第28話 イオリ2分で陥落

今後の方針を決める重要な話し合いである。

仁義なき闘いはひとまず休止。

妥協案を提示する。


「あの…ポイントをそれぞれに割り振りませんか?

リノア先生が4、ユーリも4、僕は3だけど、次のポイントは僕が貰う感じでどうでしょう?」


せめてもの落とし所だろう。

それに万が一を考えてポイントは少し残して起きたい。

この2人だけに決めさせるとロクな結果にならないのは目に見えている。


「まぁ、妥協案としては仕方ないわね。

良いわよ。全て【性的快楽増強】に振ってくれるかしら?」

「ちょっと待って!

それだけは…それだけはダメよ!イオリ君。

あの女は自分の快楽にしか興味のないケダモノよっ!」

「あはははは、リノア、必死過ぎ!

ねぇ、なんでそんなに必死か当ててあげましょうか?

少しでも早く【老化遅延】を上げるだけ上げて安心したいのよね?」

「うっ…」

「ちょっとぐらい遅くなっても別にいいじゃない。

ちょっぴり肌がボロボロになって、小じわと染みが増えるだけだもの。

イオリ君は優しいから、醜くても目を瞑って我慢してくれるわよ。」


なるほど…リノア先生は1日でも早く【老化遅延】を最大まで上げたい訳か…。

これが最年長のプレッシャーなのか。。。


しかし、真に恐るべしはユーリである。

そんなリノアを煽るだけ煽り、ここから自分に都合の良い条件を引き出してくるだろう。

本当はユーリ自身も【性的快楽増強】の次に【老化遅延】を望んでいるにも関わらずだ。。。


「ぁ…ぁ…、ユーリ。お願い。言わないで。

醜いだなんて、耐えられない。。。


ユーリなら、あなたなら私の気持ちも少しは分かる筈よ。

改めてお願い。

先に【老化遅延】に協力してくれないかしら。

あなたが欲しいって言ってた魔道具、あげてもいいわ。」

「あははは、魔道具?もうそんな物に興味もないわ。

私は【老化遅延】なんて急いでいないもの。

さっき生き埋めにされて、氷漬けにしてくれたお陰でお肌も潤ったしね。」

「そのさっきのはごめんなさい。

ちょっとしたじゃれ合いみたいなものじゃない…。」

「あはははは、リノアはじゃれ合いで人を生き埋め、氷漬けにして、化けて出たら浄化魔法だっけ?

えらいパンチ効いてるわね。」

「ユーリさん、私が悪うございました。

どうかお許しください。」

「あはは、まぁ、いいわ。

私もリノアが喜ぶなら協力してあげたいもの。

私とイオリ君の夜を過ごす権利

週3に増やしてくれるなら相談に乗るわ。」


リノア先生が俺を上目遣いに見つめてくる。。。

ぁぁ、先生可愛い❤️…じゃない!


俺が夜を自由に過ごせるのは、ブランカに1日渡すことが決まって、残り週1回しかない。

週に1回ぐらいは自由でいたい…。

いさせてくれ。。。


「リノア先生、さすがにこれ以上はお許し下さい。

もう週1回しか自由は残されていません。。。」

「ぁぁぁ…そうよね。…イオリ君ごめんね。

先生が、先生が悪かったわ。

少しでも綺麗なイオリ君の先生でいたくて…」

「あはははは、リノア、あなたの夜を過ごす権利を差し出せばいいじゃない。

私も鬼じゃないわ。

【老化遅延】が最大になるまでポイントを貸すから

それを返してくれるまで、あなたの権利を1日貸してくれたらいいの。

あなたから権利を奪う訳じゃないの。借りるだけよ。」

「イオリ君との時間だけは…ダメだわ…」

「そう。時は残酷よ。

シワや染みが増えてから後悔しても遅いからね。

まぁ、顔を隠せば分からないかw」


ユーリがリノアに揺さぶりをかける…。

こうなってしまっては、もう勝負はあったような物だ。。。


「ぁ…ぁ…、イオリ君。

ごめんね。ごめんね。

イオリ君を貸し出す心の弱い私を許してちょうだい…。」


俺の目の前で、俺の夜の権利が貸し出されようとしている…。

俺は物じゃない、一応、人だからね。。。


「クックックックックックッ

それじゃ、契約書を更新しようかしら。

これでしばらくは私が週に3回。リノアが2回だからね。

それと、さっき言ってた魔道具も忘れないでよ。」


興味も無いって言ってたのに、ちゃっかり貰うのか…。

こうして、2人合計8ポイント分が【老化遅延】に振り分けられることになった。


老化遅延 9/25(1→9)

残ポイント3


俺は最強とか無双とかを求めている訳ではない…

決して求めている訳ではないが

もう少し欲望と成長のバランスがあってもいいのではないだろうか。。。

そう思うイオリであった。



【老化遅延】…寄生相手が年上の場合に限り、身体の老化を遅延させる。

寄生主(イオリ)が寄生相手の身体年齢に追い付けば、それ以上の効果は無い。

従って、年下や同年代に寄生する場合は不要となる。

年上の寄生相手がいる場合に限り、長く熟練度を稼いでもらう上で重宝する。




「ちょっと待った!

ふふふふふ、イオリ君。

まさかこの流れでこのまま終わるつもりじゃないよね?」

そう言って、リノア先生が左側から抱きついてくる。


「あははは、イオリ君。

もちろん、私達にはいつまでも綺麗でいて欲しいよね?」

そう言って、ユーリが右側から抱きついてくる。


リノアは銀髪のおっとりした巨乳美人。

ユーリは金髪のすらっとした眼鏡美人。

治癒院が誇る人気美女。

そんな2人に抱きつかれ、早くもイオリの心は揺らぎ始める。


「えっ!ちょっ!ダメです。

このポイントは不足の事態に対応できるように…」

「ふふふ、イオリ君、今がその緊急事態なのよ。

ねぇ。お・ね・が・い❤️」

「ぁ…ぁ…」

「あはは、ほら、後はこのボタンを押すだけでいいのよ❤️」

「ぁ…ぁ…ぁ…」

「ふふふ、えらいね。イオリ君。

ちゃんとできるって先生信じてたもの。」

「あはは、よしよし。

難しい事は忘れましょうね。」


こうして…

イオリはあっさりと陥落する。

陥落までの時間はおよそ2分…

チョロ過ぎてお話にならない。

この2人に掛かれば、イオリなど赤子の手を捻るような物なのだ。。。



イオリ 11歳


職業:寄生虫LV11

擬態職業:プリーストLV8

熟練度:

寄生虫 LV11(404.96/1100)

プリースト LV8(288.48/800)

魔女 LV4(149.86/400)

医者 LV5(441.55/500)

諜報員 LV7(278.1/700)

格闘家 LV1(2.63/50)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(92/98)

   ユーリ(85/91)

   ブランカ(57/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 精神異常耐性 精神安定(小)

解熱(微・小) 人物鑑定(小) 職業偽装(小)

気配遮断(小) 格闘術+補正(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 133/133

MP 155/155

体力 78

力  64

魔力 133

精神 144

速さ 83

器用 92

運  89

寄生 20



上位職寄生解放 2/50

成長促進    3/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    12/25(1→12)

性的快楽増強  6/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0(11→0)

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