第9話 リノアは勝ち誇る
◆リノア視点
ふふふふふふ
1週間前は同じ晴れでも、あんなにもお外は真っ暗だったのに。
今日は空の青さが違う。透き通っている。
しかし、ユーリめ、よくもやってくれたわね。
思い返してみると、崖っぷちまで追い詰められていた。
私の心はボロボロになっていた。
あと一撃もらえば、確実に沈んでいただろう。
それほどまでにユーリの揺さぶりは
私の心の弱い部分を的確に突いてきた。
ふふふ、しかし、今となっては過去の話。
白馬の王子様が、彼が私を暗闇から救ってくれた❤️
彼は『医者』に目覚めても、私と同じ『プリースト』を目指したいと言ってくれた。
2人だけの秘密にして欲しいってお願いしてきた。
うふふふふ、2人だけの秘密というのがまた良い。
とても素敵な響きだ。
しかも、内科棟のアルバイトは
リノア先生にプレゼントを買う為にやってたって。。。
ぁぁ、どうしよう。
胸がキュンキュンして止まらない❤️❤️
この思い出だけで3年は生きていける!
これだけでも…
これだけでも、こんなに幸せなのに…
さっき、住み込みの許可がサラさんから降りたのだ!
「リノア先生、イオリから聞きました。
もし先生がよろしければ、イオリをよろしくお願い致します。」
今晩、お父様のアレクさんに挨拶すれば、愛する2人の同棲生活が始まる。
部屋は6つくらい余っているけど…隣の部屋。。。
やっぱり同じ部屋にして。
寝室は当然同じにして。
ベッドはキングサイズ…
いや、大き過ぎるとくっつけない…
あえて、シングルサイズにしようかな。
毎日、彼を感じて…
キャァァァァァ❤️
ふふふふふ、この幸せを誰かに聞いてもらいたい。
負けい…親友のユーリちゃんにもお裾分けしてあげよう。
◆ユーリ視点
「ふふふふ、ユーリさん、ご機嫌いかがかしら?」
「おかげさまで最低の気分よ」
「あら、それは残念ね。
ところで親友のユーリさんに大事なご報告ありまして。
今日、彼のお宅に挨拶を済ませたら、愛する彼は晴れて住み込みで『プリースト』として、修行することになりましたの。」
「知ってる…」
イオリ君をから相談されて聞いていた。
本当に胸くそ悪いったらないわ!
「それでね、イオリ君がアルバイトした理由は大好きなリノア先生にプレゼントを」
「知ってる…」
私がイオリ君を唆す為に言ったやつだよ。
こんなことなら言うんじゃなかったわ!
「それでね。落ち込んでる私に、彼が私に何て言ってくれたと思う?」
「知らんわ!」
「2人のベッドはキングサイズかシングルサイズかどっちが良いと思う?
私はシングルサイズが彼を感じられて…❤️」
「死ねっ!」
もう我慢ならん!
30分も一人で喋り続けやがった!!
「リノア、提案したいことがあるの。
あなたが彼と結ばれてからでいい。
私にも3日に1回、いや4日に1回でいい。
貸して貰えないかな?
あの子を一人占めとか、贅沢が過ぎると思うわ?」
「ふふふふふ、何をいってるのかしら?
汚らわしい。
彼は物じゃないのよ。
しかも、私を散々苦しめてくれたあなたに
お貸しする理由がないわね。
彼は私を愛してるの。」
「私を敵に回すことになっても構わないのね?」
「ふふふふふ、あははははは。
今のあなたに私達の絆が壊せるかしら。
今夜には同棲が決まっちゃうのよ?」
親友のよしみで、せっかく4日に1回で我慢してあげようと思ったのに…
「そう。残念ね。
それじゃ、私は準備があるからもう行くわ。
リノア、お幸せに。」
イオリ君の為に使うハズだったお薬を
まさかここで使うことになろうとは…
クックックックックックッ
こうなれば死なばもろとも。
木っ端微塵にしてくれるわ!
イオリ 10歳
職業:寄生虫LV5
擬態職業:プリーストLV5
熟練度:
寄生虫 LV5(209.01/500)
プリースト LV5(337.11/500)
魔女 LV1(69.25/100)
医者 LV1(5.59/100)
寄生先:2(2/2)
親密度:リノア(70/98)
ユーリ(29/91)
スキル:寄生 回復魔法(微・小) 毒回復(小)
浄化魔法(小) 火炎魔法(小) 精神異常耐性
精神安定(小) 解熱(微)
ステータス(↑プ+魔+寄)
HP 44/44
MP 50/50
体力 25
力 19
魔力 52
精神 52
速さ 23
器用 29
運 34
寄生 14
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