したって言ってたでしょ。

それで完全に落ちたんだと思うわ。

もう心の準備が終わって待ってるの。

こういう時は男が察して導いてあげるのが、いい男の条件だと思うわ。」

「あははは、ねぇ、イオリ君。

プレゼントも買ってあげよう。

指輪が一番なんだけど時間がないわ。

やっぱり身に付けられる物かなぁ。」

「ふふふ、彼に貰ったネックレスを肌身離さず、付ける的な、あれね。

キャァァァ、先生がときめいちゃった❤️」

「…………。」

「あははは、そうと決まれば急がないと。

早くご飯食べないとお店が閉まっちゃうわ。」


俺の意思に関係なく話が進んでいく。


「えっ!?

突然、そんなこと言われても僕にも心の準備が…」

「ふふふ、はいはい。

こういう時はすぐに決断しないと。

ご飯食べ終わるまでに心の準備終わらせるのよ。」

「ちょっ!まっ!

突然、抱けって無茶振りが過ぎますよっ!」

「あははははは、ごちゃごちゃ言ってないで。

すぐに行くわよ。」




その日の夜、ブランカの部屋を訪ねた。

いつもより薄手のネグリジェに包まれたブランカが顔を赤くして俯いている。

ゴクッ…何これ、可愛い過ぎるんですけど…。


これは僕が耐えられそうにない。

今日は覚悟を決めないと!


その前にいつあの2人が覗きにくるかもしれない。

告白の時はえらい目にあった。

もう同じ徹は踏まないっ!



まずは扉の鍵を確認。

音が漏れないように隙間も埋める。

窓もカーテンも閉めた。

押し入れとトイレも確認する。


うん、これで大丈夫だ。

絶対入ってこれない。


「イオリ?何をしてるの?」

「ちょっと外野…害虫が入って来ないように点検だよ。」



ブランカの横に行き、手を繋ぐ。

「イオリ…あのね…その…前にした約束…覚えて」

「ブランカ。僕の話を先に聞いて欲しいんだ。

昨日、兄さんに襲われた時、この人を絶対守りきらなきゃって思った。

兄さん達を追い払って

やっとブランカを守れるようになれたと思ったら

嬉しくて、愛おしくて。

もうブランカとの約束を待てなくなった。

ごめん…今日は我慢できそうにない。」


そう言って、手を強く握る。


「はい。エヘヘ…嬉しい。

私もあなたと結ばれたかった。

初めてだから…その…」




2人の初めてが終わり、プレゼントのネックレスを渡す。

「これ、その…ブランカにプレゼント。

本当は指輪にしたかったんだ。

でも、時間が無くって…。」

「あぁ…可愛い。

ずっと大切にするから。

その…私のこと…離さないで…ね。」

「うん、ブランカのいない未来なんて考えられない。」

「イオリ…」

「ブランカ…」


2回戦も終わり

ベッドの上でブランカと寄り添う。

ふと天井を見上げると…。



天井の板がズレている?

あれ?

リノア先生とユーリと目が合う。


パタンッ。

あっ、板が…板が戻った。。。


ぁ…ぁぁ…

そんなの有りかよ。。。

なぁ、いつから見てたの…?

なぁ、いくらなんでも鬼畜過ぎない…?

さすがの俺も怒るよ?



次の日の朝

あの2人が俺の物真似をしながら、キャッキャッ騒いでいる…。

「もうブランカとの約束を待てなくなった。

ごめん…もう我慢できない。」

「私もあなたと結ばれたかった。

初めてだから…その…」

あの2人が悪のりを始めて抱き合っている。。。

「キャァァァァ、先生、キュン死するかと思ったわ❤️」

「あははは、私はプレゼント渡した時が良かったわよ。

ブランカのいない未来なんて考えられない。

だって❤️あれはズキュンって刺さったわ。」


ぐぁぁぁぁぁぁ!

コイツら最初から見てやがったのかっ!

そんなに俺を辱しめるのが楽しいのか…


いつも!いつも!いつも!いつも!いつもっ!!


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


2人に飛び掛かるがあっさりと避けられ、拘束される。

「あははは、あら反抗期かしら。」

「ふふふふふ、イオリ君、恥ずかしかったのよね❤️

あら、泣いちゃって可愛い❤️」


シクシクシクシク…

もう…もう…勘弁してください…

そっとしといて下さいませんか。。。


イオリ 11歳


職業:寄生虫LV14

擬態職業:プリーストLV9

熟練度:

寄生虫 LV14(96.22/1400)

プリースト LV9(204.78/900)

魔女 LV5(259.08/500)

医者 LV7(235.7/700)

諜報員 LV9(860.33/900)

格闘家 LV4(191.36/400)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(93/98)

   ユーリ(86/91)

   ブランカ(72/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 土魔法(小) 精神異常耐性

精神安定(小) 解熱(微・小) 病回復(小)

人物鑑定(小) 職業偽装(小) 気配遮断(小) 

気配察知(小) 格闘術+補正(小) 力上昇(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 176/176(↑5+3+4+10+18+3)

MP 193/193(↑5+8+12+10+0+3)

体力 118(↑2+1+4+12+18+3)

力  99(↑2+0+0+12+18+3)

魔力 159(↑5+8+10+0+0+3)

精神 178(↑5+5+16+2+3+3)

速さ 123(↑2+1+4+12+18+3)

器用 115(↑2+2+6+8+12+3)

運  122(↑2+2+6+8+12+3)

寄生 23(↑3)


上位職寄生解放 2/50

成長促進    4/50(3→4)

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    15/25(12→15)

性的快楽増強  8/25(6→8)

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0

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