第18話 リノアの狂気

◆リノア視点


イオリ君との同棲生活から1か月が過ぎた。

この前、遂に彼と進展があった。


キス…しちゃった。

しかも5回…も。

1回すると歯止めが効かなくなって。

何回も彼を求めてしまった。


ふふふ、イオリ君。

先生、一緒にいれて幸せだよ。

ねぇ、信じていいよね?

私のこと、好きでいてくれてるよね?



最近、ユーリとイオリ君の間には秘密がある。

よく2人で話し込んでる。

しかも、近寄ると突然話を止める。

あのユーリだけなら分かるが、イオリ君まで…だ。

先生に聞かれたら不味い話があるのは明らか。

遠回しに聞いても、何も隠していないと言われ、話題を変えられる。



まただ…

買い物帰りに見てしまった。。。

イオリ君がユーリと仲良さげ腕を組んで本屋に入っていく。

ねぇ、先生にはそんなお誘い1度も無かったよね?


私は落ち込みながらも、ユーリの部屋のシーツを替えに行く。

えっ、明らかに1つしかベッドを使っていない。

どういうこと?

あの2人も一緒に寝ているのかな…

切なくて…目の前が真っ暗になる。。。


ゴミを集めようと思い

ゴミ箱を見ると…ぁ…ぁぁ…この瓶は…

ユーリが使ってる媚薬だ。

イオリ君に…まさか…

2人の関係はそこまでいってるの?

苦しくて、胸が張り裂けそうになった。。。


今日はイオリ君が夜を自由に過ごせる日だ。

いつも私の所に来てくれる。

今日は2人で夜景を見に行こう。

もう待てない。

不安で仕方がない。

星空の下で私から告白しよう。


えっ、えっ?

彼があの女の部屋に入っていく。

………。

もう5時間経つのに

まだ出てこない。


ぁ…ぁぁ…

もう彼の心を奪われていたのね。

涙が溢れて止まらない。


どうしてこうなったんだろう。

私に心はあるっていってくれたじゃない。


これが浮気している旦那を待つ心境か。


何も手に付かない…


ユーリさえいなければ…


ふふふ、明日、ちゃんと教えてもらおう。

ふふふふふ、しっかり準備しなくっちゃ。


ユーリさえいなければ…


ふふふふふ、彼を返してもらわなくっちゃ。



◆イオリ視点


ユーリの部屋で目が覚める。

俺とユーリの身体が動かない。

ぐっ、これは麻痺毒か…


ユーリの口には魔法が使えないように

ハンカチを詰め込まれている。


「先生、何してるんですか!?」

「ふふふふふ、イオリ君。

ユーリちゃんはね。

ちょっとお痛が過ぎたの。

ちゃんと報いを受けないと。」


そう言って、ユーリを杖で殴り続ける。

「ふふふふ、ちょっとすっきりした。」

「ちょっ!先生。もう止めてください。」

「この女には優しいのね。大丈夫よ。

ちゃんと回復させてから殴るから❤️」


そう言ってユーリに回復魔法を使い、また殴り出す。

よほど憎しみが貯まっていたのだろう。。。


「次はイオリ君とこそこそ話してた7回分ね。」

「次はイオリ君と隠れて買い物にいった2回分よ。」


もはや、ストーカーの域に達している。。。


「次はイオリ君と一緒に寝た分ね。

どうして2人とも裸なのかな?」

「先生、僕が悪いんです。

殴るなら僕を殴って下さい。」

「ふふふ、ねぇ、イオリ君。

先生に隠してることいっぱいあるよね?

ちゃんと正直に言えるかな?」



先生と向き合う。

最悪の形で打ち明けることになった。


先生に全て包み隠さず話す。

『寄生虫』のこと。

何故、先生達を選んだのか。

熟練度のこと。

ユーリとのこと。

今後のこと。


最後に謝罪した。


「ふふふふふ、イオリ君たらそんな些細な事で悩んでたのね。

先生も魅了で好きになってもらおうとしてたんだもの。

おあいこじゃない。

ふふふ、それよりね、相性98って事が分かって嬉しいわ。やっぱり運命なのね❤️

先生の熟練度を吸って、成長してくれるのも嬉しいのよ。

イオリ君が成長できるなら、いっぱい吸い取って欲しい。」

「先生…。」

リノア先生の愛情がリアルに重たい。


「ただ、ユーリと関係を持つ前に教えて欲しかった。

嘘を付いて先生を裏切った分と悲しませた分はきっちり償ってもらうわよ。」

「先生、ごめんなさい。

はい、何でも言ってください…」

「ふふふ、そうね。

これだけ待たせたんだから婚約は絶対ね。

告白は今日の夜聞くから、ちゃんと感動させてね。

明日にはお義父様とお義母様にもご挨拶に行くわよ。


後はこの2年間はイオリ君の週2日の夜の権利を私に全て渡すってことでどうかな?

もうこの女と浮気できないようにしとかないと❤️」


そんな事でいいんですか?と言おうとして

ユーリが横から入ってくる。


「さっきから黙って聞いてると、えらいリノアに都合がいいわね。

そんな条件、私が飲む訳ないじゃない?馬鹿なの?」

「あら、婚約者としてこれ以上、あなたに汚される訳にはいかないわ。

私のイオリ君をよくも汚したわねっ!」

「あははは、イオリ君は汚れたんじゃない。

私の色に染めたの。分かる?染・め・た・の❤️」

「黙って聞いてれば汚らわしい!

空気を読んで、さっさと出ていきなさいよっ!」

「ねぇ、婚約者のポジションは譲ってあげるんだから、イオリ君の2日は私に譲りなさいよ。

あんまり欲張るとまた痛い目見るわよ?」

「もう2人は相思相愛なの。

あんたの出る幕はないわ。」

「あら、自分の男を寝盗られた間抜けが相思相愛だなんて。

あはは、イオリ君との初めては最高だったわ。

彼の恥じらいがね、凄いスパイスになって燃え上がっちゃった❤️」

「グギギギギ!」

「私がイオリ君の感じるところ、全て教えてあげようか?」

「コイツ!マジで殺してやるっ!

イオリ君の初めてを返せっ!この野郎。」

「上等だよ!さっきはボコスカ殴りやがって。

後でブッ殺してやろうと思ってたのよ!」

「そう、表に出なさいよ!

あんたを殺るためだけに『魔女』のレベルを上げたんだから。」

「お前のショボい魔法で殺れるの?

死にたくても死ねないわ!!」

「あら、死にたいのね。お手伝いしてあげるわっ!」

「あつっ!おまっ!これ火炎魔法(中)じゃねーか!

私を殺す気かよっ」

「だから、殺すって言ってるだろーがっ。

イオリ君とHした回数は最低死ねっ!」


いつもの仁義なき闘いが始まる。。。


リノア先生に正直に話し、受け入れて貰えて本当に良かった。

これできちんと告白できる。


しかし、この2人の狂暴さだけは何とかならないのだろうか…


イオリ 10歳

職業:寄生虫LV6

擬態職業:プリーストLV6

熟練度:

寄生虫 LV6(106.43/600)

プリースト LV6(120.68/600)

魔女 LV2(13.30/200)

医者 LV2(50.68/200)

諜報員 LV0(43.45/50)

寄生先:2(2/2)

親密度:リノア(84/98)

   ユーリ(69/91)

スキル:寄生 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

浄化魔法(小) 火炎魔法(小) 精神異常耐性

精神安定(小) 解熱(微)



ステータス(↑プ+魔+医+寄)

HP 55/55(↑5+3+2+1)

MP 70/70(↑5+8+6+1)

体力 31(↑2+1+2+1)

力  22(↑2+0+0+1)

魔力 71(↑5+8+5+1)

精神 71(↑5+5+8+1)

速さ 29(↑2+1+2+1)

器用 37(↑2+2+3+1)

運  44(↑3+3+3+1)

寄生 15(↑1)

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