第12話 ユーリとの魔導契約
◆リノア視点
「ねぇ、リノア、イオリ君の救出の手伝いの報酬を事前にきっちり決めておきたいの。
3:2:2でどうかしら?」
この大事な時にこの女は何を言ってるのか?
イライラする。
しかも、3:2:2の意味が分からない。
「ユーリ、この大事な時に必要な話なの?それ。
あと3:2:2って何よ?
理解できる言語で話してくれないかしら。」
「ええ、重要な話よ。
苦労して助け出したはいいけど
また強欲なあなたなら、あの子を独り占めしかねないでしょ。
3:2:2はね、あの子と夜に2人きりになれる割合ね。
3はリノア。2は私とイオリ君よ。
イオリ君の日は彼にどうしたいか決めてもらうということで。
契約はそうね、とりあえず2年でどうかしら?
あぁ、これ以上は譲歩できないから。」
この女はこんな時に!
頭がおかしい。性根が腐っている。
彼は物じゃない。人権という言葉を知らないのか!?
「ユーリっ!何よそれ!
イオリ君を何だと思ってるのよ。
こんなのまるで…彼が奴隷みたいじゃないっ!」
「あら、そう思うなら、リノアの3日を減らせばいいじゃない。
私は週に2日、彼と2人だけの時間を確保できたらいいわよ。
嫌なら私1人で助けてもいいけど?
私なら1人でできるもの。」
「グギギギギギッ」
「ねぇ、リノアが3日で良いって言ってるうちにこの魔導契約書にサインしなさいよ。
あなたに選択肢はないの。
ここで魔導契約書にサインして一緒に助けるか。
イオリ君をこのまま助け出さずにもう会えないか。
どちらがいいか考えなくても分かる事よね?
3分後にはリノアも2日にするわよ。
ほら、早くなさい。」
この外道がぁぁっ!
やっぱり昨日、息の根を止めておくべきだった!!
この女はここぞとばかりに人の足もとを見る。
でも…私1人だと正直、厳しいのが現実。
目の前の悪魔に魂を売り渡すしかないのか…
私は泣く泣く契約書にサインする。
「そう、リノアちゃん。良い子ね。
ちゃんとサインできたわね。
先生は信じてたわ。」
「じゃかましいわっ!私の方が年上よ。
そもそも、イオリ君がこんなの納得するはずないでしょうがっ!!」
「あら、リノア先生はあの子の師匠でしょ。
あの子の救出にあなたはいてもいなくてもいいの。
はっきり言って何の役にも立たない。
この契約を納得させるのがあなたの仕事よ。
イオリ君に会いたいんでしょ?」
あぁぁ、あの子にこの契約を何て説明すればいいの?
あなたに会いたいから、悪魔にあなたを売り渡しました。2年だけ我慢して。
とでも言えばいいのか?
契約書にはこう書かれている。
・イオリ君がこの契約書にサインしなかった場合、私、リノアは金輪際、イオリ君と会いません。
・ユーリに唆された等、ユーリを貶めるような事は一切申しません。私リノアとユーリの話し合いにより、この条件を決めた物とする。
「ねぇ、せめて、お互い1日ずつ減らして2:1:4にしない?
それなら、彼にも納得してもらいやすいわ。」
「ダメよ。私は2日。ここは譲らないわ。
どうしてもというなら、あなたの日数を2日減らせばいいじゃない。
あはは、私とあの子が愉しむ所をじっくり見せてあげる❤️」
「グギギギギギッ」
「大丈夫よ。大好きなリノア先生と一緒にいられるんだもの。
あの子は進んで契約書にサインするわ。」
あぁぁ、イオリ君。
自分の日数を減らせない、弱い私を許して。
これは女としての私の気持ち。本能なの。
もうすぐ助け出してあげるからね!
「私が4日に1回でいいって言った時に
欲張って独り占めしようとするからこんな事になるのよ?
人間、欲張るとロクな事にならないわ。」
「おまえが、おまえだけはそれを言うなぁぁぁぁ!」
こうしてイオリの知らない所で悪魔の契約は進んでいく。
半ば奴隷のようなこの契約書を見たイオリはどう思うのか?
実際のところ、ユーリの読みが正しい。
いや、正確には彼女によって仕組まれたと言うべきか。
そもそも、この時点でリノアは気付かなくてはいけなかった。
この急な王都への入学が不自然なことに。
都合良く現れたユーリに。
これはユーリの欲望を甘く見た
リノアの過ちと言えるだろう。
イオリ 10歳
職業:寄生虫LV5
擬態職業:プリーストLV5
熟練度:
寄生虫 LV5(209.01/500)
プリースト LV5(337.11/500)
魔女 LV1(69.25/100)
医者 LV1(5.59/100)
寄生先:2(2/2)
親密度:リノア(70/98)
ユーリ(29/91)
スキル:寄生 回復魔法(微・小) 毒回復(小)
浄化魔法(小) 火炎魔法(小) 精神異常耐性
精神安定(小) 解熱(微)
ステータス(↑プ+魔+寄)
HP 44/44
MP 50/50
体力 25
力 19
魔力 52
精神 52
速さ 23
器用 29
運 34
寄生 14
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