第22話 ブランカ クモの巣へ…

仁義なき闘いは新人の洗礼の場へと変わる…

先生達2人のLVはそれぞれ『プリースト』『医者』のLV42。

さらにもう1つの職業『魔女』『諜報員』も順調にレベルが上がっているのだ。

近接戦闘と言えども『格闘家』LV11のブランカでは敵う筈もない。


「ふふふふふ、その程度でよくも人をババァ扱いしてくれたわね?

ちょっぴり気にしてるのに。」

「あはは、その程度じゃ。

ド変態にも勝てないよ。

もう少し強くなったら、またおいで。」


今日の闘いはブランカのノックアウトで早々と終演を迎える。


「リノアさん、ユーリさん、その…失礼な口を聞いてしまい、申し訳ありません。。。」

「ふふふ、分かってくれればいいのよ。」

「元はと言えば、リノアが下っ手くそな魔法をブランカに当てちゃった事が原因だからね。」

「はぁぁ?あんたが朝っぱらから、気分の悪い下ネタのオンパレードだったからでしょうが!」

「ぁぁ、そう言えば、誰かさんが見学に来たいって言ってたわね。」

「じゃかましいわ!このド変態!!

イオリ君に何させてるのよっ!」

「それは私も思いました…」

「あはは、ブランカも見学に来てもいいわよ?

禁断の愛を勉強させてあげる。」

「謹んで、遠慮させて下さい…」


ブランカが早々に力の差を認め、謝罪したことによりこの場は丸く収まった。

元々、口数は少ないブランカも普通に敬語では話せる。


「で、リノアどうかな?

私は合格でいいと思うわよ。」

「そうね。きちんと謝れたし、認めてあげましょうか。」

「??」


この会話は寄生相手の3人目として、2人が認めたということだ。

もちろん、寄生うんぬんはまだブランカに言うつもりもない。

本当の話をするのはブランカが抜け出せなくなってからだ。


今は親クモが獲物を見つけ、その獲物を子クモが獲物として認めた状態。

獲物がクモの巣に絡まり、自力では抜け出せなくなるまで、ジワジワ糸で絡めていく必要がある。

ここからは餌をまいて巣に誘き寄せる段階だ。


「ねぇ、ブランカ。

イオリ君の修行だけど、明日からもう1時間早くお願いできないかしら?

アルバイトとして、1日2時間で3000Gでどうかしら?

それと、週に1回。彼とダンジョンに潜って鍛えて欲しいの。

もちろん別でお金を払うわ。」

「ありがたいお話ですが

そんなに貰っても大丈夫なんですか?」

「ふふふ、彼を兄のタイシ君に負けないぐらいまで強くしてくれれば大丈夫よ。」

「時間は掛かりそうですが、精一杯やります。」

「あとね、イオリ君と仲良くなってあげてくれない?

彼が気に入ったら、ちょっとぐらいなら手を出してくれてもいいからね。」

「ちょっ!まだ早いわよ!!

私の心の準備がまだ…」

「…………。

婚約者を…寝取らせたい…の?

私、そう言った趣味は…」

「ちがうわっ!」

「あはははは、今は詳しく言えないけど

多少の恋愛関係なら認めるということよ。

無理にそうなって欲しい訳でもないわよ。」

「はぁ。」

「ふふふ、ここの居心地が悪かったら

アルバイトも何時でも辞めてくれたらいいわ。

朝も早いし、1部屋用意しておくから、いつでも使ってくれていいのよ。」

「ありがたいお話ですが…

部屋を使うと…その襲われ…そうで…」

「襲わんわっ!」


こうして、ブランカの指導が始まることになる。

ブランカの真面目な性格もあり、丁寧に指導に当たってくれた事もあり、技術が伸びてきている。

ステータスやスキルだけでは、やはり兄には勝てないのだ。


1ヶ月程過ぎたある日。


「イオリ君の修行も兼ねて、みんなでダンジョンに行きませんか?」

「ふふふふふ、あら、たまにはいいわね。

最近、行ってなかったし。」

「あははは、お姉さん強くなったよ。

イオリ君、楽しみにしといてね。」

「余計たちが悪いというか…

あの…ブランカさん。

ダンジョンは止めた方が…」

「どうして?

このメンバーなら初級ダンジョンの30階ぐらいまでは何の問題も無いと思う。」

「いや…相性の不一致と言いますか…。

初級ダンジョンは7階で限界を感じたと言いますか…」

「7階なら私一人でも無理すればいける。

前衛の私は頼りないけど、お2人との相性は悪くないと思うよ?」

「だから、そのお2人が問題なんです!

僕は絶対行きませんよ!」

「あはははは、ごちゃごちゃ言ってないで行きましょう。」

「ふふふふふ、ブランカごめんね。

イオリ君ったら私達も成長してるのよ。」

「嘘だ!成長の跡が見られません。

嫌だっ!嫌だっ!もう2度と行きたくないっ!

離してっ!誰か助けて!!

うわぁぁぁぁぁぁ!」


こうして、イオリはダンジョンに引きずられていく。

ブランカもイオリが激しく拒絶した意味をすぐに理解した。

パーティーとしての実力ではなく、相性がいかに大切か、若くして勉強できたことは幸いと言えるだろう。



イオリ 11歳


職業:寄生虫LV10

擬態職業:プリーストLV7

熟練度:

寄生虫 LV10(499.56/1000)

プリースト LV8(2.08/800)

魔女 LV4(149.86/400)

医者 LV5(176.65/500)

諜報員 LV6(179.67/600)

格闘家 LV0(12.66/50)

寄生先:3(3/3)

親密度:リノア(91/98)

   ユーリ(84/91)

   ブランカ(19/86)

スキル:寄生 

回復魔法(微・小) 毒回復(小) 麻痺回復(小) 

浄化魔法(小) 火炎魔法(小) 水魔法(小)

精神異常耐性 精神安定(小) 解熱(微・小)

人物鑑定(小) 職業偽装(小) 気配遮断(小)


ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+寄)

HP 121/121(↑5+5)

MP 149/149(↑5+5)

体力 68(↑2+3)

力  54(↑2+3)

魔力 130(↑5+2)

精神 139(↑5+3)

速さ 72(↑2+4)

器用 83(↑2+4)

運  84(↑3+2)

寄生 19

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