第6話
ブーブー ブーブー…
「んー?誰だこれ?」見知らぬ番号からだった。
「はい、もしもし」一応出てみたら、食堂のおばちゃんからだった。
新聞記事を見つけておばちゃんにお礼を言った時に自分の名刺を渡していたんだった。
「何かありましたか?」と聞くと、霊子さんの命日が近いから、お墓参りに一緒にどうかと誘ってくれた人達が今食堂に来てるらしい。
「すぐお店に行くので、待っててもらうよう言ってもらえますか?」と言って、すぐに食堂へ向かった。
食堂に入ると、一斉にこちらを向く男女数人。この人達が誘ってくれたのか。
「あのー、お墓参りに誘ってくださった方々ですか?」と聞くとそうだ、と答えてくれた。
その中の一人が新聞記事をノートに貼ってくれたそうだ。
おばちゃんが俺の事を話してくれてたようだ。さすがに半年もの間、食堂に通った熱心さが伝わっていたようだ。
『なぜそんなにこの子にこだわるの?』と、そのうちの一人が聞いてきた。信じてもらえなくてもいいから話してみようと思った。昨日とさっきまで見ていた夢の内容を事細かく話してみた。
霊子さんが楽しそうに電話で誰かと話していた事、猛スピードで走って来た車に霊子さんがひかれた事、その犯人が今自分が住んでるアパートと同じ部屋に住んでいた事、そして霊子さんが俺のアパートに霊となって住んでいる事。
その話を聞いて泣き出してしまう女性もいた。その女性は電話の相手で、サークルの話をしていた途中で電話が切れたそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます