第5話 2人目の寄生虫

リノア先生との勉強会が始まった。

当初はどうなるか不安で仕方なかったのだが

良い意味で予想が外れる事となった。


イオリの為に高い参考書を何冊も用意。

人体の事を知れば回復効果が上昇するからと

各器官や内臓の役割を丁寧に教えてくれる。

また、回復魔法や浄化魔法のコツ。

実地訓練として、治癒院で回復魔法を患者さんに使用したり

墓地に怨霊が出現すれば、浄化魔法を使ったりもした。


成長が見られた時には

褒める形を取った過剰なスキンシップと魅了魔法はおまけとして付いてはくるのだが…


それでも、分かりやすい授業に様々な体験が加わり

イオリの成長は目を見張る物があった。

最初は1時間だった勉強の時間は2時間。

長い時は3時間以上にも及んだ。


MPが切れて魔法が使えなくなると、マジックポーションまで用意してくれた。

人が成長するには最高の環境を用意してくれる。


ここまで早く成長できたのは

リノア先生のおかげだと言えよう。

今は何も返してあげられないが、いつか恩返ししたい。


1人の人間として、師匠として、

そして女性としても、ますます惹かれていく。

この人と将来を共にしたい。

そう強く願うようになる。



勉強会が始まり、7ヶ月が過ぎた頃。

『寄生虫』のLVが5に上がる。

それと同時に寄生できる人数が1人から2人に増えた。

違う職業の熟練度が入る手段を手に入れたのだ。

これは大きいと言えるだろう。


さて、次の寄生先候補を探さなければならない。

できるだけ、LVが高い人に寄生すれば

一回一回の熟練度が入ってくる数値も大きい傾向にある。


しかし、LVと並行して、親密度も重要になってくるのだ。

仲良くなれない人に寄生しても親密度が上がらず

熟練度は大きく貰えない。

また、職業も重要になる。

親密度も高く、熟練度もコツコツ増やしているであろう母に寄生してもいいが

『プリースト』の下位互換である『僧侶』に寄生しても旨味が少ないのだ。


ではどうするのか?

まとめると、職業が良くて、LVが高く、熟練度もしっかり稼いでいて、仲良くなりやすい人物。

そんな都合の良い人に全く当てはない。

数日、頭を悩ますことになる。



ある日のこと、思わぬ機会に恵まれる事となる。

リノア先生の親友を紹介された。

治癒院の内科棟で働くユーリ先生だ。

ユーリ先生は病気や熱などを治療する職業の中級職『医者』だ。

冒険者として、外やダンジョンで活躍することは無いが、患者の治療に追われていて、とても忙しいらしい。


ん?ユーリ先生なら寄生相手としていいのかもしれない。

寄生相性は91!?

リノア先生に次いで高いと言えるだろう。


リノア先生の親友であれば、きっと大丈夫だ。

しかも、金髪でスラッとした眼鏡美人。

パッと見、キャリアウーマンのような雰囲気である。


中級職『医者』で寄生相性も高く、熟練度もかなり稼いでいそうだ。

内科棟へもお手伝いに行けば、仲良くなれる機会にも恵まれると思う。


覚悟を決めて、ユーリ先生へ寄生する。

ユーリ 23歳

職業:医者LV40


安易な気持ちで相手を選んだことが後々に波乱を呼ぶ。

そもそも、寄生相性とは寄生相手がこちらを好きになる執着心を示した物とも言えるからだ。


寄生相性91。

これは人への執着心としては高過ぎる。

そんな執着心の高過ぎる相手に2人も寄生すればどういうことになるか?


イオリとリノアの平穏を蝕む相手に寄生してしまったことをこの時点では知るよしもない。。。


イオリ 10歳

職業:寄生虫LV5

擬態職業:プリーストLV5

熟練度:

寄生虫 LV5(6.10/500)

プリースト LV5(122.16/500)

魔女 LV1(59.14/100)

医者 LV0(0/50)

寄生先:2(2/2)

親密度:リノア(69/98)

   ユーリ(1/91)

スキル:寄生 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

浄化魔法(小) 火炎魔法(小) 精神異常耐性



ステータス(↑プ+魔+寄)

HP 42/42(↑20+3+4)

MP 42/42(↑20+8+4)

体力 23(↑8+1+4)

力  19(↑8+0+4)

魔力 47(↑20+8+4)

精神 44(↑20+5+4)

速さ 21(↑8+1+4)

器用 26(↑8+2+4)

運  31(↑12+3+4)

寄生 14(↑0+0+4)


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