第26話 ブランカへの告白

◆イオリ視点


ブランカを走って追い掛け、部屋の前で呼び続ける。


「ブランカさん。ブランカさん。

ごめんなさい。

ズルしたの怒ってますか?」


ブランカの返事はない。

返事はないが…外野の声だけは聞こえてくる…。


「あはは、怒ってない怒ってない。」

「ふふふ、イオリ君、もっと強気で攻めないと。」


コ、コイツら、見せ物じゃねーぞっ!


「ブランカさんが嫌なら、明日の夜の話も大丈夫です。

でも、もう会えなくなるかもしれないと聞きました。」


やはり返事はない。

返事はないが…やはり外野の声だけは聞こえてくる。


「リノア、アルバイト延長のこと伝えてないの?」

「ふふふ、まだ正式にお返事もらってないもの。」

「あはははは、あんなの決まったも同然じゃない。」


おい!そんな話聞いて無いぞ!

それ重要なやつやん。

知っとかなあかんやつやん。。。


また会えるんなら、急ぐ必要はない。

戦略的撤退あるのみ。。。


「ブランカさん。もう…行きますね。

また今度お伝えしにいきます。」


すぐに立ち去ろうとした時、返事が返ってきた。


「イオリ…待って。今聞きたい。」


ヒィィィィ。

外野がうるさいんで、また今度にしませんか?

ねぇ?ねぇ?


「えっ!あの、やっぱり…心の準備が…」

「ゆっくりでいいから。」


ぁ…ぁ…終わった…。

公開処刑だ…。

外野は盛り上がり始める…。


「キャァァァ、イオリ君、ここで告白しちゃうのね。」

「あはははは、そっとしといてあげなよ。」


自覚があるなら

本当にそっとしといてくれませんか…。

もう嫌だ。。。


「その…月並みな言葉しか言えませんが…


…これからは、格闘術の先生という関係でなく

1人の女性としてお付き合いしたいと思って…


あの…とっても可愛いと思ってました。

よろしければ、僕と…僕とお付き合いしてもらえませんか?」

「………いいよ。」

「えっ!?」

「いいよって言ってるの。」


外野も喜んでいる…。

「あははは、やった!賭けは私の勝ちね。」

「ふふふふふ、残念。私は明日だと思ってたわ。

イオリ君、とっても可愛いってちゃんと言えてたね。」


俺の告白で賭けてたんかい…。

どんな思いで告白したと思ってるんだよ…。

もう泣いちゃう。。。


「ブランカさん、ありがとうございます!

絶対断られると思ってました。

その3人とお付き合いなんて異常って思われてると…」

「思ってるわよ。

その自覚があって告白してくるのね。」


まだ外野はいるみたいだ。。。

「あははは、告白待ってたくせにね。」

「ふふふ、本当に素直じゃないんだから。」


「うっ…」

「でも…イオリの頑張りもずっと見てたから

格好良いなって。

だから、3人目でもいいよ。」

「ブランカさん…嬉しいです!

その…顔が見たいから、扉を開けてもらえませんか?」

「今はダメ!

その…恥ずかしくて顔を見せれない。」

「ダメです。今見たいです。

ブランカさんへのプレゼントもあるんです。」



「あははは、ダメですだって。

急に強気になりだしたよ。」

「ふふふ、先生、感動したわぁ。

よく頑張ったね!イオリ君。」


コイツらにはいつか復讐してやる。。。


外野がうるさくて鬱陶しい。

俺とブランカの会話の部分だけ見てみて欲しい。

それなりに雰囲気もでている筈だ。

あの2人のせいで…せっかくの雰囲気もぶち壊しだ。


二人きりになりたくてブランカを外に連れ出す。


初めてのデートだ。

勇気を出して、ブランカと手を繋ごうか迷う。

ドキドキする。

まだ早いかな。

緊張して手汗をかいてる。

ダメだ。ここは男らしく手を繋ごう。

手汗を拭いて、ブランカの手を握った、その時…


般若の顔をした母さんが仁王立ちしていた。。。


「あなたって子は!あなたって子は!

リノアさんって人がありながら!

この鬼畜っ!この鬼畜っ!」


母は泣きながら、ボコスカに杖で殴ってくる。

「ギャァァァァァァァァァァァ」

思いがけない母との修羅場に

リノア先生とユーリが物陰で腹を抱えて笑っている。。。



しかし、母さんの怒りも分かる。

11歳にしてリノア先生という婚約者がいながら、、、

もう別の若い女に手を出し、しかも、その若い女は兄の元彼女だ。

周りから見たら鬼畜にしか見えない…

母の怒りは尋常ではなかった。


「申し訳ございません。。。申し訳ございません。。。」

ボコボコに殴られ、ひたすら謝り続ける。

兄とのいきさつを説明し、何とか少し落ち着いて貰えた。


「これ以上、手を出したら…ちょん切るからね!返事はっ!」

「ヒィィッ、はい、申し訳ございませんでした。」


それを聞いていたブランカは、うんうんと頷いている…。



こうして、ブランカへの告白はなんとか成功する。。。



そして、この日の夜。

3人目の寄生相手と仲良くなれたせいなのか?

隠れていたパラメータが開示された。

これにより今後の方針を迫られることになる。


上位職寄生解放 2/50

成長促進    3/50

潜在職業覚醒  2/50

寄生距離延長  2/50

老化遅延    1/25

性的快楽増強  6/25

吸収率向上   1/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント11


これが新たな火種となるのは、誰の目にも明らかだった。。。



イオリ 11歳


職業:寄生虫LV11

擬態職業:プリーストLV8

熟練度:

寄生虫 LV11(404.96/1100)

プリースト LV8(288.48/800)

魔女 LV4(149.86/400)

医者 LV5(441.55/500)

諜報員 LV7(278.1/700)

格闘家 LV1(2.63/50)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(91/98)

   ユーリ(84/91)

   ブランカ(57/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 精神異常耐性 精神安定(小)

解熱(微・小) 人物鑑定(小) 職業偽装(小)

気配遮断(小) 格闘術+補正(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 133/133

MP 155/155

体力 78

力  64

魔力 133

精神 144

速さ 83

器用 92

運  89

寄生 20




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