第24話 ブランカ クモの巣に絡まっていく…

◆ユーリ視点


「リノアさん、ユーリさん

今日、イオリがタイシとやり合ったんですが

前回よりも本当に成長してて!

もう少し鍛えれば良い勝負になると思います!!」

「ふふふ、ブランカのおかげね。

ありがとう。頼りにしているわ。」

「リノアさん。私なんて全然です。

イオリはいつも頑張ってるから。

人の努力と成長って本当に素敵ですね。」

「ふふふ、イオリ君が努力できるのもブランカのおかげだと思うわ。

明日からもお願いね。」

「はい!頑張ります。」



「あはは、リノア。

さっきのブランカの顔見た?」

「ふふふ、あんなに興奮しちゃって。

目がキラキラしていたわね。

若いっていいわぁ。」

「あはは、これは予定を少し早めないと。

タイムリミットは来月から再来月くらいかな。」

「ふふふふふ、珍しい。私も同意見よ。

ライバルが増えるのは嫌だけど、これもイオリ君の為だもの。」

「そろそろ、ブランカにもイオリ君への気持ちを自覚してもらわないと。」


クモの巣に獲物が掛かった。

ここからは逃げられないように糸で絡めていく。


あの子は、イオリ君は…私とリノアの全てを掛けた作品。

愛情も欲望もお金も時間も熟練度も必要に応じて全て注ぐ。

こんなところで足踏みするつもりはない。


◆ブランカ視点


2ヶ月後。


一瞬、何が起こったか理解できなかった。

イオリは兄タイシを危なげなく倒してしまったのだ。


「キャァァァァ、イオリ!やったね!!

今まで本当に頑張ったねっ!」


私は嬉しさのあまりイオリと抱き合って、跳び跳ねていた。

元彼がその弟に倒されたのにお構い無しだ。。。


凄い!凄い!凄い!凄い!!

イオリがどんどん強くなってるって感じてた。

でも、たった3ヶ月ちょっとでタイシに勝てるなんて。

もちろん、タイシは『戦士』である。

武器と盾を持たれたら、まだ厳しいだろう。


それでも、イオリの努力と成長をずっと間近で見てきた。

嬉しくて涙が出る。

自分の事のように嬉しい。

興奮が止まらない。


彼から離れてもドキドキしている。

イオリ、ズルい。

格好良すぎるよ!

そんなの見せられたら、意識しちゃうじゃない。


でも、嬉しい気持ちだけではない。

彼の師匠としてのアルバイトはこれで終わりになる。

この才能と努力に溢れる弟子とお別れするのが正直、寂しい。

胸が痛くなる。

イオリが頑張ったのに寂しいだなんて、私はダメだな。

泣くのは後でいい。

最後は笑顔で別れたい。

そう思っていた矢先だった。



ブランカ、ちょうど良かった。

屋敷への住み込みのアルバイトを募集しようと思ってるの?

ブランカなら私達の事も分かってくれてるし、どうかな?

せっかく仲良くなれたのに、これでお別れは私達も寂しいわ。


ふふふ、ブランカ。

彼への視線が増えてるわ。

自分で気付いてる?

もしかして、ブランカも彼のことを気に入ったのかな?


あはは、ねぇ、ブランカ。

彼と週に1回、2人で夜を過ごす権利。

イオリ君にお願いしてみようか?

彼もブランカとなら喜ぶと思うわ。

とっても可愛いって言ってたわよ。


「夜とかは…その…まだ早いです。」

彼もブランカとなら喜んでくれる。

とても可愛いって言っていたと言われ

不覚にもドキッとしてしまった。

私の事をそんな風に見てくれてたんだ。


ふふふふふ、ブランカ、顔が真っ赤になってるわよ。

まだ早いってことは、いずれは夜もって思ってるのね。

アルバイトも無理に住み込まなくてもいいの。

朝にイオリ君と今まで通り訓練して、夜に2時間くらい、お片付けとお掃除を毎日手伝ってくれればいいわ。

いつでもお家に帰っていいのよ?


ふふふ、考えてくれてるのかしら?

明日の朝に募集を出しに行くから、それまでに決めてくれたらいいわ。



もう私の心は決まっていた。

親になんて説明しよう。

でも、無理に説明しなくても、家に帰れるなら言う必要もないか。


それよりもイオリと夜を過ごす権利だ。

ちょっと、何を考えてるの、私。

まだ付き合っても無いのに。

まさか、私がこんなことを考えるなんて思ってもみなかった。

でも、イオリが喜んでくれるなら…


イオリとの妄想でニヤニヤと、もし断られたらという不安。

その気持ちが交互に繰り返しやってくる。

ベッドの上を行ったり来たり気持ちが落ち着かない。


明日、本人にそれとなく聞いてから決めよう。

そう決めて、今日は眠ることにした。





「ふふふふふ、そうやって無意識に女の子を誑かすのね。

今日は先生もお仕置きしなくっちゃ❤️」

「ヒィィッ」


ブランカがベッドの上でニヤニヤしている頃

イオリは特別授業と称された謎の集まりに呼び出されていた。。。




イオリ 11歳


職業:寄生虫LV11

擬態職業:プリーストLV8

熟練度:

寄生虫 LV11(404.96/1100)

プリースト LV8(288.48/800)

魔女 LV4(149.86/400)

医者 LV5(441.55/500)

諜報員 LV7(278.1/700)

格闘家 LV1(2.63/50)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(91/98)

   ユーリ(84/91)

   ブランカ(54/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

速さ上昇魔法(小) 浄化魔法(小) 火炎魔法(小)

水魔法(小) 精神異常耐性 精神安定(小)

解熱(微・小) 人物鑑定(小) 職業偽装(小)

気配遮断(小) 格闘術+補正(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 133/133(↑5+6+1)

MP 155/155(↑5+0+1)

体力 78(↑3+6+1)

力  64(↑3+6+1)

魔力 133(↑2+0+1)

精神 144(↑3+1+1)

速さ 83(↑4+6+1)

器用 92(↑4+4+1)

運  89(↑2+2+1)

寄生 20(↑1)


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