第3話 プリーストへの覚醒
イオリが治癒院の手伝いを始め、1ヶ月近く経過。
寄生相性98の数値はさすがと言うべきか
それぞれ2人は舞い上がっていた。
リノア先生と仲良くなればなるほど
目に見えて熟練度が増加量を増えていく。
もう明日には『プリースト』のレベルも上がりそうだ。
しかも、好みのお姉さん…
キレイで優しくおっとりした巨乳美女が
毎日のように抱きしめ、甘やかしてくれる。
男として気持ちが盛り上がるのも分からなくもない。
リノアも同様だ。
毎日、理想の子が自分に会いに来てくれる。
母のサラさんが休みの日は自分に会う為だけに
イオリは治癒院にやって来る。
【魅了魔法(微)】はもう挨拶代わりに使ってはいるものの
その時々の印象操作程度でここまでの効果は見込めない。
しかも、だ。
休日も買い物等に出掛けると何故かイオリと出会う。
これはイオリが寄生の管を辿って会いに行ってるだけだが
リノア本人はそんなことを知るよしもない。
有りもしない運命を感じるまでに
リノアは舞い上がっていた。。。
◆リノア視点
「ねぇ、イオリ君はどんな子が好みなの?」
「あの…昨日もお伝えしましたが…リノア先生です。
とっても優しくて…そのキレイですし。」
「ふふふ、あの子の方が可愛いと思うわよ。
イオリ君と歳も近いし。」
「もう。先生、冗談だと思ってるでしょ?」
「ふふふふふ、ありがとう。
先生も大好きだからね。」
照れて顔を赤くしたイオリが応えてくれる。
グハッ…あぁぁぁん、可愛い過ぎる❤️
2人は真っ昼間から職場で
こんな会話を平然とする程に仲良くなっていた。
誰かに聞かれたら白い目で見られるレベルである。。。
理想の男の子が毎日のように会いに来ては
好意までストレートに伝えてくる。
最初は半信半疑で受け取っていたが
こう毎日言ってくれるとイオリが可愛くて仕方ない。
この頃には誰かを癒す為ではなく
イオリに会う為に出勤していたと言っても過言ではないだろう。。。
そして、次の日。
「先生!僕も『プリースト』に目覚めました。
先生と同じ職業になれて、とっても嬉しいです。」
「えっ、本当に!」
「はい、【回復魔法(微)】が使えるようになりました!」
そう言って回復魔法を目の前で使ってみせる。
下級職『僧侶』に目覚める子は比較的多いが
中級職『プリースト』になれる子はほんの一握りだ。
その一握りにイオリが選ばれた。
ぁ…ぁぁ…運命だわ。
リノアに気持ちは舞い上がりを通り越し
突き抜けていた。。。
神様が私の元にイオリ君を送ってくれたんだわ。
ふふふふふ、やっぱり私達は結ばれる運命なのよ。
リノアは嬉しさのあまり涙を流している。
この日からリノアの想いがより一層強くなった。
実際は寄生されているだけだが、リノアは知るはずもない。
「ふふふ、先生、嬉しくて涙が出ちゃった。
これからは先生が沢山教えてあげるからね❤️」
心の底から喜んでくれている。
その姿を見てイオリが抱きついてきた。
「はい、リノア先生に教えて貰えるなんて
僕は本当に幸せです。」
リノアは抱き合い歓喜で溢れていた。
この2人には寄生虫と被食者という関係は
むしろプラスに作用していると言えよう。
こうして、2人の関係はさらに強固になっていく。
そして、もう1つ。
職業『プリースト』に目覚めたからには
魔物を倒して成長を早めたい。
兄が素振りで使っている木刀を持ち出し
町の入口付近にいる最弱の魔物スライムを倒す。
スライム発見っ!
まずは遠くから【浄化魔法(小)】で攻撃。
あれ?効いてない?
MPの半分を使ったのに…
もう1発唱えるも、やはり倒せない。
げっ、MPが無くなったせいなのかフラフラする。
さっさと倒して熟練度がどれだけ貰えるか検証したい。
木刀で殴り掛かるもダメージが通ってるのかすら、分からない。
もたもたしていると、スライムからの反撃がくる。
痛っ、あ、服が溶けてる…
その後も何度か殴りつけるも倒せないまま、服だけがボロボロになっていく…
これ、あかんやつやん。。。
こうして、イオリはスライムから逃げ出した。
イオリの計画は早くも頓挫しそうである。。。
イオリ 10歳
職業:寄生虫LV1
擬態職業:無職
熟練度:
寄生虫 LV1(65.93/100)
プリースト LV1(1.51/100)
魔女 LV0(14.42)
寄生先:1(1/1)
親密度:リノア(42/98)
スキル:寄生 回復魔法(微) 浄化魔法(小)
ステータス(↑プ+寄)
HP 10/15(↑5)
MP 0/10(↑5)
体力 10(↑2)
力 7(↑2)
魔力 15(↑5)
精神 15(↑5)
速さ 8(↑2)
器用 12(↑2)
運 12(↑3)
寄生 10(↑0)
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