第2話 リノアの欲望

◆リノア視点


どうしてかしら。

サラさんが連れてきた子が気になる。

可愛いらしくて理想の容姿に加え、恥じらいのある表情。

重度のショタコン(少年好き)の私にはご馳走には違いない。


でも、それだけでは無い…気がする。

何かうっすらではあるが繋がりを感じてしまう。

これが俗に言う運命の糸…?

ふふふふ、私ったら乙女なんだから。


しかも、チラチラとこちらを伺ってくる。

自意識過剰かな?

バレないように視界の端で観察する。


やっぱり。

母親のサラさんよりも明らかにこちらを見ている。

あれ?もしかして、私とお話しがしたいのかな?

ふふふ、期待に胸が弾む。


おいで。

手招きするとキョロキョロしながら、自分を指差している。

ニッコリ頷いてあげると、恐る恐る近づいてきた。


何この子、超可愛いぃぃ!

胸がキュンキュンしている。


【職場では男の子に手を出さない】

いつか身を滅ぼす。

自分の中で取り決めた誓いが早くも崩れそうになる。


ちょっとだけなら…ちょっとだけなら大丈夫よね?


公にはしていないが

リノアは中級職『プリースト』だけではなく、『魔女』の職業にも目覚めている。


【魅了魔法(微)】多少印象を良くする程度の効果しかないが、理想の男の子である。

印象は少しでも良くしておきたい。


頭を撫でながら『魔女』のスキルである【魅了魔法(微)】を掛け名前を聞く。

「私の名前はリノア。

お名前、教えてくれるかな?」

「えと、リノア先生?

ぼ、僕はイオリです。

母サラがいつもお世話になっています。

今日はお手伝いに来ました。」

「イオリ君はえらいのね。」


あぁぁ、癒される。

明日も明後日も明明後日も会いたい。


「リノア先生に撫でられると気持ちがいい。

また、撫でて欲しいです。」

「ふふふ、いくらでも撫でてあげるわ。

明日もお手伝いに来てくれるかな?」

「はい、明日も会いに来ていいですか?」


「イオリ、リノア先生の邪魔をしちゃダメよ。」

サラさんがイオリを連れ戻しにきた。

あぁぁん、良いところだったのに。


「お手伝いに来てくれたと伺いました。

とても良い息子さんですね。」

「ありがとうございます。

でも、リノア先生の邪魔をしてしまうなんて、本当に何しにきたんだか。」


ぁぁぁ、イオリ君が連れて行かれる。

そんな悲しそうな目をして。

私も悲しいんだよ。

明日の約束もしてないのに。


結局、その後はサラさんの近くでお手伝いをしていた。

話せないまま、いつの間にか帰ってしまっている。


もう会えないのかな。。。


親密度:リノア 6/98



次の日。


サラさんはお休みかぁ。

イオリ君はもちろん見当たらない。

また気持ちが落ち込んでいく。

寂しいなぁ。


イオリ君、先生はとっても会いたいよ。



早く終わらないかな…

休憩していると突然、後ろから声を掛けられる。


「先生、会いに来ちゃった。

来ても大丈夫だったかな…?」


イオリ君が私に会いに来てくれた。

嬉しい。嬉しい。嬉し過ぎる。

地に落ちていた気持ちが天に届きそうだ。


「ふふふ、もちろんよ。

先生も会いたかったわ。」


また抱きしめながら頭を撫で

【魅了魔法(微)】を掛ける。


「リノア先生ありがとうございます。

皆さんのお手伝いをしてくるから

あの、、、またお話ししてもらってもいいですか?」

「ふふふ、大丈夫よ。

お手伝いありがとう。イオリ君。」


ふふふ、毎日でも撫でてあげたいわ。

何故か、私の所にばかり来てくれてるのよね。

もしかして、私の事を気に入ってくれてるのかしら。



イオリ君が清掃や洗濯、片付けを頑張ってくれている。

あ、また目が合った。

思わず、ニッコリして手を振ってしまう。

イオリ君も手を振ってくれた。

ふふふふふ、本当に良い子。

明日も来てくれないかな。



イオリ君がそろそろ帰るみたいだ。

私の休憩を待ってくれているのか、こちらを見てそわそわしている。

あぁぁ、可愛い。

胸がキュンキュンする❤️

ふふふ、ちょっと意地悪してみようかしら?


「もしかして、イオリ君、先生を待っていてくてるのかな?」

「はい、先生とお話ししたくて…」

「まだ時間が掛かりそうだから、今日は帰ってくれていいのよ?」


イオリ君が悲しそうな顔をする。

あぁぁぁん、そんな顔されたら、先生が悪いみたいじゃない。

ごめんね。意地悪言って。


「先生、今から頑張るから、もう少しだけ待っててくれるかな?」

「はい、先生。待ってます。」

「ふふふ、ありがとう。」

イオリの顔がパッと笑顔になる。

落ち込んだ顔からの笑顔が私の性癖に刺さる。


ずっと私の事を待ってくれてるなんてどうして?

もしかして私に気があるのかな?

キャァァァ❤️

私が本気になっちゃうかも。



「イオリ君、お待たせしたかな?

さぁ、私の研究室に行きましょうか。」


抱きしめながら、頭を撫で、また【魅了魔法(微)】を掛ける。

イオリ君がうっとりしている。


「先生、とっても気持ちいい。」

「ふふふふふ、お手伝い頑張ってくれたご褒美だよ。

イオリ君、先生そろそろ行かないと。

ねぇ、明日もお手伝い来てくれるかな?」

「はい、明日もお手伝いに来たいです。

だから、そのお話ししにきてもいいですか?」

「ふふふ、うん、明日も待ってるからね。

先生とお約束できるかな?」

「はい、絶対来ます!」

「ふふふふふ、じゃ、先生が休憩する時はこの部屋に来るから

ここで待っててくれるかな?

またサラさんに見つかると怒られるでしょ。」

「はい、リノア先生。

ありがとうございます。

リノア先生、優しいからもっともっとお話ししたいです。」


あぁぁぁん、優しいって。

もっともっとって言われちゃった❤️

ふふふ、先生はもっともっともっとお話ししたいわ。



リノアの欲望の蓋が開く。

理想の男の子が自分の所に積極的に会いに来る。

好意を持ってくれている。

リノアは舞い上がり、さらにのめり込んでいく事となる。。。


イオリ 10歳

職業:寄生虫LV1

擬態職業:無職

熟練度:

寄生虫 LV1(1.60/100)

プリースト LV0(1.22/50)

魔女 LV0(0.38)

寄生先:1(1/1)

親密度:リノア(9/98)

スキル:寄生


ステータス

HP 10/10

MP 5/5

体力 7

力  5

魔力 10

精神 10

速さ 5

器用 8

運  10

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る